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福祉の仕事

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2022年8月の記事一覧

クリアファイルに入れる理由

クリアファイルに入れる理由

私は某仕事の請求書を作成し
毎月郵送している。

 
郵便局が土日休みになったからか
請求書が届くことが遅くなり
相手の会社が困っているらしかった。

「来月からはPDFで送ってください。」

と言われ

はて?

と、なった。

 
聞いたことはあったが
作り方は分からない。

 
新施設長は私にマイクロSDを渡し
資料をスキャンするやり方を教え
このようにすると、PDFが作れると教えてくれた。

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利用者を庇う

利用者を庇う

昨夜、利用者が不穏だったらしい。

自宅で不穏な場合は朝引きずって登所し
他害の可能性が高くなる。

 
その日の朝、やはり様子が変で
念の為、職員が個別対応をした。
利用者が不穏な時は散歩やドライブが有効な時もある。

 
昼食に間に合わように、その利用者が外出から戻ってきた。

 
戻る前に、「もうすぐ施設に戻ります。」と同僚から連絡をもらっていた為
利用者の席を移動し
狙われやすい利用者の前

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利用者からの頼まれ事

利用者からの頼まれ事

とある車椅子の利用者はご家族と二人暮らしだ。

 
そのご家族は夜勤がある方で
利用者は一人で留守番をしたり、過ごすことも多い。

 
送迎で来る職員は
ちょうどいい相手なのだ。

 
何がちょうどいいかというと
ちょっとしたお願いごとをするのにちょうどいい相手なのだ。

 
飲み物を冷蔵庫にしまってほしいとか
クーラーの調子が悪いから見てほしいとか
ポストから郵便物を出してほしいとか
宅配の牛乳

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休みの利用者から私宛の動画

休みの利用者から私宛の動画

ご家族に陽性者がいて
自宅待機をしている利用者がいる。

 
その利用者は先日
新施設長宛にLINEをした。
動画が添付されていたらしく
新施設長は全職員のグループLINEに
その動画を転送した。

 
「皆さん、このたびはご迷惑をおかけして申し訳ありません。私は元気です。」

「自宅でも頑張っています。また会える日はよろしくお願いします。」

動画では、利用者がそのようなことを頭を下げながら話し

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社会人としての選択

社会人としての選択

その日は午前中、仕事でポスティング作業だった。

職員一人に対し、利用者複数人で決められたエリアを配る。

大抵は
車1台に2グループが乗り、駐車場から移動してポスティング作業を行う。

 
私達グループが終わった後
同僚Aさんから、利用者のタオルを落としたみたいだと話がある。
みんなで探したが、見つからなかった。

それをAさんが新施設長に報告したら
「自分からご家族に連絡します。」と話があった

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今ここで働く理由

今ここで働く理由

中途障害の利用者に聞かれた。

「なんでここで働いているの?」

これは前の職場でも何回も聞かれたことがある。

 
健常者として生まれ
障害にも福祉にも関係ない人生を歩んでいて
むしろ学校ではリーダー的存在で交遊関係も広い。
仕事もキラキラとした
人前に立つ仕事。

 
たまたまかもしれないが
私が出会ったり、担当になった中途障害の方は
そんな方が多かった。

 
好き好んで障害者になったわけで

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施設長へのLINE

施設長へのLINE

前施設長は今月から休みに入ったわけだが
休みだからといってノータッチなわけではない。

 
保護者によっては新施設長の方が前施設長よりも付き合いは浅く
やはり前施設長の方に連絡したり、相談してしまうこともあるようだ。

 
ある日、リーダーと二人事務室にいると
リーダーが「あ、施設長から電話だ。」と言った。

 
会話の内容までは聞こえないが
施設長が何やら元気そうに話しているのは分かったし
リー

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職員会議で土曜日勤務

職員会議で土曜日勤務

姉は月一回以上土曜日勤務があり
そんな日は我が家に子どもを預ける。

 
その日は私も父も仕事だった。
私と父は二ヵ月に1回必ず土曜日勤務の日があるのだ。
あとはランダムで土曜日に仕事の日もある。

 
私も姉も両親も基本的には月~金曜日の日勤だが
全員が時々土曜日勤務がある。

 
四人家族中、三人がその土曜日に仕事だったのだから
お疲れ様、といった感じだ。

 
 
私はその日は職員会議で

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濃厚接触者発覚後の施設

濃厚接触者発覚後の施設

今から数週間前の話だ。

徐々に感染者数が増えてきたので
施設側から話があった。

もしも施設内で感染者がいて施設を閉所する場合
正職員は特に体調に変わりがないなら
製品作りを行ってほしい、と。

 
私がまだ入職する前
緊急事態宣言の時に
施設は閉所して
正職員はやはり製品作りを自宅でやったそうだ。

 
「家でやる方が大変。時間がかかる。」
「毛糸のくずで机がやられるし、部屋に舞う。」

そん

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夏の日の公園

夏の日の公園

気温が30度くらいに下がり
久しぶりに利用者と公園を散歩することになった。

その公園は日陰が多く
夏場の散歩にはありがたい場所だった。

 
考えることは一緒なのだろう。

 
私達の車の隣には障害者施設Aが、逆隣には障害者施設Bが散歩に来ていた。

思えば
前の職場で働いていた時も来た。

 
ここの公園は小さい頃も家族で来たが
高校生の頃に友達とも何度も来た思い出の公園だ。

 
大人になっ

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日本地図を描く

日本地図を描く

最近、某利用者の絵に注目している。

 
様々な絵や写真を見せると
上手に真似て描けているからだ。
ジャンル違いの絵を真似られるというのは
とてもすごいと思う。

 
保護者は「うちの子は絵なんて描けない。」と言っていたが
むしろ利用者の中で上位の方だった。

 
片っ端から絵や写真を見せて
何をどこまで描けるか見たくなる。

 
 
ある日、私は日本地図が目に止まった。
地図は書けるだろうか?

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初めての抗原検査

初めての抗原検査

お盆休み明けは抗原検査をしてから来るように、と
利用者も職員も二つ検査キットをもらった。

以前、職場から一つもらっていたので
これで計3個もらえたことになる。

 
「もしも落としたらどうしますか?」
「唾液と間違えて鼻に入れたら?」

と、リーダーが心配し

「ただ唾液入れるだけですよ~。しくじりませんよ~。」

と、私は言った。

 
そんな言葉を言えた私は
まだ何も知らなかった。

 
 

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嬉しかった電話

嬉しかった電話

電話が鳴り、リーダーが出た。
私はもう帰るところだった。

 
「真咲さん、ポスティング会社から電話です。」

 
帰る足を止め、電話に出る。
電話はかかってくるのは珍しい。

 
話によると
請求書が届いていないらしい。

 
 
私はポスティング作業の担当で
作業や配る場所を振り分け
作業完了メールを送り
請求書を作って投函までが仕事となる。

「いつ頃投函されました?」

私は三日前と答えた

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障害者アートコンクールに向けて

障害者アートコンクールに向けて

秋に障害者アートコンクールがある。

 
今月からちょこちょこと
絵を描く練習をしている。

 
自由に絵を描く

というのは
利用者にとって難しい。

 
まずは見本の絵に色塗りをするところから始まる。
枠線をはみ出さずに絵を描くというのもまたなかなか難しい。

 
 
私は色塗りの見本として
ラズベリーに色を塗った。

これは仕事用に塗ったもので
好みの色合いとは異なる。

 
また
某利用者

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