【現代詩】『プラネタ★リウム』
『プラネタ★リウム』
赤黄緑紫
散らかるということは
なんだ
散らかるということ
それは
名も知れぬ
プラネタリウムの
お星様たち
食べ残しの皿 飲み残しの缶
もう誰からも
求められなくなって仕舞には
言葉に詰まってしまう景色の中に
「ひとり」取り残された仕方のない、私
あれは可哀想なベテルの神様
口を啞然と開いたまんまで
炭酸の抜けきったコカ・コーラ
この景色を作り出す
一つ一つの部品が
胸を焦がすシリウスの様な
勇敢なヒーローであれ
丁寧に片付けてしまおうという
器用な考えなんて=嫌い=だ
テーブルの食べ溢しに【東西南北】
あらゆる方角からのラブコールに
最高の返事を用意して切腹しようか
刹那を永遠に
変えようと悶える、美しさ
君は何時だって
ANDROMEDAの
お姫様だよ
器から漏れだした粗汁
茶碗の淵で立ち竦(すく)む米粒
永遠にとって、堪らなく、あどけない
新品のジャム瓶が大きな声で挨拶してくる
ミュージカルCATSのガンビーキャット
みたいに戯(おど)けて
今頃ブラック・ホールへ真逆様に
墜ちてゆくんだろう
食べ残しのポテトチップスに
さあ、手を伸ばせ
永遠の中から掻っ攫ってきた、お月様なら
遥かなる味
いつもより少し大人びていて
むしろ俺たち子供を酔わせた
★★★★★★
食 べ 残 し の 皿 が ま だ
何 か に 憧 れ て い る
息 を し て い る 瞳
私 自 身
★★★★★★
銀河の中に 取り残されて
生きても死んでも
憧れに焼け焦がれていたい
心待ちにしている次のビッグバンは
もう、すぐそこまで
来ているかも
しれないのだから
★★★★★★
あかきみどりむらさき
2024ねん
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