最所あさみ

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最所あさみ

「知性ある消費を作る」をミッションに掲げ、日々考えたことを「思索綴」というマガジンに綴っています。海外小売の情報などはCEREAL TALK @cerealtalkjp のnoteでShopifyアプリ研究などを執筆。Podcastもやっています!時々野球noteも⚾️

マガジン

  • 思索綴

    消費と文化、哲学と営み、人の世の希望と悲しみについて考えを巡らせていくマガジンです。本を読んで考えたこと、まちを歩いて感じたこと、人との対話で学んだことなどを言葉にしていきます。 <毎月更新>今月読んだ本一覧(毎月5〜8冊程度)

  • #お店 記事まとめ

    • 2,445本

    思想を持ったお店をつくったり、運営、デザインをしているひとやその感想などの記事をまとめるマガジンです。

  • 本と映画と、エトセトラ。

    読んだ本・観た映画について気まぐれに。 (photo by tomoko morishige)

  • 【note公式】「コスメ」で #買ってよかったもの

    • 8本

    ショッピングカテゴリ上で紹介している「#買ってよかったもの」特集掲載記事の中で、コスメにまつわるおすすめ記事を集めたマガジンです。このマガジンに格納された記事は、ショッピングカテゴリのページ上で自動的に表示されます。ショッピングカテゴリページ:https://note.com/topic/shopping

  • 【2023年】「今月読んだ本一覧」一年分まとめパック

    毎月更新している「今月読んだ本一覧」を1年分まとめて読めるマガジンです。私の読書ログだけ読みたい方向け。 1本200円で販売している記事を1年分(=12本)更新していきます。毎月5冊前後は紹介しているので、年間通して60冊は紹介できるかと思います。

最近の記事

私の繊細で陰鬱な部分を預けられる人

    • 物語は、「私」を拡張させる

      小説を読む。映画を観る。 ともすれば、「趣味」「娯楽」として片づけられてしまうもの。効率やわかりやすさが求められる社会において、それらは余剰の多すぎる情報でしかないと捉える人もいるかもしれない。 たしかに、一冊の本を数日かけて読む、一本の映画を2時間かけて観る、それだけの時間を費やすだけの費用対効果を示すのは難しい。同じ時間を資格試験の勉強に費やすなり、仕事にまつわる情報収集をするなりした方が収入やキャリアアップにつながりやすい、わかりやすく「有意義な」時間の使い方かもし

      • 命の尊厳

        十何年かぶりに、「アルジャーノンに花束を」を読んだ。 初めて読んだのはたしか中学生だった気がする。ユースケ・サンタマリア主演でドラマ化されたのを見て、子供心に「原作を読んでみたい」と思い、手に取ったことを覚えている。 当時どの翻訳版を読んだのかも忘れてしまったけれど、読み進めても読み進めても一度読んだことがあるような気がしなくて、初見のような気持ちで読んだ。あの頃の私は、子ども心にこの物語をどう受け取ったんだろう。 「アルジャーノンに花束を」は、知的障害を持つ青年が手術

        • 私はずっと、この「やさしさ」がほしかった

          「夜明け前が一番暗い」。有名なイギリスのことわざだ。その引用からはじまる「夜についてのメモ」は、「でも、夜がなければ私たちは地球の外に目を向けることもなかったでしょう」と続く。上白石萌音ちゃん演じる藤沢さんが少し緊張が入り混じる声でたどたどしく読み上げられるその言葉たちは、じんわりと私の心を包み、聴いているうちに静かに涙が流れ出ていった。 映画「夜明けのすべて」には、大きな物語の起伏はない。 にもかかわらず、私は気づけば物語のあらゆる場面で静かに泣いていた。あるときは気持

        私の繊細で陰鬱な部分を預けられる人

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        記事

          「解釈」の暴力性

          私はドラマや映画の感想を書いたあと、SNSに投稿する際は公式アカウントに発見されるようなメンションやタグを極力つけないようにしている。同じものを見た人同士で感想を共有するためにハッシュタグをつけることはたまにあるけれど、それもできれば公式側にはあまり見つかりたくないと思っている。 見られて困ることが書いてあるわけではない。私は褒め称えたいを思ったときにしか文章を書かない。なので、基本的には見つかって喜ばれるタイプの感想を書いていると思う。 それでもあまり積極的に公式側に見

          「解釈」の暴力性

          今月読んだ本一覧(2023.11-12)

          やっと私の2023年が終わる!笑 11月と12月に読んだのは全部で6冊でした!

          今月読んだ本一覧(2023.11-12)

          「何を言うか」より「何を言わないか」が長く発信を続ける強さをつくる

          先日、けんすうさんのこんな投稿を目にした。 寄付をしたことをあえてSNSで発信しない人の考え方がとてもわかりやすくまとめてあるので、自身の影響力の大小に関わらず、ぜひ多くの人に読んでみてほしい。もし自分が多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーとなったとき、こうした「何を言い、何を言わないでおくべきか」の判断に常にさらされることになるからだ。 巷には、フォロワーを増やすために「何を発信するか」を指南する情報はいくらでも溢れている。けれど、トラブルに巻き込まれたり自分が疲弊

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          「何を言うか」より「何を言わないか」が長く発信を続ける…

          「いちばんすきな花」で描かれたこと、描かれなかったこと(描いてみてほしかったこと)

          すでに一月期のドラマが始まっているこの時期に、遅ればせながらドラマ「いちばんすきな花」の話。 もともと「silent」が好きだったのもあり、とても楽しみにしていたし実際に楽しめたドラマだった。内容とは別に、メインテーマの曲もとてもいいなあと思って調べていたら、サウンドトラックも「silent」と同じ方が担当されていてびっくり。さらによくよく見たら、私の大好きな「いつかこの恋を思い出して、きっと泣いてしまう」「アンナチュラル」「石子と羽男」も同じ方がサントラを作曲されていたー

          「いちばんすきな花」で描かれたこと、描かれなかったこと(描いてみてほしかったこと)

          大学で学んでおきたかったこと

          人生において後悔はほとんどないのだけど、数少ない「時間を巻き戻せたら」と思う時期が大学時代である。何回やり直してもまた勉強そっちのけで遊び呆けるだろうし、その頃の蓄積が今につながっているとも思うので「もっと勉強しておけばよかった、本を読んでおけばよかった」などと月並みなことを言うつもりはない。自分の興味のある分野について学ぶことも、あの当時はちんぷんかんぷんなまま読み飛ばしていた本を改めて読み直すことも、あとからいくらでもできる。 ただ、大人になってからより真剣に「学ぶ」に

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          大学で学んでおきたかったこと

          今月読んだ本一覧(2023.10)

          いまだ2023年を生きている!!!早く2024年に追いつきたいと思いながら10月に読んだ本をプレイバックしていくぜ!!みんな着いてきてくれよな!!!10月はなぜか重たい本ばかり読んでいたので感想をまとめるのも体力が必要とされて大変だったぜ!!!!

          今月読んだ本一覧(2023.10)

          人を育てるということ

          先日、スタバで仕事をしていた時に席を探している高校生の女の子4人組を見かけた。私が座っていた席からひとつズレればちょうど4人席がつくれる状況だったので、「あの、もしよかったらズレましょうか」と声をかけてみた。 「ありがとうございます!」ととても感謝され、4人組の女子高生たちは私の隣で小鳥が囀るようにおしゃべりし、帰る時にまたお礼を言って帰って行った。 そのときにふと思ったのは、

          人を育てるということ

          金輪際表れない完璧で究極のアイドル・中島健人への感謝と尊敬と信頼と、恩返しとしての応援と。

          ケンティが、グループを卒業する。 そんな選択肢があること自体、すっぽり頭から抜けていた自分にまず驚いた。「ケンティ」と「卒業」のワードがどうやっても結びつかなくて、現実を受け止めるとかではなく、その一歩手前で新たな概念として自分の頭に理解させるのに苦労した。 ケンティの、そつぎょう。それって、つまり、どういうこと──? ケンティは、ずっと同じ場所で光を放ち続けてくれている北極星のような存在だ。もちろん、生身の人間だからいつか結婚もするかもしれないし、アイドルを引退する日

          金輪際表れない完璧で究極のアイドル・中島健人への感謝と尊敬と信頼と、恩返しとしての応援と。

          「映え」によって蘇る文化

          インスタをはじめとするSNSからは切っても切れない「映え」は、ネガティブな面から語られることが多い。綺麗な写真や動画を撮ることを優先して目の前の現実を疎かにする行為は、その最たるものとしてよく語られる。 しかし、「映え」の対象は必ずしも最新のスポットやスイーツばかりではない。伝統的な季節ごとの風習もまた、ていねいな暮らしの文脈から再発見され、現代風にアレンジして流行したりする。 そう考えると、SNSによる「映え」は必ずしもネガティブな面ばかりでなく、文化風習の継承に寄与し

          「映え」によって蘇る文化

          今月読んだ本一覧(2023.09)

          ま、まさかの9月分を書いている間に年を越してしまった…!!読むスピードに書くスピードが追いつかなくて困る!!!1月中に2023年分ぜんぶ書き上げますほんとすみませんがんばる!!!! ちなみに9月に読んだ本は5冊!!です!!!

          今月読んだ本一覧(2023.09)

          広瀬すずという天才

          好きな役者をあげるなら。たくさんいすぎて選べないけれど、そんな中でも私がはじめに名前をあげるのは広瀬すずだ。プロフィールにまでわざわざ「おすずが好き」と明記しているくらい、常日頃からおすずファンを公言している。 彼女の演技力は凄まじいものがあると常々思っているのだけど、あまりに見目麗しく、天性の華やかな存在感が人目を引くからか、演技よりも美しさへの賞賛を耳にすることが多い。たしかに、静止画でも動画でも、どの瞬間にどの角度から切り取っても、ため息がでるほど美しい。でも彼女を「

          広瀬すずという天才

          涙の数だけ、幸せな記憶は蘇って

          久しぶりに、小説を読んで泣いた。そういえば、前回泣いたのも同じ書き手の物語だった。 凪良ゆうさんの作品は、なぜかいつも私の心の一番柔らかい部分に届く。 「わたしの美しい庭」は、そのあらすじから穏やかな読みやすい話だろうと想像して手に取った。実際に、途中まではほのぼのとした物語が続いていった。血は繋がっていなくても、家族のように毎朝一緒にごはんを食べる三人の日常。その背景にあるそれぞれの事情が暗示されつつも、過去ではなく今目の前にある幸福な関係性を素直に受け取っている人たち

          涙の数だけ、幸せな記憶は蘇って