外国暮らしの日本語教師。 今年楽しみたいこと:日常生活とことん。創作。 アウトプット…

外国暮らしの日本語教師。 今年楽しみたいこと:日常生活とことん。創作。 アウトプット練習中。

記事一覧

これから本が届くということ。

いつも投稿があるたびに、期待と憧れいっぱいでページを開く原正樹さんのnoteで、ウィリアム・トレヴァ―というアイルランド人作家の『ラスト・ストーリーズ』という本の書…

木
6日前
24

二十年ぶりに、帰省した春の日本で、 二十年ぶりに、春風に舞う桜を見た。 他の季節には帰れたのに、なぜか不思議なほど、春にだけは帰る機会がなかった。 でも、それが二…

木
11日前
28

【ぜんぜん終わってなかった!深堀り編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

昨日いただいたコメントから、またパッと光のついた感覚があったので、散歩シリーズに追記です。 ……ちなみに、まだ「気づき」という言葉も知らなかった十代の頃、この「…

木
1か月前
12

遺さないという愛ー「君たちはどう生きるか」の主観的感想にかえて。

言葉にしなければ、しないだけ、 言葉は錆びつき、記憶は薄れていく。 やっと二月に公開されて、先日観にいった「君たちはどう生きるか」。 感動はすこしも薄れていないの…

木
1か月前
16

【解決編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

おはようございます。 だいぶ前に、散歩がまったくできない自分を嘆いて、 「散歩がつまらないという自分が一番つまらない」 という記事を書きました。 やはり、アウトプ…

木
2か月前
22

娘と『不適切にもほどがある!』を観る。

長女と、宮藤官九郎脚本ドラマ『不適切にもほどがある』を観ている。 16歳になる長女は南欧生まれの南欧育ち。 小学生の頃に数回だけ、夏休みに合わせて日本に帰国し、…

木
2か月前
28

『年の残り』 丸谷才一著 1968年

一昨日、ようやくこちらで封切になった映画『君たちはどう生きるか』を観ることができた。 あんまり感動してそれ以来、口を開けば 「すごかった……」 「ほんとうにすごか…

木
3か月前
20

【分析編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

上のNoteを書いてから時間が空いてしまいましたが、その間もけっこう「散歩」について考えていました。 やっぱり、アウトプットすることの一番のメリットは、自分がテーマ…

木
3か月前
17

【問題編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

「ネットで何かを書く」ということ=世界にむけて何かを届けること。 望む望まないにかかわらず。 そういう媒体の性質上、できるだけそのままの感情を書くんじゃなくて、せ…

木
3か月前
14

震えるおもしろさ。

今日はプルーストじゃありません。 ここ数年、はまりまくっているもう一つの沼、コテンラジオ。 一年間の日数より、もう沼の数の方が多いんじゃないかと危ぶむこの頃です…

木
3か月前
10

私の失われた時を求めて

プルーストのお仕置きならぬ、プルーストとの対話を黙々と続けております。 毎朝、子どもたち、主人、犬の順で朝食の準備をし、その後片付けをし、部屋を掃除し、洗濯を干…

木
3か月前
34

プルーストか、プルースト以外か。

「今世で読むべきか、読まざるべきか」と、実は10代から悩んできた本がある。マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」である。 そんな大げさに今世をかけて悩むぐ…

木
4か月前
16

山崎元さん、ありがとうございました。 そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします。

山崎さんを知ったのは、2023年の12月31日夕刻、日本がちょうど新年を迎えて一月一日に日づけを変えた頃でした。わずか5日前のことです。 こちらの新年の準備をし…

木
4か月前
13

新年なので、一新します。

思うところあって、新年からNoteの心がけを一新することにした。 「知らんがな!」と総ツッコミはされても、誰にも迷惑をかけないこの場、素敵です。何さあっでも人さまに…

木
4か月前
29

物語が生まれるとき

ひとすじの光がはらりと雲間からこぼれるおちるように、物語は、思いがけない角度から、なんの前触れもなくやってくる。 ああ、今回は、ここに来るまでがどれだけ長かった…

木
5か月前
20

エポケーしよう。

いただいたコメントから着想を得て、以前に書いた記事にもうすこし向かいあってみたくなった。 それは「エポケー(判断留保)」について。 日本語教育を勉強する中で古代…

木
5か月前
8
これから本が届くということ。

これから本が届くということ。

いつも投稿があるたびに、期待と憧れいっぱいでページを開く原正樹さんのnoteで、ウィリアム・トレヴァ―というアイルランド人作家の『ラスト・ストーリーズ』という本の書評を拝読した。

書評の内容の素晴らしさは、原さんのnoteそのものを読んでいただくとして(どうしてこんなにいつも、包括的なのに本質的な言語表現ができるのだろう)、じつは私は、その内容の深い洞察に行きつくまえの、この部分を読んだとき、す

もっとみる
桜

二十年ぶりに、帰省した春の日本で、
二十年ぶりに、春風に舞う桜を見た。

他の季節には帰れたのに、なぜか不思議なほど、春にだけは帰る機会がなかった。
でも、それが二十年ぶりに、叶うかもしれない。
この偶然の幸福が、私にとってはとても意味深いことだった。

ただそれだけの日記。

今年の春あたりに、両親の介護関係で日本に帰る必要がある……とわかったのは去年の秋ごろ。その頃から、かなり念を込めて暮らし

もっとみる
【ぜんぜん終わってなかった!深堀り編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

【ぜんぜん終わってなかった!深堀り編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

昨日いただいたコメントから、またパッと光のついた感覚があったので、散歩シリーズに追記です。

……ちなみに、まだ「気づき」という言葉も知らなかった十代の頃、この「パッ」と視界に電球がつく感覚を、友人二人と「ぴこんぴこん」と呼んで「ぴこんぴこん倶楽部」なるものに入会していました。懐かしいなあ。

で、今回の私のぴこんぴこん。
「散歩が苦手な自分がつまらない」という私の一連の記事について、紡ちひろさん

もっとみる
遺さないという愛ー「君たちはどう生きるか」の主観的感想にかえて。

遺さないという愛ー「君たちはどう生きるか」の主観的感想にかえて。

言葉にしなければ、しないだけ、
言葉は錆びつき、記憶は薄れていく。

やっと二月に公開されて、先日観にいった「君たちはどう生きるか」。
感動はすこしも薄れていないのに、
時間は恐ろしいほどの勢いで記憶をこそぎ取っていく。

だから今、どんなに言葉足らずでも、ここに記そうと思う。

先立って、ある古いYoutubeを見た。
その中で宮崎駿さんが言っていたことのひとつの答えが、
「君たちはどう生きるか

もっとみる
【解決編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

【解決編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

おはようございます。

だいぶ前に、散歩がまったくできない自分を嘆いて、
「散歩がつまらないという自分が一番つまらない」
という記事を書きました。

やはり、アウトプットというのはアンテナを張るという意味もあったのか(蜂蜜をたっぷり塗った割り箸を二本、鉢巻きにさして歩きだしたら、蜂や蝶が見つけてくれる感じでしょうか)、その記事をあげたほんの2,3日以内に、「おおっ!」と気づきのきっかけが向こうから

もっとみる
娘と『不適切にもほどがある!』を観る。

娘と『不適切にもほどがある!』を観る。

長女と、宮藤官九郎脚本ドラマ『不適切にもほどがある』を観ている。

16歳になる長女は南欧生まれの南欧育ち。
小学生の頃に数回だけ、夏休みに合わせて日本に帰国し、7月の日本の小学校に数週間在籍させてもらったことはあったが、実際の日本社会で長く暮らしたこともなく、ましてや80年代の空気を体験したはずもなく。
果たしてこの世代間タイムスリップ・ドラマの、さらに国境越え・親子鑑賞は、そもそも成り立つのか

もっとみる
『年の残り』 丸谷才一著 1968年

『年の残り』 丸谷才一著 1968年

一昨日、ようやくこちらで封切になった映画『君たちはどう生きるか』を観ることができた。
あんまり感動してそれ以来、口を開けば
「すごかった……」
「ほんとうにすごかった……」
しか出てこない自分の言語能力(の乏しさ)がほとほと嫌になったので、同じく人生で、おそらく同レベルの感動をうけ、未だその位置を維持している、映画とはまるでつながりのない小説の話をしようと思う。

このふたつの類まれなる物語の間に

もっとみる
【分析編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

【分析編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

上のNoteを書いてから時間が空いてしまいましたが、その間もけっこう「散歩」について考えていました。
やっぱり、アウトプットすることの一番のメリットは、自分がテーマに対してアンテナを張れること。

ということで、なぜ自分が散歩が苦手なのか、考えられる理由をランダムに挙げます。

【生産性が感じられない】
この期に及んで「生産性」とは……。
書いてて恥ずかしいです。
散歩の醍醐味を知っている方からす

もっとみる
【問題編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

【問題編】「散歩がつまらない」という自分が一番つまらない。

「ネットで何かを書く」ということ=世界にむけて何かを届けること。
望む望まないにかかわらず。

そういう媒体の性質上、できるだけそのままの感情を書くんじゃなくて、せめて少しメタ認知できてから、ちょっとでもアレンジできてからとがんばっていたのだけれど、今日は例外で。

散歩がつまらない…という自分が許せない!!

以上、目下の悩みです。

散歩がどれだけ身体にいいか。
習慣として素晴らしいか。
スト

もっとみる
震えるおもしろさ。

震えるおもしろさ。

今日はプルーストじゃありません。
ここ数年、はまりまくっているもう一つの沼、コテンラジオ。

一年間の日数より、もう沼の数の方が多いんじゃないかと危ぶむこの頃ですが、今回のコテンのケマル・アタテュルク編。
さっき帰宅の車中で聞いていて、おもしろすぎて家に帰れなくなってしまったので記念に。

第二回の今回、主人公のケマル・アタテュルクはまだ生まれてもいない時代の話ですが、これまでのコテンラジオの珠玉

もっとみる
私の失われた時を求めて

私の失われた時を求めて

プルーストのお仕置きならぬ、プルーストとの対話を黙々と続けております。

毎朝、子どもたち、主人、犬の順で朝食の準備をし、その後片付けをし、部屋を掃除し、洗濯を干し、午前九時から始まる授業の準備を整えると、ひとりそそくさと居間の一角に戻ってきて、さあプルースト。

好きなんかい?!と聞かれますとそう一筋縄で答えられるものでもないのですが、はい、なんといいますか、確実に沼ですね。
はまっています。

もっとみる
プルーストか、プルースト以外か。

プルーストか、プルースト以外か。

「今世で読むべきか、読まざるべきか」と、実は10代から悩んできた本がある。マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」である。

そんな大げさに今世をかけて悩むぐらいなら、さっさと手にとってしまえばよかったものを、一旦手にとればそのまま10年ぐらい他の本が読めなくなりそうな切なさに、若い頃は克てないままに、うじうじと来てしまった。
結果、マドレーヌの香りから邂逅するシーンや、見出された時の下りなど

もっとみる
山崎元さん、ありがとうございました。 そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします。

山崎元さん、ありがとうございました。 そしてこれからも、どうぞよろしくお願いします。

山崎さんを知ったのは、2023年の12月31日夕刻、日本がちょうど新年を迎えて一月一日に日づけを変えた頃でした。わずか5日前のことです。

こちらの新年の準備をしながら、YoutubeでフォローしているRe-HacQという番組を流し聞きしていたら、出演されていたのが山崎元さん。見るとはなく聞くとはなく聞いているうちに、この方の死期が近いこと、それを見越して淡々と話されている人生観に、どんどん惹きつ

もっとみる
新年なので、一新します。

新年なので、一新します。

思うところあって、新年からNoteの心がけを一新することにした。

「知らんがな!」と総ツッコミはされても、誰にも迷惑をかけないこの場、素敵です。何さあっでも人さまにだけは迷惑がげるでね(←東北弁)、と言われて育った昭和世代には、特に。

アウトプット練習は今年も継続中。いやむしろ、今からが本気。
心機一転の理由は4つ。

1.発信の趣旨を変える。

今までは自己の気づき「はっ!」瞬間の発信を心が

もっとみる
物語が生まれるとき

物語が生まれるとき

ひとすじの光がはらりと雲間からこぼれるおちるように、物語は、思いがけない角度から、なんの前触れもなくやってくる。

ああ、今回は、ここに来るまでがどれだけ長かっただろう。
いったい何人の人に、何枚の紙に、愚痴と絶望を語り書きつけてきただろう。

聞き役は「知らんがな」一択で終わるべきこれらの愚痴は、もちろん社会的つながりの相手に言えるわけもなく、数限られた話せる相手も、誰ひとりとして私の文言をまと

もっとみる
エポケーしよう。

エポケーしよう。

いただいたコメントから着想を得て、以前に書いた記事にもうすこし向かいあってみたくなった。

それは「エポケー(判断留保)」について。
日本語教育を勉強する中で古代ギリシャのこの一語に出逢い、ひとり「おおーっ!」となっていた夏の日の記事。

古代に存在したとされる「エポケ έποχή」。
直訳すると「判断留保」。

目の前で織りなす物事に、即座に是か非かで答えるのではなく、そこまでにいたるまでの過程

もっとみる