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何度も読み返したい素敵な文章の数々・・・!!!

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#コラム

どこかで、きっと関係は生まれている

どこかで、きっと関係は生まれている

1995年4月。

わたしは大阪に引っ越してきた。無職だった父の再就職先が大阪だったから、愛知県から引っ越すことになったのだ。

その数ヶ月前、1995年1月17日。阪神淡路大震災があった。

愛知県に住んでいたわたしは、ふだんと同じように眠っていた。朝起きてニュースを見てはじめて、「こうべ」というところで大きな地震があったのだということを知った。高速道路がなぎ倒された映像を憶えている。

ただ、

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安定しない書き文字と、ホルモンバランス

安定しない書き文字と、ホルモンバランス

女性の心とからだというのは、本当にうつろいやすい。

気圧の高い低いとか
季節がスライドしていくその隙間とか
生理が近づいているかその最中か

などなどのいろいろで感情もゆさぶられるから

「世界よ、いますぐ爆発しろ」と身の回りの全てを破壊したくなる衝動にかられたり
「世界よ、優しさをありがとう」と感謝のあまり天を仰ぎたくなったり、とかく忙しい。

外的要因やからだの変化によって、気分のアップダウ

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可処分時間を、いかに「まとめて」とるかの時代へ

可処分時間を、いかに「まとめて」とるかの時代へ

現代は、可処分時間の奪い合いだといわれます。

スマホにはSNS、ゲーム、ニュース、ショッピングとあらゆる機能をもつアプリが入り、それぞれが消費者の細切れの時間を奪い合っています。

これからもこの傾向は続いていくと思いますが、競争が激化しすぎた結果、これ以上広告を投下しても費用対効果が見合わないという分岐点がもうすぐそこまできているように思います。

最近話題の動画も、面白くなければ10秒ほどで

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必要なのは、ガマンじゃなくて想像力。

必要なのは、ガマンじゃなくて想像力。

先日、ほったらかし温泉で富士山を眺めながら温泉に入っていたら(最高)、職場の同僚らしき二人組の女子(推定20代後半)がおしゃべりをしていた。要約すると「結局仕事は、楽だけど薄給か、つらくて高給かのどちらかでつらい。せめてやりがいのある仕事をしたい」という話だった。

わかる、わかるよ。わたしもそう思ってた!と思いつつ、そういえばその考えからどうやって抜け出したんだろうと思い返してみた。

わたしは

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知性は批判にでる

知性は批判にでる

私が大切にしている言葉のひとつに、
「プライドとは己を律する心であり、教養とは人を傷つけることなく接する術である」
というものがあります。

プライドも教養も、ときに「鼻につくもの」として忌避されることもありますが、私は2つの本質は自らの行動を規定することにあることを前提として、正しく使うことが必要だと思っています。

そして、その人の本当の知性というものは、批判する際の姿勢にどれだけこの2つに対

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メーカー型思考とコンシェルジュ型思考が決定的に違うところ

新卒で百貨店に入ろうと思ったとき、そのきっかけは「たくさんのブランドが扱えること」でした。

大学時代にGODIVAでアルバイトをしていたのですが、立場上どうしても自社ブランドの中からしかお客様へご提案ができないフラストレーションが大きく、「百貨店にいけば全部扱えるやん!」という短絡的な発想が、百貨店に興味をもったきっかけだったのです。

GODIVAは昔から大好きで、学生アルバイトは雇用していな

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見えすぎないくらいがいいのかも

見えすぎないくらいがいいのかも

先週、眼科に行った。ひどい眼精疲労がずっと続くので、眼精疲労外来へ。

サクッと終わるだろうと思っていたけれど、裸眼でもメガネでもあれこれ検査を重ね、数時間かかってしまいヘトヘトになった。その上、肝心の原因が「メガネの過矯正」だったのだ。

お医者さんは「そのメガネは”見えればいい”という値の5〜6段階くらい強く矯正されてるから、しばらく使わないでね」と言っていた。そして、目の緊張をほぐす目薬が処

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ノイズを除いた先にあるもの

ノイズを除いた先にあるもの

実家から自宅に帰ってきました。帰宅早々、疲れなのか何なのか、貧血時の立ちくらみのような症状に襲われて、ぼんやりと横になって一日を過ごしました。

車中睡眠だったので、睡眠不足解消のために幾度かうつらうつら眠りにもつきつつ。

夢と現実との狭間を行ったり来たりしているような感覚が、どこか非現実的で心地よい。さっきまで頭の片隅にあった思考が、自分のものなのか、はたまた夢で感じたものなのかわからなくなる

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美容院の予約をしたくない

美容院の予約をしたくない

 予約をすることが苦手だ。誰かとの約束のためにする予約ならいいのだけれど、自分自身のためにする予約は、昔からとても苦手だった。

 ネット予約ならまだしも、電話だとなおさら億劫になる。とっとと掛けてしまえばいいのに、のろのろ無駄に時間をあけてしまうことが、わたしにはよくある。

 行動的だと言われることもあるのだけれど、わたしは出不精だ。予定がなければ、平気で引きこもり続けられる。趣味がインドアも

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「BEの肩書き」から生まれるもの

「BEの肩書き」から生まれるもの

TOKYO WORK DESIGN WEEKで、勉強家の兼松さんの話を聞きに行ってきた。Twitterで兼松さんの探求プロセスをみていて、「BEの肩書き」のとこがなんだかずっと気になってたから。

なんでこんなにも気になっていたのかなぁと振り返ってみると、1つにはここ2年半くらい「編集」をいう仕事をするようになって色んな編集者の人に会ったり編集者の本を読んだりしたけれど、知れば知るほど「編集者」が

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「食べる」の美学 〜ごはんにまつわる好きな本4冊〜

「食べる」の美学 〜ごはんにまつわる好きな本4冊〜

自分で料理をするのは苦手だけど、「料理」「食べること」に関する本を読むのは好きです。

誰の日常にも存在するものへの視点にこそ、独自性が出る。つまり、「食べる」を通して、自分とは違う感性を知るのが好きなのです。

ということで、「食べる」にまつわる好きな本を紹介したいと思います。いつもの風景への視点をちょっと変えてくれるような本たちです。

***

帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったの

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ロジックは、個人の感性を一般化するために必要なもの

昨年から小林秀雄にハマっている私ですが、年末年始に「人間の建設」を読み、小林秀雄の対談相手である岡潔にも興味を持ち始めました。

岡潔は日本最高の数学者と呼ばれた人なので、学生時代あまり数学が得意ではなかった私はなんとなく近寄りがたく、それが理由で「人間の建設」も読めずにいたのでした。

しかし、小林秀雄との対談を読んでみると、非常に哲学的で情緒や感性を重視していることがわかり、これまでもっていた

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私にとっての生理食塩水

私にとっての生理食塩水

私は昔から、自分の好きな人たちを「生理食塩水」と呼んでいる。

人と建設的な議論や充足感のある対話をするためには、お互いの濃度を調整する時間が必要だ。

同じ日本語を話して、同じテーマで話をしていても、なんだか噛み合わなくてお互い空回りし続けるときは、この「濃度」がうまく調整できないままに話していることが多い。

人の意見なんてそう簡単に変わらない。

私たちにできるのは水溶液の濃度、つまり同じ視

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本当に欲しいものは渦潮の中にはない

本当に欲しいものは渦潮の中にはない

 これまで手に入れたものの中で、一番うれしかったものは何ですか? 一番思い出に残っているものは何ですか? 自分の世界が変わるほどの出会いになったものは、ありますか?

 溢れかえるモノの渦に飲み込まれそうなのが、現代の日本だと思う。飲み込もうとしているのは、モノではなくて、自分自身の物欲かもしれない。どちらにせよ、モノも情報も人の感情すらも、鳴門の渦潮のようにぐるぐるぐるぐる回りうねり、目まぐるし

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