新川和江

「寂しい時代」

「寂しい時代」

ぼくには 子供がいます 1人います 1人だけですが  子供がいます 息子です 子供を生んだのは妻です 男のぼくには 子供は生めません 男の生む子供――それも将来は「ある」かもしれないけれど 子供は女が生むもの それは絶対的事実であってほしい ぼくはそう思います 子供を生めるのは女だけです 生まない女 生めない女 関心のない女  人はさまざまなので それはそれ これはこれ あれはあれ みんな違って みんないいのです そうです それは認めます ただ 子供を生む 生めるとい

スキ
14
わたしを束ねないで

わたしを束ねないで

「都内在住の40代女性」 記号のようなその呼び方で、一体何がわかるだろう 胎に宿ったその日から、紡がれてきた命、暮らし、人間性 何も知らないで 想像すらしないで そんな記号に束ねないで こんな日々は新川和江さんのこの詩を胸に灯す。   ーーー   わたしを束ねないで   わたしを束ねないで   あらせいとうの花のように   白い葱のように   束ねないでください わたしは稲穂   秋 大地が胸を焦がす   見渡すかぎりの金色の稲穂   わたしを止めないで   標本

スキ
1
詩を読み始めたキッカケ

詩を読み始めたキッカケ

わたしが詩を読むようになったのは今年の2月頃、妻のつぎの言葉からでした。 「女優のTさん、茨木のり子の詩が好きなんだって。  茨木のり子って知っているかな」 「茨木のり子?  なんか聞いたことあるな。」 わたしはネットで調べてみました。 現代詩は難解との先入観から、ほとんど読んでいませんでした。 ネットに載っていた茨木のり子の詩は、とても明快で意外なものでした。 そこで、他の詩人にも興味がわきネットで代表的な詩に目をとおしてみました。 さらに面白かった詩人の詩集を買って読

スキ
17
泉のありかを知っている風

泉のありかを知っている風

何人か、女性の話を聞く機会があった。 性別についての話は難しいのだけれど、それでも自由でない女の人が、この世にはたくさんいて、それぞれに自由になりたがっていた。 娘でいるのが辛い、母でいるのが辛い、女でいるのが、その役割を果たすことが辛いと言っていた。 自由になる前に、逃げなければならない人もいて、逃げても追われてしまう人もいる。 時代が移り変わっても・・・と考えていたら、ある詩を思い出した。 美智子上皇后様が、「降りつむ」という本の中で英訳されていた。 新川和江さんの詩

スキ
77
心にストックしましょうか

心にストックしましょうか

この連休にnoteのストック記事を 書いておこうと思ったけれど 楽しくなってしまって 一日2投稿を繰り返していたら ストックがあれ? あれれ? 減るっていうことは 新しく循環していくってこと。 ** なんて書きだして、 ストック という文字が 心に連想させたものは スープ そう、スープストックが 浮かんできた。 それでふと、ストックって 本当はどんな意味? 蓄えるという意味の ストックと スープのストックは 同じストック?と疑問に思い 調べてみた。 ストック

スキ
24
はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩

はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩

読んだ瞬間に、ざわざわとした中学生時代の教室の空気を感じた。 ざわついたのは、 耳に残っていたクラスメイトの声だったのか、 私のこころの揺れだったのか。 高校入試前の1月。 中3男子に国語の問題解説をする必要があったけれど、 その日は、大学生の学習アドバイザーが足りない・・・。 コピーライターなので、 国語の読解解説はできるだろうと 急遽、私が担当することになりました。 授業前になり、問題集を開くと、 そこには、私が中3の国語の授業で出会った詩が そのまま載っていまし

スキ
10
千度呼べば

千度呼べば

 中学三年生、思春期真っ只中その詩は私の中に大きな影を落とした。「私を束ねないで」新川和江さんの作品で私がその時、唯一空で言えるようになった詩である。国語の教科書に載っている作品で印象に残っているものは多々あるがこれを超えるものはないだろう。今となってはそう思うしかし私はしばらくこの作品を忘れていた。再会を果たしたのは大学二年生になってからである。  大学生の頃私は暇を持て余していた。アルバイトもせず、サークルにも入らず正真正銘何もせず過ごしていた。それはまぁよい。暇を持て

スキ
3
外山雄三を讃えて②

外山雄三を讃えて②

 前回の「外山雄三を讃えて①」にも書きました通り、私は外山雄三のファンです。学生時代、1996年に外山雄三の指揮する仙台フィルの東京公演を聴いて以来、その魅力にとりつかれ、以来、2005年までの10年間、1年に一度は外山雄三の演奏会に通っていました。いまから、2000年1月29日(なんでこんなに日付をはっきり書けるかと言うのは後述。よく見ると、25歳の大病よりも前だし、キリスト教の洗礼を受けるより前だし、ちょうど修士論文の基本アイデアが出た翌月ですね)、いまからちょうど21年

スキ
2
第23週 日曜日 世界で活躍する女性 吉岡しげ美

第23週 日曜日 世界で活躍する女性 吉岡しげ美

はじめに 第23人目の世界で活躍される女性はピアノ弾き語り・作曲家であり音楽家の吉岡しげ美さんです。 吉岡 しげ美(よしおか しげみ)さんは1949年9月11日 東京のご出身です。 子どものプロとしての活動 しげ美さんはまず武蔵野音楽大学音楽教育学科を声楽専攻卒業されます。 その後27歳で日本女子大学児童学科に学士入学されます。 そして同大学院家政学研究科児童学専攻修士課程を修了されます。 その後共栄学園短期大学児童福祉学科教授を経て、西武文理大学サービス経営学

スキ
14
#32 
春の草のことなら

なんでも知ってる春の土(新川和江)/七草リゾット

#32 春の草のことなら なんでも知ってる春の土(新川和江)/七草リゾット

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、すずな、すずしろ、ほとけのざ。 小学生のとき、覚えなくてはならない呪文のように舌でころがした「春の七草」。実家では1月7日に七草粥を食べる風習はなかったけれども、七草のことは母に教わり、「すずな」がかぶで、「すずしろ」が大根のことだということも知った。かぶ、大根よりもきれいな呼び名だな、と思った。 草のことをなんでも知っている土 1月7日は、七草粥を食べる日。七草は、早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うといわれている。そんな日にぜひ読

スキ
19