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【展覧会 予習と復習】♯7 サントリー美術館「没後190年 木米」

【予習】青木木米、ブームの予感

今回ご案内するのは、江戸時代に活躍した陶工・青木木米の回顧展。
日本美術史には欠かせない存在でありながら、一般にはほとんど知られていないと思われる木米。そんな木米の芸術は、令和に生きる多くの庶民の心を鷲掴みにするのでは?と、個人的には思っております。
「格式」「堂々」「豪華絢爛」
そんな価値観とは対極に位置する「アナザー近世京都」の扉を叩いてみましょう。

💻 展覧会情報

会期 2023年2月8日(水)~3月26日(日)
開館時間 10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)
※2月22日(水)、3月20日(月)は20時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日 火曜日
※3月21日は18時まで開館
入館料 一般 当日 ¥1,500 前売 ¥1,300
    大学・高校生 当日 ¥1,000 前売 ¥800
公式サイト→

🚆 サントリー美術館へのアクセス方法

出光美術館は、東京ミッドタウン3階に位置。
東京メトロ大江戸線 六本木駅 直通
東京メトロ日比谷線 六本木駅 直通
東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩3分

👉アクセス指南👉

六本木に位置する東京ミッドタウンにあるということで、特に難しい指南はありません!
強いていうならば、サントリー美術館へ向かう際はぜひとも周辺の展覧会情報も忘れずにチェック!ということ。
六本木の徒歩圏内には、国立新美術館や森美術館などがあり、しかも一般的な美術館とはちがって火曜日休館で合わせています。逆に言えば、他の美術館が閉まりがちな月曜日は、六本木で美術鑑賞のチャンスです!

🍔 周辺情報&ランチ情報

周囲は花の六本木ということで、あえて私が情報を付け加えるまでもないでしょう。
ひとつ気になるのは、美術館に併設されたカフェ「加賀麩不室屋」。金沢のお麩屋さんのようで、スイーツはもちろん、本格的なお食事もいただける様子。私は利用したことがありませんので、もし行かれたことのある方は、感想を教えていただきたいですね〜。

🕵️‍♀️ こんな展覧会

さて、今回の展示で大きくクローズアップされるのは、江戸時代の京都で活躍した「青木木米」(1767~1833)。これで「あおき もくべい」と読みます。
木米さんの本業は陶芸。私自身は近世陶磁に明るくありませんが(お恥ずかしい)、展覧会の案内には、このように記されていますね。

熱心な古陶磁研究を土台に広い視野をもち、古今東西の古陶磁の美と美を、因習を越えて結びつけ新しい美をひらいていく創造性が木米のやきものにはあらわれています。

古典に学び、それらを総合して新しい美を作っていく。美術史を勉強していると、このような態度が、すぐれた創作者の条件であることがわかります。
そして展覧会の案内文に、こんな面白い説明も見つけました。

さて、文人・木米を知る上で欠かせないものは、その壮大な遺言でしょう。「これまでに集めた各地の陶土をこね合わせ、その中に私の亡骸を入れて窯で焼き、山中に埋めて欲しい。長い年月の後、私を理解してくれる者が、それを掘り起こしてくれるのを待つ」と言ったと伝わります。

(田能村竹田『竹田荘師友画録』)

そして木米が50代以降に描いたという絵画。これは大きく言えば、文人画、あるいは南画と呼ばれるジャンルに属するものですが、そうした型に嵌めるのが恥ずかしくなるほど、自由で面白い。思わずほっと息つくことができるでしょう。今年は、木米プチバズの予感です。

🔎 注目作品

重要文化財 兎道朝潡図 木米 一幅 江戸時代 19世紀 個人蔵 【展示期間:3/1~3/26】

墨も、赤や青の絵の具も、たっぷりの水でさらさらと描いていく木米のスタイル。「清澄」という言葉が似合うでしょう。
俗世の塵芥からの脱出を夢見る文人画の粋を、ある意味一番よく体現しているかもしれません。
この「とらわれなさ」は、きっと令和の日本人の心に刺さる!
私が木米のバズを期待する理由です。



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