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アイデアノート43 SECIモデルとクリアライト組織の関係 組織の知識を共有するサイクルについて解説

クリアライトパラダイムにおける知の探索

イノベーションを起こすために、知を組織で活かす方法について詳しく記したSECIモデルについて説明する。

SECIモデルとはThinkers50殿堂入りの野中郁次郎氏が開発した、組織の知の共有に対するサイクルモデルのことである。
SECIとは、共同化、表出化、連結化、内面化の頭文字を取ったものだ。
この4プロセスを通じて知識はチーム内で深掘りされ、新たなイノベーションを起こすアイデアが生まれる。


SECIモデルとは、新たなアイデアを生み出す組織習慣を示したモデルである。
そして、クリアライト組織では、このSECIモデルやU理論などの共通部分「CAIサイクル」を使って組織の関係を作り出していく。

これについて、クリアライト組織での振る舞いについて見ていく。

①  まず共同化では、身体を用いた共同体験を行う。ここで組織として暗黙知を共有し、協力関係に活かす。また、組織そのものと深く対話する。
組織そのものが人間のように考え行動するため、これを促すことができるのだ。

これは、チームメンバー間で徹底的に命題について対話することで達成できる。グリーン組織までのリーダーが率いる組織では、リーダーと徹底的に一対一で話すことがこれに対応する(One on One)。

イニシアチブ組織(ターコイズ組織より先)では、全員がリーダーになるため、組織そのものと対話するという姿勢が求められる。ここで、組織内で暗黙知を共有する。組織そのものが意志を持ち、組織としての頭脳を持てるようになる、ことは当然、暗黙知が重なってまるで一人の人のようにふるまう、ということだからだ。

つまりは、組織の解き明かしたい命題「○○を証明したい、明らかにしたい」とそれに対する取り組みのイメージを共有するのだ。この暗黙知こそがコラボレーションを高めるのに必要な要素である。メンバーの人格を向き合わせることが大事になる。

②     次に表出化のプロセスでは、個人間の暗黙知をアートで表現し、集団の形式知に変換する。暗黙知は言語化されていないため、比喩や絵などでイメージを与える必要がある。実際にイメージを与える言葉やストーリーを喚起することで、組織自体が持つ暗黙知を表現する。この時にデザイン思考が求められる。また、その時に暗黙知に存在している関数や理論を証明することが重要となる。

統合した理論を見つめ、この中から推論を行い、行動を通じて証明する作業が表出化プロセスとなる。この方法は、インディゴ組織で説明した内容と同だ。

ティール組織の二つ先で、クリアライト組織の三つ前の段階に位置するインディゴ組織。

つまり、漠然とした「○○学の○○を証明するといった命題」から実行可能なテーマにまで分解していく作業がこれに当たる。実行可能になるまで命題の階層が続いていく。

③     三つ目の連結化のプロセスでは、表出化のプロセスで利用した推論や、アートで表現された暗黙知を統合していくタイミングになる。ここで、クリアライトパラダイムが本領を発揮する。

過去から現在を数列のように並べて、これを関数や数列として見立て、この極限値を算出するというやり方が役に立つ。この極限値をいくつも算出し、統合する。その後、歴史を通じた物語に転換する。ナラティブという、ストーリーのあるアイデアに変えていくのだ。

④     最後に内面化のプロセスでは、組織がこの物語を自らの欲求に従って体得する。具体的に行動を通じてこの物語を証明する作業に移るのだ。この時には、ストーリーが組織に染み付いており、深く考えずとも行動できるようになる。

この深く考えない、という部分もクリアライト組織にとって特に重要な価値観である。

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