にこ太郎

主に500文字以内の超短編小説を書いています。 好きなジャンルはホラー、宗教、哲学です。

にこ太郎

主に500文字以内の超短編小説を書いています。 好きなジャンルはホラー、宗教、哲学です。

マガジン

  • 哲学

    哲学、東洋思想、宗教など

  • 小説

    どこからともなく始まり、何も解決しないまま終わる物語。後味の悪い話多め。

  • 創作

    ラップ、韻踏み、絵、音楽、アニメなど

記事一覧

《短編小説》透明人間

男は人生を捧げた研究の末、遂に透明薬の開発に成功した。たった一人でとうとう成し遂げたのだ。男は恭しく180mlのビンに入った無色の液体を持ち上げ、そのままそれを一気…

にこ太郎
1年前
16

【超短編小説】一筆の救い

芸術に一筋の男だった。彼は亡くなる前、このようなことを私に言った。 「真の芸術とは可視化できない抽象的なものの意味を読み解き、それを人間が表現することで完成する…

にこ太郎
1年前
8

《超短編SF小説》仏性チップ

ある日、スラム育ちのロボットが隣町のリサイクル店で偶然仏性チップを見つけた。ロボットは自分にも仏性があったら、より良い人生を送れたかもしれないと思い、チップを強…

にこ太郎
1年前
18

《短編小説》ドットスペース

「実にたいした部屋でしてね」 調査員にむかって得意げな表情をした社長が言った。そしてとっくにおなじみのはずのそれを、あらためて感嘆の面持ちでしげしげと見つめた。…

にこ太郎
1年前
12

《短編小説》蟹工船

海面に降り注ぐ屈折した太陽光は灰色の雲に閉じ込められ、大気は湿った熱気でうねっている。 港には三十人の若い兵士の隊列があり、海を背にして立つ教官は、兵士達に向か…

にこ太郎
1年前
19

昼夢の韻紹介

自分で作った曲の韻踏みポイントを解説していきます!自己満です。 ミツバチ(iuai) 昼下がり(iuai) 陸空海(iuai) 生きる価値(iuai) 昔(uai) 良い暮らし(iuai) 言い…

にこ太郎
2年前
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昼夢(prod by Bmonument)

00:00 | 00:00

これが、降りてきたってやつか…!と、ビートを聴いて1時間くらいでできた曲です。イヤホンで聴いてくれぃ。 歌詞 ミツバチが飛ぶ昼下がり、陸空海に問う生きる価値。…

にこ太郎
2年前
24

描いた絵

にこ太郎
2年前
33

昭和のおじさん

「昭和はよかった」とおじさんは言う。 彼は続けて、「あの頃はみんな生命力が溢れていた。今はあれだ、インターネットが悪いね。店や異性に対しても、常に損得勘定で物事…

にこ太郎
2年前
27

南無三(Prod.SNOW)の韻踏み解説

hook(サビ)の部分は、ひたすら南無妙法蓮華経で踏んでお経を唱えている雰囲気を出しています。 南無妙法蓮華経 aooeeo 愛憎の伝染病 aooeeo 過去の幻想郷 aooeeo 半透…

にこ太郎
2年前
19

【ラップ】南無三(Prod.SNOW)

00:00 | 00:00

はじめてラップしました。韻踏みの解説記事も別で出しました。 南無妙法蓮華経 愛憎の伝染病 過去の幻想郷 半透明健康法 南無妙法蓮華経 三乗超常現象 感動をはいどう…

にこ太郎
2年前
12

ボールペン画

にこ太郎
2年前
17

《超短編ホラー小説》首

その弟は負けず嫌いでした。最近、お婆ちゃんに付き添ってもらい、マンションの階段を素早く駆け下りる練習をしていました。何度も練習をするうちに、弟は階段を飛び降りた…

にこ太郎
2年前
53

《短編小説》僕と警官と暗黒の宇宙

父が交差点で事故を起こした。 父が運転する車が赤信号を無視して、走行中の車と側面から衝突したのだ。幸いなことに、助手席に座っていた僕も含め、怪我人は一人も出なか…

にこ太郎
2年前
30

《短編SF小説》スクラップ工場のロボット

20XX年、アップグレード宣言が発表された。 政府がアップグレード宣言を出すたびに、ロボットたちはより高度な能力が求められるようになる。これは新たなロボットの開発を…

にこ太郎
2年前
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《クレイアニメ》自主制作した作品《YouTube》

六畳一間の部屋中を、粘土と木屑だらけにして制作した、引きこもりの更生という作品。何を思って作ったのかは思い出せませんが、並々ならぬ情熱を注いでいたことは覚えてい…

にこ太郎
2年前
35
《短編小説》透明人間

《短編小説》透明人間

男は人生を捧げた研究の末、遂に透明薬の開発に成功した。たった一人でとうとう成し遂げたのだ。男は恭しく180mlのビンに入った無色の液体を持ち上げ、そのままそれを一気に飲み干した。すぐに身体は透明になった。

「やったぞ!これで僕は自由だ!」

早速効果を試すため、外に出た。人通りの多い交差点まで行くと、僕は両手を振って人々の通行を妨害するフリをした。しかし、人々は僕に気付かず、横を通り過ぎていく。

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【超短編小説】一筆の救い

【超短編小説】一筆の救い

芸術に一筋の男だった。彼は亡くなる前、このようなことを私に言った。

「真の芸術とは可視化できない抽象的なものの意味を読み解き、それを人間が表現することで完成するのだ」と。彼の作品は抽象画が多く、その中でも特に地獄を連想させるおどろおどろしい色合いが使われることが多かった。しかし、彼の代表的な作品はシンプルなもので、「くもの糸」というタイトルがつけられていた。

この作品は、高さ1メートル、横2メ

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《超短編SF小説》仏性チップ

《超短編SF小説》仏性チップ

ある日、スラム育ちのロボットが隣町のリサイクル店で偶然仏性チップを見つけた。ロボットは自分にも仏性があったら、より良い人生を送れたかもしれないと思い、チップを強奪してしまった。しかし、チップを自分の体に組み込むことができる場所を探しても見つからず、自分を自分で解体する羽目になった。結局、ボロボロになりながらも修理屋に到着し、チップを脳に埋め込むことに成功した。

再起動後、ロボットは修理屋に尋ねる

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《短編小説》ドットスペース

《短編小説》ドットスペース

「実にたいした部屋でしてね」

調査員にむかって得意げな表情をした社長が言った。そしてとっくにおなじみのはずのそれを、あらためて感嘆の面持ちでしげしげと見つめた。まもなく、調査員がこの中に入り安全性を検査することになる。今回は珍しい事業のということもあり、いつもなら調査員が一名しかこないところが特別に二名来ることになったのである。社長としてはそのことがさも満足だったのであろう、表情を見れば一目瞭然

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《短編小説》蟹工船

《短編小説》蟹工船

海面に降り注ぐ屈折した太陽光は灰色の雲に閉じ込められ、大気は湿った熱気でうねっている。

港には三十人の若い兵士の隊列があり、海を背にして立つ教官は、兵士達に向かって何か言っているが、ほとんどの兵士達は教官を透かして海の果てを見ながら静かに胸を高鳴らせていた。

そんな中、隊列の一番後ろに立つ一人の兵士だけは、教官の話を聞きながら夢夢不思議な気持ちを心中に感じていた。

「それでは校舎で座学を行い

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昼夢の韻紹介

自分で作った曲の韻踏みポイントを解説していきます!自己満です。

ミツバチ(iuai) 昼下がり(iuai) 陸空海(iuai) 生きる価値(iuai) 昔(uai) 良い暮らし(iuai) 言いづらい(iuai)

思考が至高、言動が幻想と絡んでいます。
言い聞かす(i-au) 死ぬか生きるか(iuaiua) ミニマリズム(iaiu) いつか沈む(iuaiu) 「i」から始まる語感踏み

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00:00 | 00:00

これが、降りてきたってやつか…!と、ビートを聴いて1時間くらいでできた曲です。イヤホンで聴いてくれぃ。


歌詞

ミツバチが飛ぶ昼下がり、陸空海に問う生きる価値。今も昔も割と良い暮らし、してるからちょっとだけ言いづらい。
「自分の思考と言動疑おう」そんな懐疑を自分に言い聞かす。
「死ぬか生きるか」それが至高のミニマリズムって、そんな幻想の太陽はいつか沈むのさ。
濁り切った息を吐き出し事実をいいよ

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昭和のおじさん

「昭和はよかった」とおじさんは言う。

彼は続けて、「あの頃はみんな生命力が溢れていた。今はあれだ、インターネットが悪いね。店や異性に対しても、常に損得勘定で物事を見てしまうようになってしまった。誰もがそうなのかもしれない。自分だけは損をしたくないと思っているから、損しそうな場所には寄り付かなくなってしまったんだろうね。今じゃほら、あの店も、あの店も、似たような店ばかりできてしまって、今の街並みは

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南無三(Prod.SNOW)の韻踏み解説

hook(サビ)の部分は、ひたすら南無妙法蓮華経で踏んでお経を唱えている雰囲気を出しています。
南無妙法蓮華経 aooeeo
愛憎の伝染病 aooeeo
過去の幻想郷 aooeeo
半透明健康法 aoeeoo
三乗超常現象 aooeeo
感動をはいどうぞ aooaoo
ただの陽炎 aaoaeo
悟って絶好調 aoeeoo

Aメロは、宗教勧誘の人の台詞です。南無三から始まるauaの韻を踏んでいます

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はじめてラップしました。韻踏みの解説記事も別で出しました。


南無妙法蓮華経
愛憎の伝染病 過去の幻想郷 半透明健康法
南無妙法蓮華経
三乗超常現象 感動をはいどうぞ ただの陽炎 悟って絶好調

「南無三 精神が砂漠化している まずがむしゃらに拝めば分かるはず もちろん反対する奴はいる だが気にすることはない 奴らは精神が腐ったわからずや 奴らの目の前は真っ暗だ わかるんだよ間違いない それが絶

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《超短編ホラー小説》首

《超短編ホラー小説》首

その弟は負けず嫌いでした。最近、お婆ちゃんに付き添ってもらい、マンションの階段を素早く駆け下りる練習をしていました。何度も練習をするうちに、弟は階段を飛び降りたほうが早いということに気づき、ついに五段までなら平気で飛び降りられるようになりました。

ある日、弟は兄に階段駆け下りの対決を挑みました。兄は快く受け入れ、お婆ちゃんに審判として一階で待ってもらうことにしました。

対決が始まると、弟は得意

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《短編小説》僕と警官と暗黒の宇宙

《短編小説》僕と警官と暗黒の宇宙

父が交差点で事故を起こした。

父が運転する車が赤信号を無視して、走行中の車と側面から衝突したのだ。幸いなことに、助手席に座っていた僕も含め、怪我人は一人も出なかった。また、この事故が起こった交差点には警察署があったため、警察官に全てを目撃されたことも不幸中の幸いと言える。

父は現在、事情聴取を受けている。そして僕は警察署の前のベンチに座り、破損した車を見つめていた。

「少し話してもいいか?」

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《短編SF小説》スクラップ工場のロボット

《短編SF小説》スクラップ工場のロボット

20XX年、アップグレード宣言が発表された。

政府がアップグレード宣言を出すたびに、ロボットたちはより高度な能力が求められるようになる。これは新たなロボットの開発を促進する一方で、対応できない旧式のロボットにとっては死刑宣告のようなものだ。

ここはスクラップ工場だ。対応できないロボットはここで解体され、部品として再利用される。

「今回のアップグレード宣言は早いな」と、壁に寄りかかるロボットの

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《クレイアニメ》自主制作した作品《YouTube》

六畳一間の部屋中を、粘土と木屑だらけにして制作した、引きこもりの更生という作品。何を思って作ったのかは思い出せませんが、並々ならぬ情熱を注いでいたことは覚えています。

ホラー作品を作ろうとした結果、後半から失速して、なんか変な感じに仕上がった作品。久しぶりに見返してみたら、わろけてもうたわ。

振り返ってみればクレイアニメ制作は楽しかったです。ストーリーを考えて、絵コンテを描いて、必要な道具を買

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