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彩結ゆあ
2024年9月5日 16:46
『 次の夏まで 』ひまわりがうつむく姿をなんでもない顔で通り過ぎて行けるわたしたちはひとり欠けてもふたり欠けても別にどうってことのない生きものなのでしょう忘れたくないものを書き出しては書き出したことを忘れながら無臭の息を吐きつづけて風のつめたさに文句ばかりを言うようになる夏はどうでしたか夏はどうでしたか夏は、きれいでしたか覚えていられないくらいなら花なんて誰も植えない
2024年8月4日 14:15
高技術閃光 咲いた点から消えゆく点までをわざわざと結んだ造られた光線が目撃したものよりもきれいなものとして飾られる 人間はきれいなものが好きで好きで追いかけ続けるそして汚く死ぬ 優秀作品として回り、また誰かがそれに憧れる複製される、コピー、コピー全部ちがうのに全部同じ今年の空も、来年の空も同じ線を美しがる やめてくれよ最新機種ではないこのスマホで写したほうがよっぽ
2024年7月19日 21:56
『 私の好きな花 』夏の花を思い浮かべるときに私のなかで堂々と顔をあげるものはひとつ打ち上げ花火あなたは好きなものをどう大切にしますか私は打ち上げ花火を写真で見たくないと思うことで大切にしますこの目でみたものとはまったくちがう線をちがう光をエモーショナルとしておさめた写真は私の好きな花ではないフォトコンテストで優秀とされる光それはつくられた残像で何も正しくない
2024年6月14日 12:31
あのこと行ったパスタ屋さんが思い出せない隣町にある小さな店でおじいさんだったかなひとりで営業していて隠れ家のような場所で秘密基地を教えるように連れて行ってくれた関係ないはずなのにあいみょんを聞いてたら蘇ってきちゃったあの記憶とあのこのことが気になる今はどこで生きているかな仕事とかうまくやっているのかな辛くて転職したとか聞いたっきり私は勝手に全ての関係を絶ったあのこと行ったパスタ
2024年5月27日 23:58
『 ナチュラルエンドロール 』眠らせてくれないことに気づいたときまたひとり主人公が私に会いに来る上手い具合に波打ち際で足を湿らせるような心地の好い朝焼けを過ごすつぎの夜がくる前に 私にバレないように私から一本の映画を取り出してほしい隅ばかりを探さないで特等席にあるものに目を向けて 早く盗んで大きな劇場へ持って行ってよ著作権を騙すための偽ビンテージフィルターと音声の加
2024年5月26日 14:16
『 愛だといいな 』愛してるという意味の「食べちゃいたい」とあなたを殺したいという意味の「食べちゃいたい」に大きな違いはないどちらであろうと、好きなひと・好きだったひとに抱くその感情は、結局は愛である拗らせだと馬鹿にするか、メンヘラだと笑うか指を刺して笑われるくらいの人間であれるほうが、人間らしくて汚くて、うれしい愛しているあなたを、殺したいあなたを、食べてしまったら
2024年4月24日 23:11
わたし、よのなかの全てを知っているから、こころが震えることなんてあんまりなくて、でもひとりぼっちになるのが苦手だから、よのなかのことはぜんぜん知らないのって顔でひとと仲良くするのが得意でね、きみのその話もこれから始まる話も、知っているから、なんでそんなにしあわせになれるのだろうとふしぎに思いながら聞いているよ、あのキスもあのキスもその先も、告白も、本当の初めてを教えてほしかった、教えてほしかった相
2024年3月6日 22:09
『 パーマネントグリーン 』キャベツみたいなドレスが生える花壇のふちで仰向けに寝たい譜面通りなだけの弾き語りとサイファーのリズムが不協和音に響く夜のまち羨ましくてうれしい特別なんかいらないから宇宙と平行になる姿を無視していてほしいここでねむる ここでおきるおはようを投げかけてくるあれを太陽と呼ぶ朝定食四百円節約でも情けでも凌ぎでもない至福の目的地フル稼働のしあわせ
2024年1月24日 22:49
『 歩いて、春へ 』寒いっておもしろい求めていないのに着込んで着込んでその手段は布以外もたくさんあって、どうせ、何かしらからの温もりがないと春になれない私たちは、「別にそんなことないし」と下着を戦闘服にしたり、しなかったり中途半端だとわかっていても、きもい情を纏うならたとえ無理をしても春はこない斜め三十五度下の濡れた地面を見ているふりをしてどうせ、歩いている満足させ
2024年1月24日 22:22
『 ひとみをにつめる 』瞳にも食べ頃があるテーブルマナーよりも先にそれを知った人間たちから恋が始まる恋という名でもそうでなくとも憧れとして少しだけ特別な感情を抱いては目をみつめるみつめるという行為に無意識なしあわせを覚えるそうすると、腐らせないようにと努力をしてゆくにつめるという隠し味の加え方を覚える感情の料理 レパートリーが増えてゆくきみの、瞳の奥にハートマークをみつけ
2023年12月23日 17:28
イルミネーションと打ち上げ花火の殺傷能力を調査する職業に就く。季節の代表的な光として私を殺すものは花火。花火が、電球ならどんなによかったか。ずるいよな、期待させる下手くそな線を描いて上に向かう、ひらいて、一瞬だから写真に撮るよりも記憶のほうが綺麗に保存できちゃって、次から次へと夏が来ても更新ではなく増えてゆくだけ。ずるいよな。だから、今年もイルミネーションに囲まれて、踊るふりをして、きみが好きだよ
2023年11月3日 02:57
春夏秋冬で決める好きという感情も好き、毎週音楽特番が各局で放送されるから好きを感じる時期も好き、好きな季節の話、好みじゃなくて、また今年もきたな、と思う感覚のこと、また、って大事、舞っているだけの、落ちて踏まれて刻まれて風になるような、なんとなくの破片が、舞って地面すれすれを遊んで踏まれても形はこのままで、良くも悪くもこのままで、特別な生命としないから、破片でいる今を茜色と名付けたくなる十一月三日
2023年10月20日 10:36
頻繁に大便 出ちゃうね大変うまいもん食いてえ そのあとトイレ出しても痩せねえ 動くかジムで精神病 yeah!人格多数 聞こえるあいつ人生降ります やめとけ殺す!いきてる理由 疑問 鬼門 祈祷? きもアイラブユーより 食べちゃいたいが愛の誓い 博愛 いらない 吐きたい愛飲み込め 沈め藍デンティティ ブルーの目左右異色 300通りの青を知ってるきみのことは8番目で刺す痛い居た
2023年10月13日 17:13
憧れが増えると死ぬ 色んな臓器や骨から死んでいく タラレバの対象を人物にすると死ぬ 個なら自由なのに恋しくなるから人間としての馬鹿が絶好調で良かった 憧れたって鏡にしない そんな気持ちの悪いことはしない だから死ぬなよ 酔える量を知っている 正しく酔う そうやって美しくなれたらきみの憧れ