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人材紹介業をアップデートする

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私が属する「人材紹介業」の未来について個人的見解をつぶやきます。
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#人材紹介

海外駐在員の処遇は適切ですか?

海外駐在員の処遇は適切ですか?

 海外駐在員の処遇の見直しを検討する企業から助言を求められることが増えています。
 当社が今年2~3月に行なったアンケート調査の結果では、急激な為替変動や物価高騰などの経済環境の変化に伴い、回答企業の43%が直近1年程度で処遇の見直しを行なっており、加えて31%の企業が今後見直しを検討しているという結果となりました。

※アンケート結果はコチラ・・・ 

 今週はこのレポートをご覧になったお客様か

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なぜか研究者が職務経歴書に書き忘れること

なぜか研究者が職務経歴書に書き忘れること

 研究者が転職の際に職務経歴書に書くべき研究実績について、「問題関心(問い)と動機」が書かれていないことが多いように感じます。
 これらは、大学(院)の入学ガイダンスで一番初めに"最も大事なこと"として教わることです。

 実験の内容や使用した実験機器、研究室内での役割などは事実情報として重要ですが、面接官が研究者としてのスキルやマインドを判断する上では"問い"や"動機"が欠かせません。

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続・人材紹介コンサルタントの専門性とは

続・人材紹介コンサルタントの専門性とは

 先の投稿はNoteと同時に投稿したLinkedin でも数多くの方々にご覧いただきました。
 "いいね"をして下さった皆さん、有難うございました。

 閲覧者の属性データを見てみると、人材コンサルタントの方はもちろん、人事部門でお仕事をしておられる方々にも多数ご覧いただいたようです。

 人材紹介のユーザーである人事の方々にとって、人材紹介サービスの品質はより重要な関心事であるはずです。

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人材紹介コンサルタントの専門性とは

人材紹介コンサルタントの専門性とは

 労働市場の流動性が高まり、より豊富な経験や高度なスキルを有する人材の採用(転職)が増えることで、それを仲介する人材紹介コンサルタントにもビジネスや製品、各技術分野に関する知識が一層求められています。

 登録人材(求職者)の経験や強みを適切にヒアリングし理解する上で、同じ(近い)分野で働いた経験をもつコンサルタントは適任といえます。
 また取引先企業との関係においても、人材の需要家である事業部門

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人材紹介は成功報酬、という常識を疑ってみる

人材紹介は成功報酬、という常識を疑ってみる

 私が属している人材紹介業(登録型)は、成功報酬型の料金体系で、求人を行なう企業(クライアント)に対して推薦した候補者が入社した時点で手数料(売上)が発生します。

 募集広告を掲載した時点で料金が発生する求人広告や、候補者の探索を開始する時点で着手金が発生するサーチ型(リテーナー型)の人材紹介と比較すると、"入社"と"支払い"の前後関係だけを単純に比較した場合は確かに"後払い"と言えます。

 

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本を書いてみた(下)

本を書いてみた(下)

 6月28日、初の単著となる『海外事業を加速する 中途採用の成功法則』が発売されることになりました。既にAmazonでは予約販売が始まっていますので、もしよければ表紙だけでもご覧ください。

 一連の投稿は、自分もいつか本を書いてみたいと考えている人のために、なぜ私にそれができたのか、私にとって、本を書くために必要だったのはどのようなことだったかをお伝えするためのものです。
 よろしければ、ぜひバ

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人材紹介会社のSDGs

人材紹介会社のSDGs

「米国のESG投資残高が半減」!?
年末に大和総研が発表したレポートによると、米国のESG投資支援団体が行なった調査で米国のESG投資残高が2020年調査の17.1兆ドルから、8.4兆ドルに半減したということです。
 レポートは、「ESG投資適正化政策の影響によって実体の疑わしいESG投資が残高にカウントされなくなった」ことが原因であると推察しており、決して投資家がサスティナビリティに対する問題意

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オンラインと対面はどちらがよいのか?

オンラインと対面はどちらがよいのか?

 コロナ禍によって一気に普及したオンラインコミュニケーション。人材採用のシーンでも、オンラインで面接を行なうことはもはや当たり前のこととなりました。

 2021年7月に転職活動を行なった人を対象として行なわれた調査によると、回答者の半数強が転職先との選考段階でオンライン面接があったと答えています。

 私の実感値では、ホワイトカラーの中途採用においてオンライン面接を行なっている企業の割合は7〜8

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人生100年時代のキャリア設計を考えてみた②

人生100年時代のキャリア設計を考えてみた②

 仮に75歳定年を想定した時に生じる55歳(役職定年)からの20年にどう備えるのか。前回は、今後多くの人がその"20年"に見舞われるであろうことを以下のように挙げてみました。(※前回の投稿は以下↓)

(1)多様性ギャップ

(2)ジョブ型

(3)環境や技術への適応

(4)物理的制約

(5)経済的制約

 * * * * *

 これらのことに予め備え

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アンケート結果「人材紹介サービスの今後」

アンケート結果「人材紹介サービスの今後」

数あるSNSの中でもビジネス目的で使われることが多いLinkedin。

先ごろ、そのLinkedin上で、現役の人材紹介コンサルタントや人材紹介サービスを利用する人事の方々を対象するアンケートを実施しました。(有効回答数33件)

お尋ねしたことは3つ。
1) 今後の手数料(成功報酬)相場の変化について
=35%(または相場だと思う料率)は今後上がるのか、それとも下がるのか?
2) もし下が

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日本語を正しく使おう

日本語を正しく使おう

人材紹介ビジネスの関係者が用いる言葉の中で、長く違和感を覚え続けている言葉(用語)について、ついに我慢できなくなり投稿してしまいました。

それは「母集団形成」という言葉です。

「特定の求人に対して応募者を集める(=応募者群を形成する)」ことを指して日常的に使われるのですが、その意味合いで使うべき用語は「応募集団形成」です。

そもそも「母集団」とは統計学の用語で、『調査や観察の対象とする集団全

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新しい顧客のつくりかた

新しい顧客のつくりかた

山脇秀樹氏著『新しい顧客のつくりかた』(東洋経済新報社)。
消費者の観察と丹念な洞察をもとに、デザイン思考によって商品に独自の世界観と意味をもたらす手法について、極めて具体的なユーザー像やその購買活動に関する事例を挙げて解説しています。

かつて性能と品質で世界を凌駕した日本製品には、それらとは異なる新たな意味付けを行なうことによって再び世界を驚嘆させ得るポテンシャルがあるという前提で、その道筋を

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「守るべきもの」と「変えるべきもの」

「守るべきもの」と「変えるべきもの」

 500年企業“とらや”会長が語る「守るべきもの」と「変えるべきもの」——「長く続く」は良いことばかりではない。

 ”ちゃんとした手土産”の定番とも言える「とらやの羊羹」。根強い伝統とブランド力に加え、海外進出やカフェの出店など、時代によって果敢に新たな打ち手を講じてきましたが、常に中心にある同社の”コア”を黒川会長は次のように語っています。

「本当に美味しいものを誠実につくること。一生懸命に

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人の訓練を笑うな

人の訓練を笑うな

PRESIDENT ONLINEの最新記事から、『自衛隊がいまだに突撃訓練をやめられない「日本人ならでは」の理由』。

圧倒的な火力差を前に、無謀な突撃を繰り返して膨大な数の戦死者を出した「203高地」の戦いは、日露戦争を象徴する場面として戦史研究や小説・映画で取り上げられてきました。
その後の太平洋戦争においても多くの兵士を犠牲にしたこの白兵戦の訓練は、現代の陸上自衛隊に

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