記事一覧
土と火 マザーフッドが咲く展によせて 浦田(東方)沙由理(東京家政大学 期限付助教)2024・3・9-17 @なるせ美術座
3/11(月)安田早苗さんの個展「土と火 マザーフッドが咲く」@なるせ美術座にお邪魔させていただきました。早苗さんとはエコフェミニズムという思想(理論)をきっかけに知り合った仲で、お会いするのは2021年に講演に呼ばれて以来でした。
今回の個展はマザーピース・タロット(Motherpeace tarot)を基盤とし、そこから汲み上げてきた豊かな自然と女性の世界(土の世界)と、異様な火(原子力
『運命の女神が咲く』開催によせて 齋藤 レイ
安田早苗の個展『運命の女神が咲く』がこの春に開催される。本展では過去作が一堂に会し、創作活動の中で作家の興味関心がどのように移ろってきたのか、その軌跡を辿ることができるだろう。
最初期の作品『慈しみ』(1988年)は、新表現主義に影響を受け、油彩にビーズや布などの異素材を組み合わせた100号の大作である。オレンジ色に輝く象と少年が向かい合い、その中央には仏教の聖典「スッタニパータ」の引用、背
1990年代の安田作品
前回、魔女や女神について書きましたが、今回は、90年代の安田作品を紹介したいと思います。
安田自身は洗礼を受けてないので、クリスチャンではないのですが、日本では総人口の0.8%と少数であるクリスチャンに接していたせいか、他の宗教と、そもそも宗教とはどういうものなのか?などは、漠然と気になっていました。
これは20歳の時にほぼ初めて描いた100号サイズの油彩です。ビーズや布の額縁など、当時流
魔女が開く扉 安田早苗論 アライ=ヒロユキ (美術・文化社会批評) 2022.5.3-15 黄色い魔女が咲く @ギャラリーパリオ
「魔女」という、アニメや映画以外では耳慣れない概念を作品テーマに取り組んでいるのが、アーティストの安田早苗だ。なぜ魔女か問う前に、まずはこれまでの作品を概括してみよう。彼女の作品を縦貫するモチーフはふたつある。自然とコミュニケーションだ。
まず安田の代表的な表現は「芽が出るプロジェクト」だ。これは作家サイトから引用しよう。
幾つかの論点が読み取れる。「メールアート」の一種。風という偶然性
Bloom Studio vol.9 イベントレポート 高橋かしこ 編集者・ライター
2021年7月4日(日)に髙橋芳一*(電子音楽家)と安田早苗(現代芸術家)がコラボレイトしたネット・イヴェント「Bloom Studio ZOOM Party vol.9」が開催された。第1部はYoutubeによるライヴ配信、第2部はZOOMによる視聴者参加型のトークという構成。
ライヴは安田作品が展示される町田市のカフェ“ガレスピー”で行われ、演奏するリアルタイム映像と髙橋自身が制作した映像がス
種をまく人 安田早苗試論 神保弘多 文筆業
安田早苗の作品を実際に目にしたのは2020年の1月、神楽坂のギャラリー eitoeiko で開催された安田早苗と五箇公一のコラボ展であった。この展覧会が興味深いのは国立環境研究所に在籍する昆虫学、生態学者の五箇公一と現代美術作家(コンテンポラリー・アーティスト)安田早苗の文字通り異分野、異業種の二人による展覧会である。鷲田めるろ参加によるこの公開鼎談には参加していないので、これについては安田のホ
もっとみるアーティスト安田早苗氏の表現を支えるエコフェミニズムとは何か? 笹木依茉 Webライター
アーティスト安田早苗氏は、生殖による増殖の功罪について考える作品を、これまで多数発表してきました。「ありのままの生」としての自然な「いのち」の表現は、生産性やテクノロジーに支配された現代社会に問題提起を続けています。そのアーティスト安田早苗氏が注目しているのが、エコフェミニズムです。
2021年3月27日の展覧会イベントでは、エコフェミニズムのレクチャーが行われました。講師として招かれた東京家政大
Bloom Studio ZOOM Party vol.9
種をまくプロジェクト→芽が出るプロジェクト→Bloom(花咲く) Studio 9回目のゲストは高橋芳一さんです。
高橋芳一さんは86年ごろP-MODELというバンドのメンバーだった方です。80年ちょうどぐらいにP-MODELが出演していたテレビ番組を見ると、68年生まれの筆者は懐かしい〜感じが。
最近、このYouTubeに出ている、ヒカシューもプラスチックスも継続して活動されているのを
Bloom Studio ZOOM Party vol.8 エコロジーとフェミニズムとアート、そしてエシカル
緊急事態で、連休なのにどうしよう?などど思ってしまう今日この頃。町田のカフェ・ガレスピーで展示している安田早苗作品と共に、オンラインで映像上映、トーク、対話による鑑賞を楽しみませんか?
当日の流れを説明します。
まずは安田が2001〜2005年に取り組んだ「種をまくプロジェクト」の記録映像(40分)を見ます。
休憩後、Web雑誌「エシカルSTORY」代表/編集長の木村洋平さんに、フェミ
2021.3.27 お話し鑑賞会レビュー 笹木依茉Webライター
2021年3月13日(土)から3週にわたる土・日曜日の計6日間、神奈川県在住のアーティスト安田早苗氏の展覧会「悪夢に咲く」が開催されました。27日(土)にはゲストに、東京家政大学講師の浦田(東方)沙由理氏によるエコフェミニズムのレクチャーと対話、案内人の青木雅司氏によるお話し鑑賞会という2つのプログラムからなるイベントが行われました。
会場は千葉県銚子市にあるギャラリーロクの家。このイベントはコ
安田早苗の絵画 三上豊 美術書編集者 2021.3.13-28 悪夢に咲く @ロクの家
2021年3月13日、千葉県は銚子に安田早苗さんの展示を見に行った。数カ月前にお声がかかり、展示会場では、ミニマルアートとか新表現主義などについて、私感を述べさせられた。会場は木造2階建ての旅館を改造し、アトリエであり、展示場であり、アーティストレジデンスとしての機能をもつ「6の家」と名付けられた空間で、宮内博史さんが1年以上をかけて改築した建物である。特に宣伝をしているわけではなく、知る人が少
もっとみる