【現代詩】『 く ひ だ お れ』2015年とくしま文学賞佳作
『 く ひ だ お れ 』
赤黄緑紫
ときは戦国
多数決で散る櫻の華びら
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天国の数、好き、嫌い、好き
軒並み数えて
明日や明後日来世までもが
{押し競饅頭}
私を想って余っている様な
前世持ち込み禁止の今日に
ー詩を食べたい詩を食べ歩くー
黙秘権を貫きながら
孤独に歩く√私はカラス
無論背にした刺青は
名もなき命の目次に過ぎない
五言絶句の嘘にまみれて涙に濡れて
お前を偽るテーブルクロスを
ーー騙しぬく時ーー
自己を分析する波√飛沫が
はじめて私を意識して鳴る・・