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#みんなの文化 (曳航の足あと) No.3

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みんなの文化 第3号目です。 大体、250~300ページで、次号へ向かいます。 こちらでは、わたしの代弁をしてくれる、あるいは、わたしを新しい世界へと導いてくれた大切な記事を、…
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#エッセイ

谷崎潤一郎の陰翳礼讃

谷崎潤一郎の陰翳礼讃

という随筆は超有名なので、たくさんの方が読んでおられると思う。
要は、日本の伝統美は、闇や影が作り出す、陰影の最中にこそある、的なことを具体例を挙げながら延々と語っている。
例えば、夏目漱石も言っていたけど、羊羹の色は最高に和的でクールだよね、的な感じことである。

本作の結びは、まぁ、試しに電灯を消してみることだ、という言葉である。
ここに書かれている陰影というものは、別に東洋に限ったものではな

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未来を見据えて

未来を見据えて

音楽を聴きながら書いたので
流しながらお読み頂ければ幸いです。

たまにはスイッチの入ってない記事を
恐らくあなたがこの記事を読んでいる頃
俺はもう東京のこの街にはいない

と大袈裟に書いたけど
水道屋の仕事が埼玉の上の方
春日部の上あたりかな
その後、もう一件仕事が有る

ただYOUが12時間noteをひらかなければ
俺は何を書いたのか?
あなたは何を読んだのか?という事になる
そういう時間軸の

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「子どもがほしい」がわからなかった話

「子どもがほしい」がわからなかった話

こんにちは、編集とデザイナー夫婦の夫のほうです。

現在、僕たち夫婦は妊活中です。
そのような状況にあってこんなことを言うのはとてもおかしなことに聞こえるかもしれないのですが。。

僕は、「子どもがほしい」という気持ちがわかりませんでした。

いや、子どもが嫌いだというのではないのです。
むしろ子どもは好きなほうだし、子どもがいる生活というものもありだなと思うのです。

でも、それを「ほしい」とい

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夏の名残の千疋屋氷菓

夏の名残の千疋屋氷菓

思い出したように蝉が鳴いている。高気圧の最終クリアランスセールのごとく、関東はまた少し気温の高い日が続いた。冷凍庫の奥にしまい込んでいて、食べ損ねていた千疋屋総本店のシャーベット日和。

貯めに貯めた某ポイントで購入した「センビキヤスゴイタカイアイス」。

そういえば、シンカンセンスゴイカタイアイス、お取り寄せできるとは知らなかった。新幹線、いっときは毎月乗っていたのに、数年乗っていない。

千疋

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生と死の視座~「ノルウェーの森」の謎をとく。

  Wind rises ,I have to try to live.

⭐ノルウェーの森にわけ入って
     (改訂版 その3)

 前回、ノルウェーの森という物語の展開した1969年を中心とした日本社会の現実のイメージについて語った。それを読んで(あるいは、知って)ある事実に気づいた方は、いないだろうか?それは、その時代の社会の喧騒や混乱が、この物語のなかにいると全く感じられないことだ。こ

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⭐土器通信  ~南関東地域(東京、埼玉県)=古代では武蔵の国 における〈坏〉の切り離し技法と底部調整の話を中心に。

⭐土器通信  ~南関東地域(東京、埼玉県)=古代では武蔵の国 における〈坏〉の切り離し技法と底部調整の話を中心に。

a.切り離し技法~ヘラ切り→糸切りへ

この地域でのヘラ切りは、8世紀第1四半期までです。この時期は、まだ東京に須恵器の窯はありませんから、ヘラ切りの須恵器は、埼玉県や浜松の湖西窯などの搬入遺物の話です。
 ところで、糸切りの切り離し技法には、静止した粘土塊から、器の形になったものを切り離す静止糸切りと、回転台で回転している粘土塊を器の形にしつつ、切り離す回転糸切りの2つの方法があります。南関東の

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⭐〈ノルウェーの森〉にわけ入って

⭐〈ノルウェーの森〉にわけ入って

〈ノルウェーの森〉は、やはり単なる恋愛小説ではなかった。多分今回で三回目になると記憶しているが、この小説は、本当はハードボイルドなんだ、ということが今回よくわかった。
あれだけのパターンの性愛のシーンを一冊の本のなかで描いた小説はこの時代にだけでなく、この後の時代でもあまりないだろう。その中のいくつかを箇条書きにしてみる。

1. 31歳のレイ子さんとレズの中学生(13歳)の性愛のシーン。

2.

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コラム

⭐〈ノルウェーの森〉にわけ入って
            (その2)
「ノルウェーの森」の舞台となった1969年は、70年安保の前年で、全国の大学生たちを巻き込みながら、日本の学生運動は、これから苛烈になっていく。世界は、アメリカとソ連との二極化構造で、世界の各国も、単独の国内でも、大局に立てば保守、革新のそれぞれの勢力が、これら2大大国の代理闘争をやっているようなある意味陳腐な現実の印象がある一

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とあるカフェ好きの、とある休日の徒然。そしてGODIVAのマリトッツォ。

とあるカフェ好きの、とある休日の徒然。そしてGODIVAのマリトッツォ。

インプットでもアウトプットでも、やると決めたことを毎日同じ時間にできる人は凄いと思う。

私は毎日noteの投稿を続けているけれど、そこに何かもうひとつでも制約を課したのなら、きっと続かない。その日のうちの、書けた時に投稿する。テーマも、本当はなんでも良い。ただまあ、今のところはスイーツについて語るのが楽しすぎて、そこに偏っている、というかほぼ全てスイーツの話なのだけれど。

無理な制限がない気楽

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好きだからこそ新しいものを求めなくなるという矛盾を克服したい〜カフェ ストラーダ〜

好きだからこそ新しいものを求めなくなるという矛盾を克服したい〜カフェ ストラーダ〜

「自分はカフェ巡りが好きだな」と初めて自覚した頃、とにかく色々なカフェに行っていたと思う。毎日、今日はどこに行こうかなと調べるのが楽しくてたまらなかった。

今でもその気持ちに変わりはないのだけれど、社会人になって自由にカフェに行ける日も限られるし。
好き過ぎるお店も増えてきて、「今の限定を食べに行こう」で巡りスケジュールが埋まっていく。

だから昔よりも少しだけ強く「行った事のない未知のお店に行

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漫画「ハローブランニューワールド」のこだわり - 読みやすいページ作り【前編】

漫画「ハローブランニューワールド」のこだわり - 読みやすいページ作り【前編】

cakesで連載させていただいている漫画「ハローブランニューワールド」。作り手としては、いろいろこだわっているところがあります。

次のパートが始まるまで、そういう部分を少しずつ解説してみようと思います。誰に頼まれたわけでもない、完全に個人の趣味な内容ですが、楽しんでもらえたら嬉しいです。

記念すべき第一回目のこだわりは「読みやすいページ作り【前編】」です。

制限と「読みやすさ」実は制作上の「

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川端康成の 浅草紅団

川端康成の 浅草紅団

川端康成の小説で、一番シュルレアリスムに近接していた時代、浅草時代。
その経験を元にした、浅草ものに『浅草紅団』がある。
あさくさくれないだん、と読む。

この作品は、弓子という、浅草紅団のボスがヒロインとして登場する。
美少女である。
男の子のように美しい娘である。
彼女と、その界隈にいる猥雑な人々、街そのものの喧騒が描かれている。
無論、主人公は康成である。
浅草ものには、『浅草の姉妹』や『浅

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その1粒で、私はもっと幸せになれる〜ミカフェート〜

その1粒で、私はもっと幸せになれる〜ミカフェート〜

昨日のnoteで登場した高級珈琲ンゴロンゴロ。
珈琲の美味しさにも感動したけれど、生チョコの満足度も凄い。

GODIVAカフェに行った時、ドリンクだけでも良かったのだけれど、やっぱりチョコをひとつ、プラスした。

ドリンクを注文すると自動でチョコがセットについてくる、というお店にも時々出会う。

「美味しいコーヒーを飲みながら、ゆったりとしたカフェ時間を過ごす」
この目的のためだけならば、珈琲だ

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