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【現代詩】『地球モノロオグ』

『地球モノロオグ』赤黄緑紫

自分自身のご機嫌をとるかの様に
自らに恋焦がれている
身体中にザラメ砂糖を纏わせながら
自らを回る=自、転、す、る、

何時からだろうか
丸焦げになった心臓を
掻き抱いたまま生きるようになったのは
そのエネルギーを原動力に
幾度とない寝返りを繰り返している幼い俺は
誰の為でない√己の為だけ
仮にそれを=公転=と呼んでも構わないけど
知ったこっちゃない√
俺は俺の為だけにー生き永らえるー

        ☆彡


この広大な宇宙空間、ここへ
自らを犠牲に投げ出した
あの日から、ずっと
宙に浮かび続けている無邪気(=無磁気)の俺は
良くわからないけど多分絶対*ラッキーなんだ

        ☆彡


今日もまた 流し目で見るレンズの向こう
可愛い人を見つけては釘付けにする=罪な俺さま
いつか きっと ボロが出て 駄目になるんじゃ ないかって 破裂しちゃうんじゃ ないかって 不安で今日も 眠れやしない 星の数だけ自由を夢見 本当は君に抱き締めてほしい、だけなのに

それでも俺は明日になったら
ポールのダンスじゃないけれど
次に目が合う知らない誰かを“軸”にして
自らの生を注意深く確かめる様に回るだろう
辛い糖度に身体を焦がして精一杯に鼓舞するんだろう

真空に甘く漂うザラメ砂糖を舐(ねぶ)ったら、翔ぼう、鱈腹に甘やかされた身体
夕陽を可憐に浴びながら 
回転し続けるこの愚直な球体を
どうです、君は
愛してくれるの

☆彡 ☆彡 ☆彡

みつけた今日も
夜中にふっと、小窓を開けて
人知れず
深呼吸する、あの子

ああ、俺もなって、みたい
地球が壊れるほどの、自由に
宇宙が轟くほどの憧れ
今を犠牲にしたその先に
見える何かを きっとこの目で
たしかめたいん、だ


あかきみどりむらさき
2024ねん


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