最所あさみ

「知性ある消費を作る」をミッションに掲げ、日々考えたことを「思索綴」というマガジンに綴っています。サークル機能を使って「思索の森図書館」という仮想図書館的なコミュニティも運営しています。

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    • 思索綴

      消費と文化、哲学と営み、人の世の希望と悲しみについて考えを巡らせていくマガジンです。本を読んで考えたこと、まちを歩いて感じたこと、人との対話で学んだことなどを言葉にしていきます。 <毎月更新>今月読んだ本一覧(毎月5〜8冊程度)

    • #お店 記事まとめ

      • 2,279本

      思想を持ったお店をつくったり、運営、デザインをしているひとやその感想などの記事をまとめるマガジンです。

    • 白球を追いかけて。

      "野球"の面白さについて、女子的なきゃっきゃした視点とか突然ビジネスっぽい視点とかちょっとななめな感じからおとどけします

    • 【2023年】「今月読んだ本一覧」一年分まとめパック

      毎月更新している「今月読んだ本一覧」を1年分まとめて読めるマガジンです。私の読書ログだけ読みたい方向け。 1本200円で販売している記事を1年分(=12本)更新していきます。毎月5冊前後は紹介しているので、年間通して60冊は紹介できるかと思います。

    • 現場からは以上です。2nd

      「現場からは以上です。」マガジン内のnoteが100を超えたので、2ndマガジンを作りました。 「地域の魅力とITの力で小売はもっと面白くなる!」をモットーに働く中で感じたこと、考えたことを書き連ねていきます。 (photo by tomoko morishige)

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    【お知らせ】定期購読マガジンとサークルをリニューアルしました

    マガジン購読者、サークル参加者のみなさまには事前にお伝えしていましたが、7月より定期購読マガジンとサークルの両方をリニューアルしました。 ▼定期購読マガジン(¥390/月) ▼サークル(¥1,000/月) リニューアルの背景 今回のリニューアルに際して、あえて「小売」というワードを外してコンセプトを作りました。決して小売業界から離れるわけではなく「知性ある消費」も引き続き探究していきますが、アウトプットの方向性としてビジネス色を薄めることで本当に届けたい人に届けること

      • 期待されることと評価されることの違い

        日頃海外の調達だ買収だ上場だ、といったニュースを追っていて思うのだけど、

        • 結果でしか、評価してもらえない世界だから

          藤浪が、今日も燃えている。 打たれているという意味でも燃えているし、登板結果が報道されるたびにニュースサイトやSNSで話題になってしまう、という意味でも燃えている。先発から中継ぎになってからは登板機会が増えた分、体感としては毎日のように燃えている。 いちファンとして、はじめは冗談めかして「まあこれが藤浪だから」なんて軽口を叩いたりもしていた。しかしあれよあれよと悪化していく防御率を目にしていると、ファンであればあるほど口が重くなっていく。そうやってファンが何も言えないでい

          • 若者が大人になるためのイニシエーションと、荒野としての都会の役割について

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          • 本と映画と、エトセトラ。
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            「いい本」の匂い

            話題の本を手に取らなくなって数年が経った。意識してそう決めているわけではないのだけど、いつのまにか書店の目立つ場所に平積みされている類の本にあまり興味が持てなくなっていた。 そして人のおすすめで本を読むこともほとんどなくなった。これも意識しているわけではなく、そもそもおすすめされる機会が減ってしまったのが大きい。会話のなかでいろんな本の話がでてくることに変わりはないのだけど、まわりも読書家が多いのでそれぞれの領分をよく理解し合っている。よって、むやみに本を勧めることもないし

            今月読んだ本一覧(2023.04)

            はじまりました新年度!三月に本屋さんに行くことが多かったからか紙の本ばかり読んでいるのだけど、同時に最近は夜の明かりを極限まで暗くしているので寝る前に紙の本が読めないという困難にぶち当たっております。しかし本を読まないことには寝られない体質なので寝る前はKindkeで読書しているのですけども、めちゃくちゃブルーライト浴びてるのでものすごく意味ないことをしている気がせんでもない。蛍とかいっぱい捕まえてきたらいいんだろうか。

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            買い物が投資になっていくことへの違和感の正体

            リセール市場が盛り上がりを見せている。特にエルメスやシャネル、ルイ・ヴィトンといったブランドは元値以上の価格で売れるようになりつつあるという。こうなると、もはや買い物というよりも「投資」の側面が強くなる。 フリマアプリを誰でも使う時代になってから、若者を中心に「買う前にリセール価格を調べる」という変化はあちこちで語られてきた。定価一万円のものを買ったとしても、使ったあともまた一万円で売れるのならば実質的な料金はゼロになる。ラグジュアリーブランドにいたっては、売ればプラスにな

            救世主からの卒業を経て、私たちは大人になる

            10代は、生まれたての感受性を荒野に晒しながら生きている。ささいなことに傷つき、悩み、思い詰めてしまうからこそ、そのエネルギーを何かに没頭することで発散する。アニメだったりアイドルだったり、アーティストだったり。今ならVTuberやTikTokerも、その対象なのかもしれない。 子供が使い慣れた毛布やぬいぐるみを離さないように、思春期の多感な時期にも、自分にとって都合よく振る舞ってくれる絶対的な存在を必要とする。生身の人間同士のコミュニケーションによって、傷つくことを覚える

            木々を想いながら、「自然な成長」を考える

            3月に読んだ本で紹介した「別冊NHK100分de名著 『社会契約論』」のなかでは、社会契約論だけではなくルソーの著書である「エミール」にも言及されていた。 私は「エミール」を読んでいないので、ルソーの「自然な成長」の解釈はこの特別講義の講師である苫野さんの解説の範囲内でしか理解していないけれど、このワードは思いがけず私の意識に残り続けた。もともとは子供の教育に関する概念だけれども、リスキリングや大人の学び直しなど、大人になってからも「教育」によって自らを成長させていかなけれ

            逃げのために本を買わない

            子供の頃から、本は「いくらでも買っていいもの」だった。服やおもちゃはおねだりが通用しなかったけれど、本をねだって却下された記憶はない。まあ子供の頃に買ってもらう本なんて千円前後のものばかりだし、大半は図書館で借りて読んでいたので、実際に買ってもらった量はたいしたことはないのかもしれないけれど。 幼少期に「本はいくらでも買っていいもの」と刷り込まれて大きくなったので、いまや本屋さんに行くたびに両手いっぱいに本を抱えてレジに向かう大人になった。値段を見ることがほとんどないので、

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            今月読んだ本一覧(2023.3)

            はい!年度末ですね!!!今月も読んだ〜〜〜〜!!読んだ本は6冊!!

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            自分にとって「どうでもよくないこと」こそが生きがい

            多様性を認め、「人それぞれ」を尊重することがよしとされる時代。違和感を抱いたり、もっとこうしたらいいのに、と思うことがあっても、わざわざ口に出さず一度受け入れるのが大人なのかもしれない。 そんな時代の変化に適応するためなのか、気づけば自分のなかで「まあいいか」と受け止める範囲がずいぶんと広がった。 SNSで巻き起こる論争を眺めながら、「そういう人もいるよね」「そんな考え方もあるんだな」と、意見をジャッジせずひとつの意見として、知識としてインプットしていく。 一見すると大

            まるでドラマのようだと、誰もが言うけれど。

            日本中が熱狂した、侍JAPANの世界一奪還。野球好き以外にまでその熱狂は広がり、この数日はタイムラインが野球の話題で溢れかえっていた。 今年の日本代表は、大谷翔平とダルビッシュ有という大スターをはじめ、ヌートバーや村上宗隆など話題になる選手が多かったことも人気の理由のひとつだろう。 そしてそれ以上に、「主人公・大谷翔平」のためのドラマの筋書きかと思うほど劇的な展開が続いた。野球好きでなくとも伝わる大谷の凄さと「持ってる」感。振り返ってみれば、ドラマにしてはできすぎなほどド

            「捨てるほどではないもの」が流れ着く場所

            国中の落し物は、最終的にノーフォークに流れ着く──。 カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」に、子供たちがノーフォークを「イギリスのロストコーナー(遺失物保管所)」と呼び、いつかそこに行けば失くしたものもすべて見つかるのだと盛り上がるシーンがある。 正確には、授業で先生が発した「ロストコーナー」は「忘れられた土地」という意味だったのだけど、英語では「遺失物保管所」の意味もある。そのために、子供たちは何かを失くすたびに「いつかノーフォークに行けば見つかるさ」と励まし合う。

            闘う、ということ

            「不当逮捕」「サイバー犯罪」「実際に起きた大事件」。ポスターやあらすじに並ぶものものしい単語から、社会派の重たい作品なのだろうと思っていた映画「Winny」。 ノンフィクションの裁判ものなのでシリアスな場面も多かったけれど、鑑賞後の気分はまったく重苦しくなく、むしろ晴れやかさすらあった。それはきっとこの作品が善悪や正義といった作り手側の価値観を押し付けるのではなく、主人公である金子勇さんの生き方を真摯に描くことで滲み出る「何か」に委ねていたからなのではないかと思う。 今か

            「足るを知る」には

            もうかれこれ6年ほど「知性ある消費」を考え続けるなかで、つまるところそれは「足るを知る」とか「身の丈に合う」みたいな話なんじゃないか、と思うようになった。 私たちが「もっと、もっと」とよりよいもの、より新しいものを求める真理には、自分のなかの空虚を埋めたいという欲望が潜んでいる。何者でもない自分を武装するための消費。ときにはそれが必要なときもあるけれど、その欲望を叶え続けていった先に満足はなく、果てしなく広がる渇望だけがある。 欲望に絡め取られることなく、本当の意味で心を

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