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景色005 北見点描 昭和通を歩く

 歩きました。(24.5.19)
 Googleマップによれば約8kmです。

 北見市三輪のど真ん中から出発し、住宅密集地の北縁をぐるりと時計回りに行き、田端町/春光町にある南大通との交差点が今回の終点です。道道北見環状線と重複しており、北見中心市街の北側を迂回しながら、ここを経由して主要な地区に行くためのバイパス道路としての役割があります。
 なお、道路名の由来になったと思われる昭和地区ですが、この道路のもっと北側の山間部がそれにあたります。もしかして関係ないのか。どうなのか。


1 三輪地区

 夕陽ヶ丘通を歩いた際は西から東に抜けた三輪地区を、今回は南北に縦断します。出発地点は国道39号線・南岸通との交差点で、たくさんの商業施設が並んでいます。
 この交差点が三輪地区の中心的な地点と言っていいでしょう。半径数百m周辺には北見発の寿司チェーン「トリトン」や、「ユニクロ」「スターバックス」「ニトリ」といった全国規模のお店が並び、さらに最近は「スシロー」「ドミノピザ」「業務スーパー」もできました。北見市でもトップ人気のラーメン店や焼肉店もあります。スーパーマーケットにホームセンターにアウトドア用品店、靴にメガネにスポーツ用品、ペットショップにファミレスにゲームセンターに家電量販店と、もはやここだけで生活が完結するんじゃないかと思えるほどに商業施設が集中しています。ツルハドラッグとセイコーマートはそこらじゅうにあるのでこれらには含めませんが。

交差点から東。業務スーパー、トリトン、少し行けばスタバ。なか卯とすき家も見えます。
交差点から南。南岸通の始点。右に見える「メッセ」には献血バスが来ます。
交差点から西。典型的なロードサイド感。

2 高栄地区

 JR石北線をくぐるアンダーパスを通って、高栄地区に入ります。30年以上は営業している洋食屋「ディア・ウェンゲン」は夕陽ヶ丘通との交差点にあります。
 坂を登りながら小町川を渡ります。5月上旬であれば川沿いに桜が咲いているのですが、今年は開花も早く、散るのも早く。川沿いに20〜30本ほど並んだ桜の木が満開になるのはなかなか壮観です。
 団地群や古くからの住宅街を見ながら坂を登り切ると、昭和通は北東に曲がりながら緑ヶ丘地区に入ります。

小町川の桜並木はもう眩しい新緑です。
高栄の坂道。途中、ジブリアニメに出てきそうな平屋がありました。

3 緑ヶ丘・美山地区

 北から南に降る斜面に住宅が立ち並ぶ緑ヶ丘・美山地区は、先ほどの高栄地区と合わせて北見市屈指の住宅密集地です。山の手、とでも言いましょうか。宅地としての歴史は古く、傾斜のきつい屋根を持つ住宅が多く見られます。ただ、美山地区はここ最近宅地開発が進んでおり、結構な面積の更地もあるので、しばらく新陳代謝が続くのだろうなと思います。
 北見市中心市街の北端にあたる地区で、ここには緑ヶ丘霊園があります。かなり急勾配の土地にあるので、墓参の際は気をつけないといけないですね。春先は桜が霊園のあちこちで咲いているのを見かけます。
 昭和通はこのあたりで大きくカーブしている関係で、住宅街の間の道路と斜めに交わっています。土地勘がないと迷子になりそう。そもそも北見市でも古い住宅街は街路がかなり複雑に入り組んでおり、行き止まりがあったり「この家の敷地を通り抜けた方が早いのでは?」と思うような地点があったりします。かつて急速な人口増があった影響なのでしょうか。
 少し進むと市立美山小学校です。10年以上前の記憶を辿ると、木の温もりを感じる内装だったことを思い出します。当時は比較的新しい校舎だと思っていましたが、改めて今見るとだいぶ古びてきた感じが否めません。

道路の北側には山。鬱蒼と木が茂ります。
緑ヶ丘霊園。かなり高い位置にまでお墓があります。
公園ですが原生林の趣。吊り橋がありますが、渡れるのか。
昭和通と斜めにぶつかる高栄住宅街の道路。三角形の空き地があります。

4 東陵・文京・柏陽地区

 ここからかなり激しめの起伏が続きます。小石川を渡る東陵大橋はかなりの高さです。一度下から眺めてみたいですね。谷間の農地に住宅がぽつらぽつら、という感じですので、ここまでの住宅密集地からの変化がすごい。
 再び急坂を登りながら、南東に小さくカーブしていきます。カーブの頂点と坂の頂点が重なっており、ここから北見工業大学を中心とする地区に入っていきます。
 工業大学周辺は学生向けの集合住宅や飲食店がいくつか並ぶ他、「アルゴグラフィックス北見カーリングホール」や「北見アスリートステイ」などのスポーツ関連施設があります。空き地もいくつかあるので、産学共同の研究系施設でもそのうちできるのかもしれません。
 国道39号線、JR石北線の高架を抜けて田端・春光の交差点に至り、昭和通は終わります。

東陵大橋から南側を望む。山間の集落、に見えなくもない。
北見工業大学。スポーツ工学の研究もしているそうです。
JR石北線の高架下は遊歩道のような感じに整備されています。
今回のルートからは外れていますが、JR柏葉駅。階段を登って高架のホームへ行きます。

5 終わりに

 起伏の大きい昭和通は、北見市の住宅街北限を通る道であることが今回よく分かりました。美山地区の一部はこの道路よりも北側に住宅が並んでいますが、緑ヶ丘霊園周辺の写真でも分かるとおり山がすぐそこまで迫っているところがほとんどです。やはり、北見は盆地のまちなのです。
 盆地という利用できる土地が限られた条件の中で、高栄、緑ヶ丘、美山の三地区はかなりの住宅密集度になっています。美山だけでも約3000世帯、6000人弱が暮らしています。宅地として利用可能な土地はまだいくらか残されていますが、人口減少が続く中でそれらの土地もどのようになっていくのかは検討がされなくてはならないだろうなと思います。住宅が建ったとしても、飲食店や小売店が散在することと立地を合わせて考えると、イオン一極集中になりそうです。いやはや、都市開発や都市の生活設計というのは難しいですねえ。