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【現代詩】『 く ひ だ お れ』2015年とくしま文学賞佳作

 『 く ひ だ お れ 』
赤黄緑紫


ときは戦国
多数決で散る櫻の華びら

天国の数、好き、嫌い、好き
軒並み数えて
明日や明後日来世までもが
{押し競饅頭}
私を想って余っている様な
前世持ち込み禁止の今日に

ー詩を食べたい詩を食べ歩くー

黙秘権を貫きながら
孤独に歩く√私はカラス
無論背にした刺青は
名もなき命の目次に過ぎない
五言絶句の嘘にまみれて涙に濡れて
お前を偽るテーブルクロスを
ーー騙しぬく時ーー
自己を分析する波√飛沫が
はじめて私を意識して鳴る・・・!

嗚呼、心臓を飲み込んだまま
生きていくのは楽ではないけど

椅子取りゲームの如く誰かが溢れる世の中
尻取りの後の隠れん坊ほど
贅沢なものはないって噂√
朝の風呂屋に行った帰りに
辞書に載らないお前の名前を
無料で叫ぶ時の幸せ
噛 ミ シ メ テ イ ル・・・〆


午前零時半
※空襲警報※
【縛り上げていた柱時計が啼く】
誰ニ何ト云ワレヨウトモ私ハ私ニ
生マレタカッタヨ
 ジャングルジムに蓄えておいた
愛の辞(ことば)ー。

“雰囲気づくり”の為
鳴らし始めた心臓は
もう何の役にも立たない=抜殻=
“心”と“身体”引き換えに熱く
フラメンコ踊れば
後は虚しく夜が明けるだけー・・・。



目から鱗の夢を見た

鼓動と鼓動の合間合間に
込み上げるのは夏の華ー。
“孤独の華”を咲かせる約束
破って咲いた=彼岸花。
景色に景色が見惚れている様で
本当に此処は“シヤワセ”と思ふ

「そう、これからは」
紋白蝶の後つけ
気儘に
生きてゆこう、よ。

つぶやいたとき

誰かが私を見ている気がして
目覚めるそこには
「だれもいない」な



けれども言葉を
現実にしたい
現実にした言葉の中から
明日抱く夢を
決めてゆきたい
ー今日もまたー
誰の為でない己の為に
詩を食べたい、詩を
食べ歩く



2015ねん
あかきみどりむらさき


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