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哲学

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哲学、東洋思想、宗教など
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記事一覧

鍼灸治療の真髄は「霊体」の治療に有り

鍼灸治療の真髄は「霊体」の治療に有り

身体に点在するツボに鍼や灸で刺激して、様々な症状を緩和する鍼灸治療というものがある。近年では、科学の進歩や、研究が進んでいることもあり、鍼灸治療がなぜ効くのかということが少しずつ分かってきている。が、解明はされていない。それはなぜか。

鍼灸治療について書かれてある、最古の書物の一つに「霊枢」という古典がある。もう一つ「素問」という古典があるのだが、こちらは東洋医学に関する概要が書かれている。この

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「気」は連続体という概念

この世界は宇宙が始まったときから今に至るまで連続体である。

道教の始祖である老子と荘子は「この世界は連続体である」と説き、道徳を世に広めた儒教の始祖孔子は「この世界は不連続体である」と説く。

文字通り受け取り、この世が連続体であるとしたら、すべての区別や差別はなくなる。しかし、法律は決まらず、混沌とした状態に陥る。この世が不連続体であるとしたら、法律は決まり、人々を治めることができるが、区別や

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仙人が編み出した究極の性行為『房中術』 《目安時間7分》

仙人が編み出した究極の性行為『房中術』 《目安時間7分》

性行為には秘伝の技がある!

 中国古典の文献によると、一部の古代中国人(皇帝、仙人など)は、性交によって男女の気を混じり合わせる『房中術』という方法で不老長寿を目指していたそうです。この房中術、気にならないわけがない!

房中術とは 房中術は気功と性交を合わせ、気を練って蓄える仙術のことです。仙術とはその名の通り、不老長寿を目指す仙人が行なう術のことです。古代中国の仙人たちは、房中術を駆使するこ

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絶対的精神の自由を求めて…『荘子』万物斉同の哲学

絶対的精神の自由を求めて…『荘子』万物斉同の哲学

荘子は紀元前369年頃から紀元前286年頃にいたとされる人物で、万物斉同と因循主義によって精神の自由と平安を求めた中国の思想家で、道教の始祖の一人とされる人物だ。

そんな荘子の著書が『荘子』である。といっても『荘子』の著者はそのすべてが荘子というわけではなく、『荘子』は前漢(紀元前206年-8年)の初めごろまでのほぼ百五十年間にわたる荘子学派の集積であり、荘子自身がどれを書いたかということは正確

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東洋思想が行き着いた哲学、道(タオ)の説明

東洋思想が行き着いた哲学、道(タオ)の説明

中国には道教という土着の民族宗教がある。それは日本でいう神道や、インドのヒンドゥー教のように、誰か明確な開祖がいるわけではない自然発生的な宗教である。自然発生的宗教は、民族特有の精神性が反映された思想体系であり、そういった意味で道教は、古代中国人の精神性といっても過言ではないわけである。

そんな道教では、道(タオ)といった概念を最上の思想と考える。では、道とは一体なんなのか。

道とは、真理であ

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ビジネスで活きる『孫子の兵法』をわかりやすく説明 ≪目安時間8分≫

ビジネスで活きる『孫子の兵法』をわかりやすく説明 ≪目安時間8分≫

 『孫子(孫子の兵法)』は書物は中国の春秋時代(紀元前770年)の武将である孫武と、中国の戦国時代(紀元前403年)の武将で孫武の子孫とされる孫臏が著したとされる兵法書です。

 『孫子』が読まれるようになる以前は、戦争の勝敗は天運に左右されるという考え方が強かったようですが、孫武は戦争の記録を分析・研究し、勝敗は運ではなく人為によることを知りました。そして勝利を得るための指針を理論化して、『孫子

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孔子の『論語』に学ぶ聖人への道 ≪目安時間10分≫

孔子の『論語』に学ぶ聖人への道 ≪目安時間10分≫

聖人…なんと尊い響き…、そして我々一般人とはあまりにもかけ離れた存在…、ああ、しかし、聖人とは一体…?

今回はそんな謎に満ち溢れた聖人についてよく分かる『論語』という書物について説明していく。

『論語』とは春秋時代(紀元前770年)の中国の哲学者である孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子たちが記録した書物である。

『論語』は孔子を始祖とする思考、信仰の体系である儒教の経書の1つに数えられる

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男女の友情はありえるのか?

よくある話題だけど、この質問自体ナンセンスだと思うし、時代遅れなんじゃないかと思う。

男女の友情は成り立たないという立場の人は、男女の関係の延長線上には性的関係や、それに至らなくても性的な意識があり、それは本能的で、制御できないものだと考えているのだと思う。

そういう立場の人に問いたい。ゲイの男性と女性に友情は成り立たないのか(その逆も然り)。また、どんなに歳の差があっても男女の友情は成り立た

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愛ってなんなんだろう?〜文字の成り立ちから考察してみた〜

愛ってなんなんだろう?〜文字の成り立ちから考察してみた〜

「愛ってなんなの??」みたいな話って人生で一度や二度は必ず出てくるよね。で、「恋と愛ってここが違うよね」的な軽い哲学話になって、結局、「愛って分からないね」っていう、どうしょうもない結論になる話題だよね。

そんなあやふやな考え方は今日で終わりにしよう。愛について考えていくよ。

愛を辞書で調べると敬意と愛情の混じった強く前向きな感情
性欲と性的魅力に対する深い感情
好意を持っているという積極的な

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金髪に魅力を感じる理由と、日本人に金髪が似合わない理由 《目安時間3分》

金髪に魅力を感じる理由と、日本人に金髪が似合わない理由 《目安時間3分》

人生に一度は金髪に染めたいと思ったことがある人は少なくないはず。さて、金髪のどこに魅力を感じるのか。

金髪に秘められた4つの魅力1.女性らしさが際立つ金髪には女性らしさを際立たせる効果がある。女性らしさとは、柔らかくて繊細なイメージを連想させるものだ。北欧諸国やロシア北西部にみられるような生まれつき金髪の女性の髪は、細くて、手触りが柔らいので、女性の繊細で柔らかいイメージを際立たせることができ、

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人間が道徳的な行いをする4つの理由 《目安時間3分》

人間が道徳的な行いをする4つの理由 《目安時間3分》

 人間が道徳的な行ないをすることには4つの理由があります。

1.血縁利他主義 わたしたちは自分の血縁者を優遇する習性があります。自分と血縁関係にある人は、自分と同じ遺伝子を持っているので、血縁者を優遇することは、自分の遺伝子を後世に残すことに繋がります。この習性は自分の遺伝子を持つ個体を生き残らせるための本能ともいえます。つまり、わたしたちは密接な血縁者ほど、世話をし、防衛し、資源を分かち合い、

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真理に辿り着く方法、デカルトの『方法序説』 ≪目安時間8分≫

真理に辿り着く方法、デカルトの『方法序説』 ≪目安時間8分≫

『方法序説』は1637年に公刊されたフランスの哲学者、ルネ・デカルトの著書です。

 刊行当時の正式名称は「理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法の話」で、デカルトが方法論の発見・確立に至るまでの経緯が述べられています。

我思う、ゆえに我あり
「我思う、ゆえに我あり」という有名な言葉は、デカルトの『方法序説』で提唱された命題です。

 デカルトは真理の探究にとりかかろうと望んだと

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幸福の本質に関する考察 ≪目安時間4分≫

幸福の本質に関する考察 ≪目安時間4分≫

幸せは求めると離れていく まずは幸せの性質について考察していきます。

 幸せとはその性質上、求めると離れていくものだと思われます。何かを求めることを幸せだとすると、その幸せを得られていない今の自分は幸せではないことになるからです。つまり、求めれば求めるほど、足りていない自分に気づき幸せが遠のいていくということです。

 たとえば、贅沢な生活をすることを幸せとすると、贅沢な生活ができていない今の自

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人間と猿の境界線 《目安時間4分》

人間と猿の境界線 《目安時間4分》

 飼えなくなった犬や猫が動物保健所で殺処分されている現状を知ると胸が痛くなりますが、私たちは心の奥でそれを「しょうがない」ことだとして捉えています。

 もしそれが人間ならどうでしょうか。児童養護施設に預けられている子供が殺処分されているということを知ったら、それを「しょうがない」とは思えないのではないでしょうか。

 多くの人々にとって、人間が特別扱いされるべき資格があるということは、どんな議論

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