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【現代詩】『 p a i n 』

『 p a i n 』
赤黄緑紫


海という


痛みの集合体に


足を浸しているとき


それはとても愉しいひととき


海は


痛みの=集合体=で


行きなり広く行きなり暗い


寄せては返す時も=哀しい=


夏になったら皆がたわ群れ


冬には誰もが忘れ去る


悪気もなければ諂(へつら)いも


しない


海は海の感覚だけに


独り泥酔する


沈んでゆく毎日とその一生に



もう二度と


出逢ってしまわぬ様に


炊きたての米、綯い交ぜにする如


しゃもじ一つで


釜底から浪を覆す


何処へも行けないという、世知辛


はたまた


何処にも走りだせないという、皮肉


わざと頭部を打ち付けて


酩酊しながら


うろたえる


屹度、だからだ


夕陽が蹴散らかした波飛沫が


妙に熱くて


辛かったのは




あかきみどりむらさき
2024ねん

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