赤黄緑紫【あかきみどりむらさき】

2009年から現代詩を作っています◎詩壇・文学賞投稿◎桑沢デザイン研究所中退◎詩とデザ…

赤黄緑紫【あかきみどりむらさき】

2009年から現代詩を作っています◎詩壇・文学賞投稿◎桑沢デザイン研究所中退◎詩とデザインを繋ぎたい◎合言葉は=日々を舞台に◎母子共に元気な自閉症スペクトラム◎2人♂育児◎ビジュアル作品や日常Instagram掲載◎絵本作りたい◎詩人かもしれない◎

最近の記事

【エッセイ】『哲学料理』赤黄緑紫

ー私と婆は豚の餌を共に漁った仲間だー  誰と食べるご飯より、祖母(=婆)との食卓は何故か気持ちが落ち着いた。生きた心地がした。何故だろうー。  婆の料理は、今思えば、あれは婆の作品だったのかもしれない。ちょっと普通ではない、独特の料理ー。名付けて婆の【哲学料理】。精一杯の敬意を込めてー母の日や祖母の日には足りない✿拙い文章でー。 〜〜〜〜〜〜〜  私が幼い頃から、母は働いていて、私は二人姉妹の妹なので、姉が幼稚園や小学校に行くと同時に同居している婆に日中いつも預けられ

    • 【現代詩】『 初 夏 』

       『 初 夏 』 あかきみどりむらさき ◇ みかんの房を頬張る飛沫に 乾ききった喉元が 呼応する ◇ 見ず知らずの太陽が 妬けに馴れ馴れしいのは ど う し て か し ら ん 「 、 」 ゆっくりと たいせつに  登 り 詰 め て ゆ く  坂 道 の 途 中 小さな胸に 大きな宇宙を 抱き寄せるように 深 呼 吸 す る ◇ 地平線に平行に 飽く迄洒落て 傾けてみた 「 、 」 麦茶の入った ビールジョッキイ 焼け焦げ

      • 【現代詩】『熱湯✿3分』

        『熱湯✿3分』 あかきみどりむらさき カップラーメンが出来上がる迄の 心地良いこの誰のものでもない3分間を どうぞ私にお捧げ、くださいませ ✿ 今、世の中は、残酷にも、春なのです、よ。 自分を駄目だと思う事で 精神の安定を保っていた 我が愛しき婆ちゃん ここへ、どうぞヒラリ 舞戻ってくださひな ✿ 思い出す、華を凍結させた 私達の夢。 願いを込めて、押し花したのは 明日、明後日、それよりずっと 遠くのほうへ 生き永らえたいから ✿ 爺ちゃんに謝って、いた 独りきり

        • 【現代詩】『 く ひ だ お れ』2015年とくしま文学賞佳作

           『 く ひ だ お れ 』 赤黄緑紫 ときは戦国 多数決で散る櫻の華びら ❀ 天国の数、好き、嫌い、好き 軒並み数えて 明日や明後日来世までもが {押し競饅頭} 私を想って余っている様な 前世持ち込み禁止の今日に ー詩を食べたい詩を食べ歩くー 黙秘権を貫きながら 孤独に歩く√私はカラス 無論背にした刺青は 名もなき命の目次に過ぎない 五言絶句の嘘にまみれて涙に濡れて お前を偽るテーブルクロスを ーー騙しぬく時ーー 自己を分析する波√飛沫が はじめて私を意識して鳴る・・

        【エッセイ】『哲学料理』赤黄緑紫

          【エッセイ】私と絵と詩と

           こんにちは(^^)いつも唐突に詩を載せてはその後、全く音沙汰ないのに突然親しげに「こんにちは(^^)」の挨拶が自分でも可笑しく思える、今日この頃です。  今日は思いの外、気分がのったので私の詩作以外の作品=絵を載せてみたいと思います。と、その前に!私が詩に加えて絵も描くようになった成り行きを、頭の中のごちゃごちゃ達の整理整頓がてら、此処に纏めさせてもらいたいです。 * * *  かれこれ10年前、私は大学生だった。(←どうやら、ここからがエッセイのはじまり)15年前に

          【現代詩】『Cherry Blossom.』

          『Cherry Blossom.』 赤黄緑紫 死ぬ代わりに 文章をかく 〆 お前の馬鹿にしてきたもの、全部が 花弁になって 押し寄せる お前の厭世する 得体の知れぬ 獣を殺す 〆 実は 本当の事を言うと この、殺意は お前自身から萌出た 他愛もない 命なのだよ * 教えてあげる ほらこんなにも 生、温かい 俺ひとりのもの、では ないのだよ * 死ぬことで 証明しよう 俺と お前の心臓が 地続きなのだ、と いうこと その

          【現代詩】『黄昏』

          『黄昏』 赤黄緑紫 * 夕方の海は 癒やされていて 力が抜けていて それは、まるで 油揚げ みた。い 誰に 気を遣わず 味を染ませて 馬鹿みたいに 煌めいている * わ た し の 心 は 身 体 か ら 離 れ 遠 い 国 ま で な が さ れ て し ま っ た * 心がおもうことと 身体がおもうことの りょうほうを たいせつに 貝殻のように 波打ち際に ならべ直して もう一度 一から順繰り に 掛け直して

          【現代詩】『桃 源 郷』

          『桃 源 郷』 ー余所余所しげに眉を描き        馴れ馴れしげに紅を塗るー。 得も知れぬーさくらん坊ーを食(は)み出た前歯で 囓ってみれば 知られたくもない鈍色の種子が 舌(の)上に切なく(、)取り残される( )ー。 =そろそろ私が〆要らなくなる頃= 日増しに駄々黒くなった√甘蕉の斑点 ー神様模様の心を抱いたー優しいお前が 態(わざ)と躓(つまず)き、振り仮名を其処に添えておいて呉(く)れた事、こんなに素敵な御じょうず・御べんちゃら 死んでも私は忘れはしない、ょ

          【現代詩】『Nightmare.』

          『Nightmare.』赤黄緑紫 目覚めたら泣いてた 蝋人形のように痩せ 蛸のような紫色をした子供が 私を見つけて駆け寄ってくる ◇◇◇ 鬱血していて 真っ直ぐに切り揃えられた前髪が、可愛い。 抱き上げた身体がもう4歳くらいになっているのに 軽くて抱き応えがなく 誰に買ってもらったのか解らない ゴキブリみたいに悪光りした ポリエステルの短パンを履いている ◇◇◇ 胸にはくすんだ色の花を、挿しー。 わたしはその子を抱き抱え その場から離れようと

          【現代詩】『BEETHOVEN(べーとーべん)』

          『BEETHOVEN(べーとーべん)』 赤黄緑紫 ◇◇◇◇ 君が笑えば 俺も笑う 片棒を担ぎ ありったけの夢と常識を 台無しにしてくれる マフィア ◇◇◇◇ 君が泣くので 命からがら 俺は 一面の 海になった ◇◇◇◇ あかきみどりむらさき 2024ねん

          【現代詩】『BEETHOVEN(べーとーべん)』

          【現代詩】『地球モノロオグ』

          『地球モノロオグ』赤黄緑紫 自分自身のご機嫌をとるかの様に 自らに恋焦がれている 身体中にザラメ砂糖を纏わせながら 自らを回る=自、転、す、る、 何時からだろうか 丸焦げになった心臓を 掻き抱いたまま生きるようになったのは そのエネルギーを原動力に 幾度とない寝返りを繰り返している幼い俺は 誰の為でない√己の為だけ 仮にそれを=公転=と呼んでも構わないけど 知ったこっちゃない√ 俺は俺の為だけにー生き永らえるー         ☆彡 この広大な宇宙空間、ここへ 自らを

          【現代詩】『地球モノロオグ』

          【現代詩】『Emotional.』

          『Emotional.』 赤黄緑紫 “あっ” という間の人生に気づき “あー、あたし怪獣だった、忘れてた!” って、月明かりの下 朝まで騒ぎ =助けてくれない= 生真面目な朝焼けに 心と身体 ー煮浸してー 大人しくも家に帰れば 朝ご飯の目玉焼き勢いよく食べる そして明日から何食わぬ 【何事もなかった科】卒の様な顔して 人食いバーで アルバイトする * そんな、人生も たまにはいいよね. あかきみどりむらさき 2024ねん

          【現代詩】『マーチング・バンド』

          『マーチング・バンド』赤黄緑紫 害虫の様に省みず 一面を這い回る 5メートルを8歩と信じて 訳も分からず行進をした それを見た誰かが 異様な光景だよ、と呟き 丘の上では カラーガードが一斉に、救済の旗を振る ご覧、理解できない音楽の アルコール漬けになった己の姿をー。 夕日をバックに吊るされ高鳴る心臓を 奪還する責任がまだ、俺達にはあるー! ほら、次のフォーメーションが どれほどに憎いのか、言ってごらん? 操り回される躯(からだ)を 生きた頭脳に=ぎゅう=と手繰り寄せ

          【現代詩】『マーチング・バンド』

          【エッセイ】はじめて詩を書いた日

           私が生まれて初めて詩を書いたのは、高校2年の春だった。あの時の私は毎日が「ズタボロ」。今でも思い出せる生々しい気持ち、でもあんまり思い出したくないーそんな複雑な思春期後半を過ごしていた。  高校1年の春に入部した演劇部や弓道部は1ヶ月も経たないうちに一気に止めてしまい、心機一転作った友達とも木っ端微塵に縁を切ってしまっていたー。青春盛りの高校生が、何故こうなのかー。 思い出す、私は片っ端から人を信じることが、出来なくなっていたのだったー。  いじめの多い中学校時代を経

          【エッセイ】はじめて詩を書いた日

          【エッセイ】『旅行*情緒』

          子供の頃、旅行に行く時 2つの気持ちがあった なんで家ごと全部持っていけないの、 という気持ちと なんで終わってしまうのに行くの、 という2つの気持ち 家にある気に入ったものや 安心なものをわざと手放して 敢えて旅行にいくことの、不思議 すぐに終わってしまう、終わったときの寂寞を既に思い浮かべることができるのに なんで敢えて行くのだという、不思議な気持ち 〜〜〜〜〜 ポケットジョーク集で ビアガーデンでビールを飲んで おしっこがしたくて何回もトイレにいく それなら、

          【エッセイ】『旅行*情緒』

          【現代詩】『晦日の正夢』

          『晦日の正夢』赤黄緑紫 “全員で分かりあえる平和があなたはやってくると思いますか”という質問に 中学生の僕は堂々YESと答えた   今は総ての人が分かち合うことの出来ないその事実を今日の価値に感じ、大人になって鹿尾菜(ひじき)を好きになれた絶妙じゃないけど その真実こそを 生命の長所に感じる 全員が分かり合うことを平和と決めてしまった時の 英雄にも殺人者にもなってしまったような、その身に巻き起こる薄ら寒さ居、畳まれなさ√なまあたたかさ。たった無邪気な“俺っぽちの人生”に