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小学校教育、国語、いろんな感想文と北海道での日々でお送りしております。

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教材研究覚書「聞いて、考えを深めよう」(光村・小6国語)

(加筆修正 24.4.27 14:40)  若手の先生から「この単元の進め方で困っています。どうしたらいいでしょうか。」と相談を受けたので、一緒に考えることにしました。こうやって声をかけてもらえるのは嬉しいことですし、何歳になっても何年目になっても声をかけてもらえるようにやっていきたいものです。人間や、その職能に賞味期限があるかのような言説はあまり好まないのですが、「もう終わった人」とされるのはもっと好まないので、ある意味ではこの仕事を続けていく上での重要な目標のような気が

    • 景色003 北見点描 夕陽ヶ丘通を歩く

       歩きました。(24.4.14)  Googleマップによると約15kmです。  北見市・夕陽ヶ丘通は、オホーツク地方の物流大動脈である国道39号線の北側を並行して走る、北見市道の一つです。北見市を東西に横断する道路で、その西端は玉ねぎ畑が広がる相内地区の道道245号線、東端は小泉地区で国道39号線に合流します。北見市中心部のかなりの部分を通過する道です。  夕陽ヶ丘通りを大雑把に、「1 相内地区」「2 西北見地区」「3 高栄地区」「4 イオン周辺」「5 東陵地区」「6

      • 詩について あるいは個人的な振り返り

         今年度は特別支援学級担任として、5年生と6年生の児童を担当することになりました。5年生も6年生も宿泊行事が予定されているため、どちらも引率として出向くことになります。また、6年生は校内最高学年であり、年度末には卒業・進学を控えているため、児童も私もある程度の緊張感の中で1年を過ごすことが予想されます。  そういうわけで、先週から構想していた詩の授業を終えましたので、その振り返りになります。この授業が、取り組みが、どのような結果の起点となりうるのかを考えながら、次の授業を構想

        • 詩について あるいは言語表現の極致

           令和6年度の教育活動が始まるので、教科名を書いたカードをラミネータにかけたり、そのラミネートされたカードの角を丸めたり、朝の会と帰りの会の司会原稿を作ったりはせずに、せっせと授業のことを考えています。時折それ以外の仕事が生えてきたり、最初から生えているのを忘れていたりするので、そっちも片付けながら。  国語の授業を構想しています。  4月、早い段階で詩の授業が計画されています。教科書会社にもよるところですが、これは「文字や言葉による表現の先端を目指していった先にあるのが詩

        教材研究覚書「聞いて、考えを深めよう」(光村・小6国語)

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          年度末の教室大掃除について

           公立小学校の年度末業務に必ずと言っていいほど組み込まれる仕事の一つに「使用した教室の片付け・清掃」があります。この教室の片付け・清掃について私は、「指導要録の作成・確認」や「学級編成と引き継ぎ」に次ぐレベルで重要な仕事であると認識しています。指導要録は法的に必須なんですけども。職業上の使命感からなのか、それとも私個人の感覚からなのか。おそらくはその両方だし、この二つが複合的に絡まった結果なのだろうとは思います。  さて、「なぜ教室の片付け・清掃を教員による素人仕事に頼るの

          年度末の教室大掃除について

          始まる前から始まっている

           授業のことです。  世の中にはどうしても「始まる前から始まっている」ものがたくさんあるように思えるのですが、授業もそのうちの一つだということです。  「授業」なる営みをかたち作っているものをどれだけの要素に分解できるか、どの段階まで細分化するかを考えていますが、あまりやりすぎると収拾がつかなくなると思われるのでほどほどで考えないといけません。あまり細切れにしすぎると、それこそ授業論の類型化につながりそうな予感があります。  「内容/方法」というざっくりした二分法でもよかろう

          始まる前から始まっている

          類型化される授業論と教師論

           方法か、内容か。そういった大雑把で恣意的な二分法も有効な時は有効なんですけども、あくまで授業の一側面だったり、教師像の一側面だったりでしかないので運用が難しいですね。  そういうわけで、私たちが毎日やっている、年間1000時間の授業とは一体どんな要素から成り立っているのかということをむにゃむにゃと考えていきます。いつもの通り、なんの参考文献も引用資料もないままに始まるため、ここにあるのは私の経験則以下のものばかりですが。  先のポストで述べられているのは、「まずい授業」

          類型化される授業論と教師論

          人と水と調和と超克 『世界の水辺都市への旅』

           芦川智 編『世界の水辺都市への旅』(彰国社・2022年)を読みました。  欧州の都市にある“広場”についての研究からさらに視野を広げて、都市と水の流れの関係に焦点を当て、都市を眺めること。  自然の河川はもとより、城を守るお堀のような人工の水の流れにも着目しながら、水と共に人々の生活を包む世界の都市(著者たちの研究対象の関係で欧州が多く、一部中東・アジアという感じ)の水との関わり方、利用の仕方、成り立ちや歴史と併せて紹介しています。  欧州ってずっと戦争してたんだな、と

          人と水と調和と超克 『世界の水辺都市への旅』

          所見が書けて一人前、みたいなとこある

           一人の教師が“一人前”になるにはどんな条件があるのかを考えますと、授業がとか、学級経営がとか、児童生徒への接し方がとか、一言で言おうとするとかなり難しく、要は多面的であったり、多角的であったりする視点で見ていく必要が出てきます。そして、見る人によって、“一人前”と判断する基準/規準はバラバラです。バラバラになってしまわざるを得ないのです。それは、見る人たち(同僚の教師たち、管理職たち、保護者たち、あるいは児童生徒たち)の人生を、生き方を反映しているから。  そうして結局のと

          所見が書けて一人前、みたいなとこある

          景色002 北見点描 雪と春

           「北海道=豪雪地帯」というのは無条件に成立するわけではありません。日本海側や石狩・空知地方は毎年とんでもない量の積雪がありますが、函館を中心とする渡島半島や、網走、北見などのオホーツク海側の地域は、それに比してずっと少ない積雪です。あくまで北海道の中での比較でしかないので、降るには降るし、積もります。が、スキー場の営業開始が毎年のように年明け以降になっている網走の例を見ても分かる通り、オホーツク海側の積雪というのは「豪雪地帯」と呼ぶにはややさみしい量です。降るし積もるけども

          景色002 北見点描 雪と春

          小5国語『大造じいさんとがん』

           椋鳩十『大造じいさんとがん』。新美南吉の『ごんぎつね』(小4)、そして宮沢賢治の『やまなし』(小6)と並ぶ有名国語教材、だと思います。  ゆえに、もうたくさんの教師たち、たくさんの実践家たちがこの教材については充分にこねくり回しており、いまさらここで何か新しいことを述べようとする意義は薄いように思います。  そうやって書き出しておいて、さてじゃあこの記事のここから下に何が書いてあるのか。  この教材文が5年生の、それも年度の最後の方に配置されている意味について。あるいは物

          小5国語『大造じいさんとがん』

          小4国語『初雪のふる日』

           小学4年生の国語といえば真っ先に『ごんぎつね』が思い浮かぶのですが、負けず劣らずの名作がこの安房直子『初雪のふる日』です。 物語の概要  ある田舎町に暮らす女の子が、晩秋の寒い日に道路に描かれた石けりの輪を見つけます。長く続くその石けりの輪を辿っていくうちに、女の子の前後には真っ白なうさぎたちが列を成し、女の子を連れてどこまでも行こうとします。曰く、「雪を降らせる雪うさぎ」。このまま帰れなくなってしまうのではないか、最後は雪のかたまりになるとかうさぎたちは不穏なことを言

          小4国語『初雪のふる日』

          景色001 北見点描 スキー場

           スキー。ひどく単純で複雑な、2度にわたる上下動について。  北海道に暮らしていると、市街地とスキー場との異様な近さに驚くことが多いのですが、生まれも育ちも北海道、という方はそういうわけでもないようです。本州の人が瓦屋根にいちいち驚くことなく日常風景として認識していることと同じ意味で。  北海道のスキー場、近隣市町の例を挙げると、網走市なら「レイクビュー」、美幌町は「リリー山」、遠軽町は「ロックバレー」、湧別町は「五鹿山」、などなどがあります。ここに挙げていない市町村におい

          景色001 北見点描 スキー場

          5分、嗚呼5分

           本当に授業時間が5分短縮されたら、授業の実際がどうなるのかということなんですが、多分そんなに変わらないし、ギャイギャイ騒ぐのはもっと別の観点からであるべきだと思います。それこそ、「学校裁量」の部分についての提案がどんどんなされるといいなと思います。  部活動について一家言ある感じの皆様方におかれましては(オブラート)、きっとこの方針が検討されていることに対して「文科省の無能!」(本当に無能かどうかは措くとして)と元気に怪気炎をあげておられるのかなと思います。私の観測範囲にい

          5分、嗚呼5分

          授業を観るために

           学校の先生になりますと、わりと他人の授業を観る機会が発生します。経験年数に依存するのですが、特に若年層教員の多くは「ちょっとあの先生の授業観ておいでよ。」なんて言われて、勤務校の授業力がある(とされる)先生の授業を覗いたりするわけです。  学校によっては、不定期で公開授業を行なっていたり、公開研究会と題して大々的に授業を公開していたりしますから、そこに送り込まれることもありますし、自分で希望して赴く場合もあります。  そんな「他人の授業を見る機会」の事前には、大抵何かしら

          授業を観るために

          給食と食育と教育の四方山話

           職場の若手がぽつりと、「食育ってどういうふうにすればいいかよくわからなくて……。」とこぼしていました。先日、勤務校で行われた“学級経営交流会”での一幕です。この時期の“交流会”ですから、1年間の学級経営の総括とも言える内容を話すわけです。当の若手が約1年間、いろいろ悩みながら学級を運営し経営し、頑張ってきたことは職場の誰もが認めるところなのですが、やはり悩みの種は尽きることなく遍在しています。  給食。食育。難しい問題です。 短時間給食指導  あまり「食育!」と気張らず

          給食と食育と教育の四方山話