見出し画像

【現代詩】『黄昏』

『黄昏』

赤黄緑紫


夕方の海は

癒やされていて

力が抜けていて

それは、まるで

油揚げ みた。い

誰に

気を遣わず

味を染ませて

馬鹿みたいに

煌めいている



わ た し の 心 は

身 体 か ら

離 れ

遠 い 国 ま で

な が さ れ て

し ま っ た



心がおもうことと

身体がおもうことの

りょうほうを

たいせつに

貝殻のように

波打ち際に

ならべ直して

もう一度

一から順繰り

掛け直して

みる



すると

この病気は

跡形もなく

治癒する



愛することは

こんなにも

容易い


んだ



あかきみどりむらさき
2024ねん


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?