マガジンのカバー画像

TABLO連載【加筆修正】

33
ニュースサイト「TABLO」に連載をした過去記事に加筆修正をしてまとめています。
運営しているクリエイター

#人間関係

教務室のテレビと地下鉄サリン事件。神さまは人間だったから、わたし、ギャルになる。

教務室のテレビと地下鉄サリン事件。神さまは人間だったから、わたし、ギャルになる。

先生たちが来なかった朝の地獄あの日、わたしはまだ子どもでした。

常々、神さまなんていない、と思っていたのでおなかが痛くなっても、「神さま、もう悪いことしませんからおなかの痛みをなおしてください」なんてトイレの中で祈ったことはありませんし、ティーン誌の後ろのページの星座占いなんて気にしたこともありませんでした。当時、クラスメイトがつけてたプロミスリング(手首につける紐のブレスレット、切れたら願いが

もっとみる
都合がいい他人同士だからこそできること。酔っ払ったおじさんが忘れた『男はつらいよ』のこと

都合がいい他人同士だからこそできること。酔っ払ったおじさんが忘れた『男はつらいよ』のこと

わたしだけが覚えている、『男はつらいよ』「はい、今日はもうおしまい。この一杯で帰ってね」

小さな居酒屋さんで、店員さんから席を立たされたおじさんを前に、わたしは、「仕方ないなぁ」と焼き鳥の串を手にとりました。

そのおじさんはさっきまでわたしに、『男はつらいよ』の寅さんがいかにかっこいいかを熱心に説明していました。「寅さんは、ちょっと俺みたいなところがあるな」と笑うおじさん。わたしは寅さんシリー

もっとみる
同世代に会わないように、イトーヨーカドーの紳士服売り場のトイレの前の白いベンチに座っていたわたしへ

同世代に会わないように、イトーヨーカドーの紳士服売り場のトイレの前の白いベンチに座っていたわたしへ

定期的にくる「やばい! 取り残されている」という波絶対地雷だろうな、と思いながら買った新発売の缶ジュースを片手に、スマホアプリに、「20時 改札待ち合わせ」と書いてふと思いました。大人になると遊ぶ約束の時間が遅くなります。夕方から会う約束をすることが普通になったのは、何歳からだったか思い出せません。

定期的に、かつて『有名ネトア』(※ネットアイドル)と呼ばれたひとのブログを読みに行きます。そこに

もっとみる
「前例がない」と自殺防止担当の保健所で門前払いされた雨降りの思い出

「前例がない」と自殺防止担当の保健所で門前払いされた雨降りの思い出

見る「ふり」もされなかった資料いわゆる、門前払いでした。

S区の自殺防止担当の保健所の前で、明らかに落胆したわたしを見て、付き添ってくれた区議会議員Aさんは、「まだまだこれから変わっていくはずです」と気遣ってくれました。

「区の後援をもらったほうがチラシを置いてもらえる場所が増えやすいので、保健所に相談に行きましょう」

自殺防止週間に関連したイベントに出演をすることになり、福祉関係者だけでは

もっとみる
わたしはたぶん、ものすごくできが悪い。一瞬で意識が違うところに飛んでしまい、日常がうまくいかない話

わたしはたぶん、ものすごくできが悪い。一瞬で意識が違うところに飛んでしまい、日常がうまくいかない話

決めた場所に置く、こともできない左目にものもらいができたので、目薬を持ち歩いています。

出先で、いつも目薬を入れているポーチを探すと、入っていません。カバン中を探してもありません。家に置いて来ちゃったのかな、と帰宅後に部屋を探しても見つかりません。仕方がないので、明日また医者に行ってくるしかないか…と落ち込みながらお風呂にはいり、ベッドの布団をめくると、そこに目薬がありました。



おそらく

もっとみる
人をおとしめても自分の位置はあがらない。給食の時間に「2センチの離島」にされた気持ちを一生覚えている。

人をおとしめても自分の位置はあがらない。給食の時間に「2センチの離島」にされた気持ちを一生覚えている。

悪意をもって人を傷つけることアメフトのタックル事件が問題になっています。
意図的に相手を傷つける動画がニュースで繰り返し放送されるたびに、仮面女子の猪狩ともかさん(湯島聖堂の看板が倒れ、腰の骨を折る大怪我をされました)のことを思い出して辛い気持ちになり、直視ができません。

監督が相手の選手を「つぶせ」「壊せ」と言ったとしたならば、どんな気持ちで言ったのでしょうか。選手はどんな気持ちでそれを聞き、

もっとみる
半額のケーキを全部食べたり、嫌いな人のSNSを見すぎてアドレスを手打ちできたり、ひとりの部屋でしていることは愛おしい

半額のケーキを全部食べたり、嫌いな人のSNSを見すぎてアドレスを手打ちできたり、ひとりの部屋でしていることは愛おしい

わたしがひとりの部屋でしていること帰宅途中、駅ビルの有線で流れていたEXILEの曲がやけに耳に残って、なんて言っているのかわからない英単語の歌詞を、ひとりの部屋でうろ覚えで歌ってみたことはありますか。わたしはあります。

夕方のスーパーで半額になったケーキやシュークリームをたくさん買って、紅茶も入れずにひとりでこっそり食べたことはありますか。わたしはあります。



イオンで買った100円のシュ

もっとみる
死ぬほど苦手な「二度目まして」。苦手な4月は自分のハードルをどんどん下げよう。

死ぬほど苦手な「二度目まして」。苦手な4月は自分のハードルをどんどん下げよう。

死ぬほど苦手な「二度目まして」昨日のわたしは、テキパキとお風呂に入れたから天才でした。

「入るぞ…」と決めてから30分以内にお風呂に入ることができたら、「よしよし、今日の自分は天才だぞ」と思うルールです。そんな風に、笑ってしまうくらい自分のハードルを下げて生活をしています。特に桜が咲くこの季節は。

春の全てが苦手です。

新学期、クラス替え、新社会人、部署の移動、転職、転勤、環境の変化…。ただ

もっとみる
アイドルにメンタル最強という肩書きを背負わせてしまったわたしたち。“なにを言われても大丈夫” にならなくていいはずなのに。

アイドルにメンタル最強という肩書きを背負わせてしまったわたしたち。“なにを言われても大丈夫” にならなくていいはずなのに。

悪口を言われる側にいる自分女の子のアイドルが好きです。

難ありの家庭環境で育ち、自己形成に失敗をして人間関係でつまずきまくり、「あらゆる他人は自分なんかに話しかけられたら迷惑かもしれない」と思ってしまう系チームにいるわたしにとって、アイドルとファンの形式はとても都合の良いシステムだからです。アイドルは、こちらが応援をすること、好きになることを(もちろん常識の範囲で)受け入れてくれ、いつでも歌と踊

もっとみる
一生、空気が読めない。「もうそのはなし終わってるから(笑)」と言われる気持ちのこと

一生、空気が読めない。「もうそのはなし終わってるから(笑)」と言われる気持ちのこと

「もうそのはなし終わってるから(笑)」これは、わたしが今まで言われた言葉のベスト10に入るワードかもしれません。そのたび、「あ、またやったな」と思います。

たとえば友人が、「いつか◯◯(ちょっと遠い観光地とします)に行きたいね」と言ったとします。わたしはもともと旅行好きというわけではないので、そこに行きたいと考えたこと自体がありませんでした。けれど、友人に言われてから気になり始め、なんとなく、行

もっとみる
他人の壁を勝手に取っ払おうとしないでほしい

他人の壁を勝手に取っ払おうとしないでほしい

「そんなところにいないで」の「そんなところ」とはときどき、誰かの善意に押しつぶされそうになります。

自分のタイミングで向き合う準備をしている問題に勝手に火をつけて、話したこともないような人が「自分が助けてあげるから!」となぜか嬉しそうに駆け寄ってきたり、問題とも思っていないことに「もっと幸せになる方法を教えてあげる!」と手をとろうとしたり。

そういう場合、こちらが喜んで受け取らなければ(あるい

もっとみる
苦しいときに大きな声で「苦しい」と叫ばなくてもいい世界であれ

苦しいときに大きな声で「苦しい」と叫ばなくてもいい世界であれ

冗談で与えられる地獄は許せたものじゃないわたしは声質に特徴があるため、「声」について人生でたびたび指摘をされてきました。

たとえば、学校で何かを話すと、わざと高い声(おじゃる丸の電ボのような声)でオウム返しをされて笑われることは日常茶飯事でした。自分でも気にしているため、できる限り声を発さないようにして過ごした時期もあります。それでもむりやりにでも声を発さなくてはいけない場面がやってきます。特に

もっとみる