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【日記】人生初救急車でした

7月18日  いつもより少し早い5時前に起床。10段階で5〜6くらいの腹痛があった。すぐ治まるだろうと高を括りながら、バナナ食ったりゴミ出ししたり身支度、トイレをしたりしていると、痛みは突然10段階の10に。脂汗を流しながら唸っていたらしく、それを聞いた妻も起きてくる。唸っていた自覚も記憶も全くない。今度は手足、舌先に痺れが出始め、体がうまく動かせない。呂律も回りづらい。いよいよ立っていられなくなる。  寝室に戻ってベッドに倒れ込み、119番通報。配送業者が間違える自宅の所

    • 学習規律の“物語”

       先日、「学習規律」に否定的な立場から書かれた文章を見かけました。  学習規律そのものにまつわる議論は非常に入り組んだものになりがちですし、時に当人同士が自前のサンプル(場合によってはn=1)を盾に論陣を張りますので、なかなか難しいんですね。  ただ。ただですよ。  取り上げている「学習規律」とやらの捉えが異様に狭い感じを受けますし、当の文章はそもそも大きな間違いを犯している、というのが私の見立てです。学習規律が目的として設定/運用されているという誤解によって書かれた文章であ

      • 対比、対比、そして対比

         授業案の検討で、授業の参観で、教材文の分析検討で。  「対比」について話題にすることが多くなってきました。何かしらのバイアスがかかってそう思っているだけだという可能性を残しながら、小学校国語科教育における「対比」の立ち位置、扱われ方、その他について自分なりに整理しようと思います。  4年生の定番教材『一つの花』(今西祐行)は、俗に戦争教材と呼ばれることがあります。戦中戦後を通した登場人物たちの心情変化を叙述を通して読んでいくことを目指すと同時に、副次的に反戦感情や平和への

        • 授業構想『やまなし』(光村・小6国語)

           宮沢賢治『やまなし』が三重の入れ子構造だとかどうだとか、そういう話を以前しました。  じゃあそのことを全て授業に詰め込んで45分間×7、8回程度の授業を成立させることができるのか。現時点ではかなり難しいので回避しようかなと考えているところです。その代替案が必要になります。  『やまなし』のもう一つの特徴として挙げられるのは、「五月と十二月が作り出す、鮮烈な対比の構造」です。  入れ子構造の物語を充分に読んだ経験があるのであれば、この代替案に頼らず突っ切っていけたのやもしれ

        【日記】人生初救急車でした

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          授業報告「名づけられた葉」(光村・小6国語)

           新川和江の詩『名づけられた葉』を扱った授業を終えました。1時間一本勝負の授業で目指したのは“題名に込められた意味をどう読むか”ということでした。  ここで触れておきたいのは擬人法です。が、これはあくまで知識として。人でないものを人に喩えたり、人のありようを無生物に仮託する表現方法があることは、知識として重要ですし、この詩を読んでいく上で前提となるものです。  その一歩先。  「この詩は擬人法を用いて書かれているね。」の先にあるものを考えていかなくてはなりません。  例

          授業報告「名づけられた葉」(光村・小6国語)

          “そこ”から広がっていけ 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』

           ニンテンドー64の登場は、まさに「次世代ゲームハード機」の到来を華々しく告げた、時代の転換点だったように思い出されます。初期主要タイトルの一翼を担ったのは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(1998年)で、当時の私は友だちがプレイする様子を横で見ていました。  左から右へと向かっていく横スクロールアクションの時代から、突然360度全方位に広がる新次元に放り出された衝撃は、ローンチタイトルである『スーパーマリオ64』(1996年)でも感じたわけですが、私の興味は断然『時オカ』に向

          “そこ”から広がっていけ 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』

          流行歌の学校親和性

           学校現場で重宝されやすい流行歌というのがあると思っています。旋律が爽やかで、歌詞には前向きな主張が包含されていて、何よりも認知度が高い、そういった歌が。  一昔前であればこの地位には「いきものがかり」や「GReeeeN」が座っており、運動会・体育祭、学芸会・文化祭、卒業式で定番の曲になっていた記憶があります。「Yell」「ありがとう」「愛唄」「遥か」「キセキ」あたりでしょうか。なにかしらの再生ボタンを一度も自分から押下したことはないのに、これらの曲はなんだかよく聞いた記憶が

          流行歌の学校親和性

          教材研究覚書『やまなし』(光村・小6国語)

           この物語教材文に警戒感やそれに類する感情をもっている6年生担当経験のある先生は多いような気がします。何だか難しい教材文だという強固なイメージが根付いているのです。ほんまにそうか? そうでもないんちゃう? いやでもなあ……。という。  五月の川の底、二匹の蟹の兄弟は“クラムボン”について話しています。二匹の頭上では魚が流れの中を行ったり来たりしていましたが、突然飛び込んできたカワセミによって魚は姿を消します。怯える二匹に父親蟹は、自分達を襲うことはない、と優しく話します。

          教材研究覚書『やまなし』(光村・小6国語)

          授業報告「日常を十七音で」(光村・小5国語)「たのしみは」(光村・小6国語)

           上記記事の報告です。  「表現を工夫しよう」の一点突破で乗り切ろうとした単元ですが、いろいろと詰めの甘さが露呈し、自分の中では不完全燃焼な感覚が残っています。児童はどうだったでしょうか。自分なりに頑張れたぞ、もっとできたのになあ、よくわかんなかったな。そういったあれやこれやが混ざっているのだろうなと思います。  今回の単元で考えなくてはならなかったのが、「なぜ表現を工夫するのか」という点でした。「表現を工夫する方法」自体は教科書にも載っていますし、わたしたちが普段の生活

          授業報告「日常を十七音で」(光村・小5国語)「たのしみは」(光村・小6国語)

          景色005 北見点描 昭和通を歩く

           歩きました。(24.5.19)  Googleマップによれば約8kmです。  北見市三輪のど真ん中から出発し、住宅密集地の北縁をぐるりと時計回りに行き、田端町/春光町にある南大通との交差点が今回の終点です。道道北見環状線と重複しており、北見中心市街の北側を迂回しながら、ここを経由して主要な地区に行くためのバイパス道路としての役割があります。  なお、道路名の由来になったと思われる昭和地区ですが、この道路のもっと北側の山間部がそれにあたります。もしかして関係ないのか。どうな

          景色005 北見点描 昭和通を歩く

          教材研究覚書「日常を十七音で」(光村・小5国語)「たのしみは」(光村・小6国語)

           小学校で、義務教育で、俳句や短歌を作るのはなぜなのか、というそもそもの問いがあります。学習指導要領に根拠を求めていきますと、こんな文言が見つかります。  3・4年生での俳句や短歌は、音読や暗唱を通して日本の伝統的な言語表現文化に親しむことを目的に設定されています。「昔の人って、たった十七音で景色や気持ちを表現してたんだね。」「お気に入りの俳句を見つけたよ。」などなど、あくまで伝統的文化への入り口を設定するものです。  5・6年生での俳句や短歌は、「書くこと」を一段上のレベ

          教材研究覚書「日常を十七音で」(光村・小5国語)「たのしみは」(光村・小6国語)

          授業報告「聞いて、考えを深めよう」(光村・小6国語)

           報告になります。時期的なもので上記記事のPVは増えていますが、まあ多分参考になるようなことは特に書いていないのでスルーされている感じがありますね。そりゃそうじゃ。  特別支援学級で少人数ということもあって、教科書の進行からは大きく変更している部分が多いのが実際です。 単元計画と授業の実際  前記事の通り、インタビューの目的はそこで得られた内容をどこかへ発表することにあります。ただ「インタビューしに行こう」では何も動きません。単元の出口として「1年生に伝える」を設定する

          授業報告「聞いて、考えを深めよう」(光村・小6国語)

          景色004 北見点描 南大通を歩く

           歩きました。(24.4.29)  Googleマップによれば10km弱です。  国道39号線の北側を並行する夕陽ヶ丘通に対して、南大通は名前の通り39号の南側に位置します。北見市の中心市街の外側を、円弧を描きながらぐるっと半周するような格好です。北見市の環状線の一部かな、とも思うのですが、その役割は南大通のさらに外側を走る道道943号線が担っています。まだ環状にはなっていませんが。国道をバイパスする役割があることも関係して、商業施設よりも住宅が目立つ通りです。また、北見の

          景色004 北見点描 南大通を歩く

          教材研究覚書「聞いて、考えを深めよう」(光村・小6国語)

          (加筆修正 24.4.27 14:40)  若手の先生から「この単元の進め方で困っています。どうしたらいいでしょうか。」と相談を受けたので、一緒に考えることにしました。こうやって声をかけてもらえるのは嬉しいことですし、何歳になっても何年目になっても声をかけてもらえるようにやっていきたいものです。人間や、その職能に賞味期限があるかのような言説はあまり好まないのですが、「もう終わった人」とされるのはもっと好まないので、ある意味ではこの仕事を続けていく上での重要な目標のような気が

          教材研究覚書「聞いて、考えを深めよう」(光村・小6国語)

          景色003 北見点描 夕陽ヶ丘通を歩く

           歩きました。(24.4.14)  Googleマップによると約15kmです。  北見市・夕陽ヶ丘通は、オホーツク地方の物流大動脈である国道39号線の北側を並行して走る、北見市道の一つです。北見市を東西に横断する道路で、その西端は玉ねぎ畑が広がる相内地区の道道245号線、東端は小泉地区で国道39号線に合流します。北見市中心部のかなりの部分を通過する道です。  夕陽ヶ丘通りを大雑把に、「1 相内地区」「2 西北見地区」「3 高栄地区」「4 イオン周辺」「5 東陵地区」「6

          景色003 北見点描 夕陽ヶ丘通を歩く

          詩について あるいは個人的な振り返り

           今年度は特別支援学級担任として、5年生と6年生の児童を担当することになりました。5年生も6年生も宿泊行事が予定されているため、どちらも引率として出向くことになります。また、6年生は校内最高学年であり、年度末には卒業・進学を控えているため、児童も私もある程度の緊張感の中で1年を過ごすことが予想されます。  そういうわけで、先週から構想していた詩の授業を終えましたので、その振り返りになります。この授業が、取り組みが、どのような結果の起点となりうるのかを考えながら、次の授業を構想

          詩について あるいは個人的な振り返り