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人と組織をつくる哲学 ―マネジメントと教育の「共通解」―

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マネジメント=管理とは「兵站(生産・物流・調達部門)を通じて限りある資源(ヒト・モノ・カネ・トキ)を把握・分配し、適時適切に適所で活かす」ことである。古来より兵站を軽んじ、人材や…
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2019年9月の記事一覧

ティール組織において「人事」はどうなるか?(ユニリーバ・ジャパン 島田由香さんインタビュー)

ティール組織において「人事」はどうなるか?(ユニリーバ・ジャパン 島田由香さんインタビュー)

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス人事総務本部長の島田由香さんは、2016年に働く場所と時間を自由に選べる制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」を導入、その考え方に共感する人々が集まるコミュニティ「Team WAA!」を立ち上げるなど、社内外でその影響力を発揮されています。そんな島田さんにとって、『ティール組織』はとても大切な一冊なのだそう。その理由や、

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同僚の仕事のミスを受け入れられなかった、あの頃の私へ

同僚の仕事のミスを受け入れられなかった、あの頃の私へ

「仕事で失敗してしまうのは、私の人格がいけないからだと思ってました」

今、私が経営する「soar」というチームの会議で、ある日メンバーが泣きながらこんなことを言った。

「以前の職場では失敗をしたら激しく怒られて、自分の人格を否定をされることが当たり前。いつのまにか仕事をするのが怖くて仕方なくなって、できない自分や弱い自分を、職場では絶対に見せてはいけないと思うようになりました。失敗は失敗のまま

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必要なのは、特別な存在にしないための「特別な支援」

必要なのは、特別な存在にしないための「特別な支援」

今年5月、ニューヨークへ行ってきた。そこで感じた「心地よい無関心」はとても嬉しく感じた。

そこには、障害者は多様性の中の1人であって、特別な存在でも弱者でもない。困っている人がいれば助けよう、そんなシンプルな考え方があったから。

ではなぜアメリカにあるその「心地よさ」を日本で感じることができないのか、その理由を探ってみると、アメリカの特別支援教育のあり方にたどり着いた。
 
アメリカでは障害の

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「ティール組織」の次に来るのは、「〇〇組織」ではない(サイボウズ・青野慶久さんインタビュー)

「ティール組織」の次に来るのは、「〇〇組織」ではない(サイボウズ・青野慶久さんインタビュー)

日本を代表するソフトウェア会社のサイボウズで社長を務める青野慶久さんは、ティール組織に魅せられた経営者の一人です。自社の経営にティールの考え方を取り入れ、新しい組織、これまでにないチームを作り出そうとしています。以前から働き方改革などでも先進的だった同社は、ティールによってどのような進化を遂げ、今後どんな展望を抱いているのかを伺いました。(聞き手:下田理、執筆:伏見学、写真:上村悠也、カバー写真:

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なぜ企業は人を採用するのか?採用戦略策定の「3つのプロセス」とは

なぜ企業は人を採用するのか?採用戦略策定の「3つのプロセス」とは


なぜ企業は人を採用するのでしょう?

この問いを考えたことがありますでしょうか。
もちろん答えは1つではありません。

ここではこう定義します。

売り上げ、利益を上げて事業成長させる為

会社を成長させる為には事業だけ成長すればいいのもではありません。

そこに至るまでにはやはり『人材』が少なからず必要になってきます。

会社経営=事業×組織

これらを人事/採用担当者が理解していないと、いつ

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求職者は会社説明資料は読まない。デキる会社は「採用ピッチ資料」を使う理由

求職者は会社説明資料は読まない。デキる会社は「採用ピッチ資料」を使う理由

突然ですが・・・

今の採用キーワードをパッとお答えできる人事/採用/広報担当はどのくらいいるでしょうか。

先にお伝えします。

・オープン
・適材適所
・透明性
・口コミ
・中の声
・SNS
・誠実
・対等

です。

今までの自社の採用広報と比べてみて、上記キーワードにいくつ触れてきたでしょうか。

『キーワード=求職者が会社を見るポイント』

と理解して頂ければわかりやすいでしょうか。

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コミュ障な個人、あるいは規模の大きい法人/組織が、SNSでのコミュニケーションを仕組み化するには

コミュ障な個人、あるいは規模の大きい法人/組織が、SNSでのコミュニケーションを仕組み化するには

僕は自分のことを根っからのコミュ障だと認識しているのですが、そう言うと驚かれることがよくあります。1対1での短時間コミュニケーションについては失敗経験からの学びと改善が増えてきたのでバレないことが増えてきたのですが、いまでも大人数での会話で適切に場に入ることが難しいな、と思っています。

ツイッターでの雑談をみんなで楽しんでいる方々を見ると、羨ましさを感じながら入り込めないことが多くて。

とはい

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「怠惰は美徳」は、コミュニティのボスにもあてはまるのか

「怠惰は美徳」は、コミュニティのボスにもあてはまるのか

mintのたむけん(@tamuken)です。

エンジニアの世界では、「怠惰は美徳」と言われることがあります。
同じことを何度も繰り返すような面倒なことはせず、できる限り自動化してあとは寝ていたほうがよいではないか、というタイプの凄腕エンジニアの性質、をあらわした言葉ですね。

【怠惰クリエイティブは、総じて無敵】夢と野望は大きく欲も深く、それでいてコツコツと努力を積み重ねることが苦手な自分にとっ

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個人を犠牲にしてシステムを変えられない日本の組織、傾向と対策

先日の富士山落石事故についてAERAの記事。

山岳ガイドの野中さんの反応。

で、思ったこと。

運用でカバーしようとして死んでいく日本人なぜか日本人はシステムの問題を個人のマナーや頑張りという、運用でカバーしようとする悪癖があって、それは太平洋戦争の戦史を読んだりすると、今とまるで変わらないんですね。

戦略の問題を戦術や作戦、個人の精神力、技能、『頑張り』で補おうとする。

食料や武器を送れ

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マネジメントになるなら、30代前半までがオススメの理由

マネジメントになるなら、30代前半までがオススメの理由

タイトルの通りですが、可能であれば30代前半までにマネジメントを経験したほうが良いと思っています。特にビジネスサイドは、この傾向が強いと考えています。マネジメントに関する詳しい定義はここでは避けますが、主にチームを持ってメンバーの目標設計をし、目標達成に向けて導くとともに、人事評価を行うところまで想定しています。

よく「育成担当しました。」「プロジェクト管理をしました。」というのもレジュメにあり

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「運」を科学する(再考)

 拙著『データの見えざる手』に「運」を科学的に分析した章がある。運とは自分にとってよい情報や人やコトに出会う確率現象だとすると、この社会現象にも、物理学的なアプローチが有効なのではないか、という視点で書いたものである。

 この章の目玉にあたるのは以下の実験である。それは、あるコールセンタでの顧客からの問合せに関するものである。問合せの中には、マニュアル通り簡単に答えられるものも当然ある。しかし時

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経験者採用と未経験者採用の間のような言葉があったらいいなと考えた

経験者採用と未経験者採用の間のような言葉があったらいいなと考えた

カヤック人事部の柴田です。「転職透明化らぼ レジュメチェック編」というイベントにでるのでその宣伝と、あと、なんで出ようとおもったかをつらつらと書きます!

twitterで転職希望の方に声をかけたのがきっかけこのツイートがきっかけで、てぃーびーさんという方とオンラインで話してみました。

ブログをみて、組織系の知識もあるし、うちの人事部は未経験で採用してたので、いいかもなあーとカヤックに誘いたかっ

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人事の人が「制度的企業家」という言葉を知ったらやる気がでると思ったから紹介します。

人事の人が「制度的企業家」という言葉を知ったらやる気がでると思ったから紹介します。

カヤック人事部の柴田です。社外人事の神谷さん勉強会で知った「制度的企業家」という言葉を紹介します。

制度的企業家とは神谷さん勉強会の資料から関係ありそうなところをコピペします。

DiMaggio(1988)「制度的企業家」
特定のsocial skillを駆使することで、制度の生成と改変を実現する存在

Fligstein(1997)「social skill」
行為の実現と正当化を目指し、

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