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意味の図画と言葉の工作、このふたつで僕は文章をつくる

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図画とはクリエイティブであり、工作とはエンジニアリングである。実用に資する公的に正しい文章は、伝達と行動を企図した徹底的な他者志向から生まれる。 文化人や知識人は世の言葉の乱れ… もっと読む
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2019年9月の記事一覧

言葉狩り

言葉狩り

これは249回目。昔から非常に不思議、かつ不愉快なことがあります。「言葉狩り」です。いわゆるなんでもかんでも差別用語と決め付け、歴史も伝統も、味わいもない無味乾燥な言葉ばかりが増えてきています。その実、日本人の心の中には、人の痛みを自分のものとしてとらえることができない、しようともしない陰湿な差別感が、静かに深く培われていっているような気すらして、恐ろしいのです。本編は、いわゆる不適切表現が頻発し

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文章の書き方10か条 by エリザベス・ギルバート(『食べて、祈って、恋をして』著者) | きのう、なに読んだ?

文章の書き方10か条 by エリザベス・ギルバート(『食べて、祈って、恋をして』著者) | きのう、なに読んだ?

エリザベス・ギルバートはアメリカの小説家です。『食べて、祈って、恋をして』(原著 Eat Pray Love)が大ヒットし、ジュリア・ロバーツ主演の映画にもなりました。TEDスピーチ『創造性をはぐくむには』は1800万回以上再生されています。
私は『食べて、祈って、恋をして』を楽しく読み、続編の『Committed』も大好きでした。
そのエリザベス・ギルバートがfacebookに「My free

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ごめん。文章を書きたいだけ、文章を読みたいだけなんだ。あなたの「どうでもいいじゃん」が読みたいんだ。

ごめん。文章を書きたいだけ、文章を読みたいだけなんだ。あなたの「どうでもいいじゃん」が読みたいんだ。

書くのも読むのも、noteが好き。

どっちかと言うと書く方が好きです。スキがついても、つかなくても(もちろん、スキがつくとものすごーく嬉しい)。
その時に感じたことをここに書いて置いておくと、頭がすっきりする。普段、人には中々話す機会がない胸の奥底の想い、仕事では書かない自分だけの考え、趣味、嗜好。他人からしたら「どうでもいいじゃん」てな話題だけど、ちょっと言語化しておきたくなったときにnote

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日本人ライターが英語圏で活躍することは可能か? アメリカ地方紙に17年勤務、日本人記者に聞く

日本人ライターが英語圏で活躍することは可能か? アメリカ地方紙に17年勤務、日本人記者に聞く

「いつかは海外で働いてみたい」――日本語に比べ、市場規模が圧倒的に大きい英語の世界で、モノを書き、発信することに憧れるライターや編集者は少なくないだろう。

 しかし、ネイティブでもないのに、英語で、しかも「言葉のプロ」として勝負するのはハードルが高い。どうすれば、海外でキャリアを築くことができるのだろうか――?

 そこで今回は、アメリカの地方紙で記者の経験を積み、現在は日本企業の海外向け広報

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笑→w→草

笑→w→草

タイトルは、ネット上のコメント欄などに用いられる、「笑い」を意味する文字の変化を表したものである。

「笑」を「warai」と打って変換する手間を減らすために「w」になったのだそうだ。

ここまではまだわかる。簡略化という目的が果たされているからだ。

問題はつぎだ。

「w」が、あるいはそれが並んだ様子が草っぽいから「草」と表現されるようになったのだという。

……。

……?

じゃあ「笑」で

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ライターの適性を判断する10の質問

ライターの適性を判断する10の質問

あなたは自分がライターに向いているか気になりませんか?

以下はライターの適性を判断する10の質問です。

YESかNOかで答えてみてください。

なお、締め切りを守らない、返事が遅い、バックレる人は、ライターの適性を問う以前に社会人、人間としてクズなので、ここでは除外しています。

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「いい文章がいい記事とは限らない」読まれる長文にある1つの共通点とは?|STORYS.JP物語教室

「いい文章がいい記事とは限らない」読まれる長文にある1つの共通点とは?|STORYS.JP物語教室

こんにちは!STORYS.JP編集長の清瀬です。前回は初のnote投稿でしたが、大変多くの方に読んでいただきました。ありがとうございます(感涙)

前回記事で告知させてもらっていたように、本日は「読まれる長文記事の書き方」についてお伝えします。人生の物語を投稿するサイトの運営者として、色んな人が社会へと”物語る”力の向上に、少しでも貢献できればと願っています。
さて、今回お伝えしたいのは3点です。

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「読みやすい短文はダメ?」バズった物語7つから見つけるバズの共通点

「読みやすい短文はダメ?」バズった物語7つから見つけるバズの共通点

はじめまして。STORYS.JPを運営している清瀬です。STORYS.JPは、人生のリアルな物語(=ストーリー)をだれでも自由に投稿できるサイトです。
STORYS.JP: https://storys.jp

これまでに3万を超えるストーリーを投稿いただき、いくつかはネットで反響を呼び多くの方に読んでいただきました。中には書籍化されて、映画化にいたったものもあります。( ex. 有村架純主演 2

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いい文章とはウフフである。

いい文章とはウフフである。

いい文章とはなんなのだろう。

どんなに売れている小説でも、どんなに「いいね」がついているコラムでも、まったく心に残らない文章もある。逆に、言葉のプロでもなんでもない友達の何気ない言葉が、その後の人生を長いこと支えてくれたりもする。

じゃあ、すくなくともぼくにとってのいい文章の条件はなんだろう、と考えてみたところ、「人生の肯定」なんじゃないか、と思うようになった。……というとかっこよすぎてムズム

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「面白いと思われたい症候群」が日本語文化に強すぎる、もっと自分だけで面白がってもいいのに。

「面白いと思われたい症候群」が日本語文化に強すぎる、もっと自分だけで面白がってもいいのに。

最近、書き関係のプロジェクトが増えてきました。日々勉強だなと思い、いろいろ読んでいます。多くの文章に触れることは、本当に面白いです、そしてちょっとすごいなと思うことがあります。それは

「みんな自分の文章を面白いって思われたいって思ってるんだなあ(攻撃こわいなあ)」

書き手が「読んでもらいたい!」思って書いてる文章と、「自分が書きたい!」って思って書いてる文章はほんと、違うなあ」

「読んでもら

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文才ってなに? 書くことで悩まない人が地味にやってること

文才ってなに? 書くことで悩まない人が地味にやってること

何書いていいかわからない。書くことが思い浮かばない。note界隈でも、よくそんな呟きを目にする。

そうだよなぁと考える。僕の場合、ある程度仕事の縛りがあって「書け」という圧力(悪い意味じゃないです)が常時かかってるから、良くも悪くもいつだって書こうと思えば書ける。24時間静かにアイドリングしっ放しの何かだ。

もちろん、書きたいかどうかは別。特にnoteはほとんどの場合、狭い意味での「仕事」では

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伝わる文章に必要な、国語力よりも大事なこととは?

伝わる文章に必要な、国語力よりも大事なこととは?

ブロガーでもなんでも文字を書くのを好む類の人から、よく聞くセリフがあります。

「国語の成績が飛び抜けてよかった」

これを聞くたびに私は吐きそうになる。私は文字を書く仕事をしているし、書くことが好きです。作文に限っては得意な方で、賞をもらうこともありました。ただ国語の成績は、いたって普通。悪くもないが、飛び抜けるほどよくはなかった。だからこそ思うのです。「そうか。飛び抜けるほどの才能がないのに、

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英語⇔日本語を行き来すると、文章の粒度が適切になる

英語⇔日本語を行き来すると、文章の粒度が適切になる

ただいまお客さんの案件でリサーチにまつわるプロジェクトをすすめています。10人くらいインタビューして、それをまとめて機会領域を出していくプロジェクトです。

いまちょうどインタビューを終えての統合セッションで、インタビューから得られた発言をもとにインサイトを出していくところ。このインサイトの書きぶりがいつも難しい。インサイトにおける新しい発見をちゃんと伝わるように、でもそれでいてその意味がちゃんと

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「キャッチーなタイトルをお願い」という依頼

「キャッチーなタイトルをお願い」という依頼

システムエンジニアからのジョブチェンジ、編集・ライター業もそろそろ一ヶ月。

「キャッチャーなタイトルをお願い」書いていただいた記事について、修正をお願いすることがあった。
相手が高圧的な人でもない限り、やはり、メールで指摘するより、直接、お話しできると話が早い。こちらがせっついたわけでもないのに、締め切りよりも前、想定より早く直していただけそうだ。

さて、打ち合わせもそろそろ終わりという時間、

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