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四月日記

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思いついたままに書きつけた日記
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#日記

4月23日「レゴ」

4月23日「レゴ」

夜、仕事を終えて、日記を成形することにした。
毎日何かを書きつけてはいたのだけれど、人様に見せるには覚束ない文章運びが目について、ネットに投稿するのを躊躇っていた。一発で納得のいくものを書けたならどれだけいいことか。
まあ、運命の人に送る指輪を買う時にも、いくつかのサイズを試さなければならないのだから、しっくりくるものを簡単に手にすることは多分無理なのだろう。
その上、自分のためでもあるとなればな

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4月22日「シェルティ」

4月22日「シェルティ」

昨日から続くしっとりとした空気が肌を撫でた。なんとか耐えてきた曇り模様も、今日はついに耐えきれず雨になる予報だったので、念のため傘を持って出勤した。
最近は自転車で通勤していたから、職場まで徒歩で向かうのは久々のように感じた。時間はかかるけれど、歩いていると目に着くものが増えるので嫌ではなかった。

白黒のシェルティが散歩をしていた。たくましい胸毛が風に揺れており、賢そうな目で短い足の行く末を見つ

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4月21日「ガリガリくん」

4月21日「ガリガリくん」

休日となると怠惰に身をかまけてしまいがちだから、できる限りの充実を掴み取るため、家を出て歩き始めた。夏のふりをしている太陽の陽射しが思ったよりも強く照りつけて、無駄に着込んだシャツが身体にぺたぺたと張り付いた。
あまり気分のいいものではなかった。
心地の良い場所を求めて街へと向かった。
地下鉄を降りて街を歩いていると、自転車に乗りながらガリガリくんのソーダ味を食べている高校生とすれ違った。昔の自分

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4月20日「幽体離脱」

4月20日「幽体離脱」

ゆっくりと目覚めたせいで時間がなかった。カーテンを開けた向こうはあまり気持ちのいい天気ではなく、鈍色の雲が向こうまで広がっていた。
茶けた山々には緑が差し始めているけれど、さらに奥にある、より高い山のてっぺんには、まだ冬の名残が白く残っていた。季節が動いているのがよく分かった。花粉症の時期であるから、幾ばくかの憂鬱が心を支配した。その反面、暖かくなっていくこれからの日々には嬉しさを感じる。

さっ

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4月19日「接客」

4月19日「接客」

仕事を終えて美容室へ向かう。
二ヶ月近く放置してしまった髪はだらしなく伸びきっており、前髪は涙袋を隠すくらいまで到達している。
散髪は僕の中で面倒ランキングの上位に座している。髪質が少し特殊なことが原因だった。細くてしっかりとした直毛なおかげで、ワックスで遊べなかったり、パーマのかかりが悪かったり、学生の間に通るカッコつけをほとんどすることができなかったから、髪型に対する執着がほとんどなかった。

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4月18日「無駄」

4月18日「無駄」

少しだけ早く目が覚めたので無駄に時間を使うことにした。
計画的な時間の無駄遣いは、何かの意味があるんじゃなかろうか、とも思ったけれどどうだろう。無駄と知って始めたことは無駄に帰結する他ないのか。

でも、有益にしようと思って始めたことさえ無益に終わることもあるのだから、僕らのやろうという決意の行方は、結果でしか語り得ないのだろうか。だとするとかなりむなしい。
ここは反対に考えよう。無駄だと始めたこ

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4月17日「いとま」

4月17日「いとま」

夜のうちに、青森県にいるせいで遅刻をする夢を見た。三内丸山遺跡で貝塚を眺めたり、津軽海峡を見渡せる断崖絶壁で石川さゆりのあの曲を歌ったりしているうちに、飛行機の時間に間に合わなくなって仕事をすっぽかす、という内容だった。
ろくに夢を見ることもないのに、たまに見たとなれば変なストーリーなので、なんだかうんざりしてしまった。遅刻だと思って飛び起きると時間にはまだまだ余裕があった。焦り損というか、心臓に

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4月16日「バグ」

4月16日「バグ」

朝、目覚めてサラダを食べた。
昨日の晩御飯として用意したものだったけれど、お腹の許容量の関係で余してしまったものだった。新鮮さは損なわれてしまったかもしれないがそれでも美味しい。キューピーのゴマだれドレッシングが大好きだ。いろいろ試して辿り着いた最適解だった。

昔は野菜なんて好んで食べることはしなかったのに、今ではむしろ好きな部類に入っていた。食卓に出てきても愚痴を言わなくなったし、むしろ自分か

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4月15日「おしゃれ」

4月15日「おしゃれ」

仕事をしながら、メガネチェーンが欲しいな、と急に思った。
おじいちゃんとか、EXILEみたいなイカつい兄ちゃんがしている、首掛けにもできるようなアレである。
もう少し具体的に言うのなら、メガネの耳にかける部分に引っ掛ける紐で、お洒落なものから地味なものまで、ピンからキリまであるアレ。

うーん。
うまいこと説明できないので、アニメやドラマのキャラクターに頼ろうと思ったけれども、誰一人として思いつか

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4月14日「自殺」

4月14日「自殺」

仕事を終えて本を読み始める。
シェリー・ケーガンの『DEATH「死」とは何か』という、イェール大学で人気を博している講義を、文章に落とし込んだ本だ。

この本は日本縮小版と完全翻訳版の二種類が出ており、完全翻訳版の方が、厚さが二倍になっている。絹ごし豆腐くらいの厚みのある単行本で、読み切るには結構な時間を要しそうな量だった。
書店で目にした時にはどちらを買おうか迷ったが、縮小版だと前半の形而上学の

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4月13日「卒倒」

4月13日「卒倒」

仕事をしていると店内入口の方でビターンという物音がして、大きいこんにゃくを思い切り叩きつけたのかな、とか呑気に考えながらそちらに寄っていくと女性が倒れているのが見えた。
前の方に倒れてしまったのか、うつ伏せのまま両腕が頭の上に伸び、顔は左のほうを向いているのが見えた。
どう見ても、転んでしまいました、で片付けられるような体勢ではなかったので急いで駆け寄ると、女性の目は緩く閉じられたまま痙攣しており

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4月12日「劇場」

4月12日「劇場」

仕事の彼女と一緒に目覚めて、塩パンを準備した。どんぐりというパン屋さんの塩パンが素朴で好きだった。
そのまま食べても美味しいのだけれど、BALMUDAのトースターで焼くと、ちょっとした喫茶店みたいな味になるので嬉しい。日々の生活には一滴くらいの喜びがあってほしいものだが、このトースターは何度使っても廃れない喜びをもたらしてくれる。

パジャマに鳥の巣の頭のまま彼女を見送り、食器を洗った。食器洗いは

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4月11日「きゃぱい」

4月11日「きゃぱい」

朝からの仕事を卒なくこなした。
仕事の中で、もっとステップアップしたいと思うことがあった。自分の得意なことを伸ばすのは楽しいけれど、苦手な部分と向き合うのは苦痛でしかない。それと真摯に向き合う以外に今の自分を成長させる手立てはないのだ、という実態を垣間見た。

思えば、面倒ごとやら嫌いなことからは目を背けて、自分の好きなことばかりやってきた四半世紀だった。
勉強とか、運動とか、人生を歩む上での建設

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4月10日「背景」

4月10日「背景」

友人からカフェに行こうと誘いがあった。四月か五月には行けたらいいねえ、と話していたのに、思ったより早く顔を合わせることになった。行ってみたいお店を見つけたらしい。

彼はコーヒー関係の仕事に就いていて、豆の発注やら商品の販促なんかをメインの業務にしているのだけれど、ここ最近の従業員の減り具合が「リーマンショックの時の株価くらい」だとため息混じりのLINEが来たから「ギザギザに減ったんだね」と軽口を

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