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人の訓練を笑うな

    PRESIDENT ONLINEの最新記事から、『自衛隊がいまだに突撃訓練をやめられない「日本人ならでは」の理由』。

    圧倒的な火力差を前に、無謀な突撃を繰り返して膨大な数の戦死者を出した「203高地」の戦いは、日露戦争を象徴する場面として戦史研究や小説・映画で取り上げられてきました。
    その後の太平洋戦争においても多くの兵士を犠牲にしたこの白兵戦の訓練は、現代の陸上自衛隊においても依然として行われているといいます。
 しかし、中東などで起こっている最近の戦闘の様子は時にTVのニュースで報じられますが、203高地のような原野で行われる戦闘などはなく、全て市街地で展開される「市街戦」です。

 また現代の戦争は、正規・非正規軍の他、サイバー戦や情報戦を組み合わせる「ハイブリッド戦争」と呼ばれ、住民に極力損害を与えないように都市部の主要施設を占拠することで戦争に勝利するという方針で行なわれます。
 すなわち、自衛隊が富士山の裾野で行なっている大掛かりな演習は、実践とは全くかけ離れた“訓練のための訓練”と言わざるをえないものです。(もちろん体力や精神力を鍛えるという目的であれば、それは達することができそうですが)

筆者は、この時代錯誤な訓練が現代においても延々と繰り返される理由として、昭和から伝わる「教範」と、訓練の中でも特に重視される「銃剣道」の存在を挙げています。

    さて、時代遅れのマニュアルに時代遅れの教育研修で、現代の“戦い”に適応できないのは自衛隊だけでしょうか。

    コロナをきっかけに一気に加速した環境変化によって通用しなくなった旧いビジネス慣習や営業手法から離れられない管理職や経営者が、無意識のうちに無駄な時間と従業員のストレスを累々と積み上げてしまっていることは、意外と冷静に把握されていないものではないでしょうか。

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