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【帰りの電車で展覧会寸評!】♯14 東京国立近代美術館「重要文化財の秘密 問題作が傑作になるまで」
近代美術の粋を集めた入門編
さて、この展覧会、並べられている作品がすべて重要文化財というスゴいもの。これは出品までに、なかなか苦労されたのではないかと推察いたします。その甲斐あってか、なかなかの反響のようです。
後述するように、国宝や重要文化財という、いわゆる「国の指定文化財」が全てではありません。しかし展覧会でも示されているように、それは時代を代表する作品として評価されてきたもので、近代美術
【帰りの電車で展覧会寸評!】♯10 東京都美術館「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展ウィーンが生んだ若き天才」
行った方がいい。 けど、「シーレのすべて」は期待するな
今回はめずらしく、西洋美術をお届け。というのも私、ミーハーでして、クリムトやシーレといったウィーン分離派が大好きなのです。
今回の「シーレ展」も期待していましたが、残念さが拭えない結果となりました。
この「シーレ展」は、ざっくりいうとレオポルド美術館の所蔵品展。「シーレ展」ではなく、「レオポルド美術館展」と言うべきものです。こうした、絵画
【日本美術でChillする】♯1 国宝 「那智瀧図」
山を分け入った先に現れたのは、見上げるような巨大な瀧。
ここは熊野の聖地、那智の御瀧。
信仰を持たざる者でも、その神々しさには心を打たれる。
聞こえるだろうか?岩をうつ水の音が。
感じるだろうか?肌をしめらす水のしぶきが。
それは不思議と、心を静かに落ち着かせる。
画面の下には、那智大社の社殿や、卒塔婆が描かれる。この那智御瀧は、那智大社の御神体。カミそのものとして崇められてきた。
縦長の