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およそ500字日記

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文字数を稼いでなんとか500字以上書けるように頑張っています。
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#冬

2024年3月22日の日記

2024年3月22日の日記

 3月ももう終盤なのに、水っ気の多い雪に見舞われた。「三寒四温」とは実によくできた言葉で、語呂の良さもさることながら、冬のこの時期の危うい気温の推移を見事に表現した素晴らしい言葉だと思う。

 祝日でお休みだったので、実家に帰省。冒頭の雪のくだりは、父と母と私の3人で神戸の北の方にドライブに行った折の話。3月ってこんなに雨降ってたっけ?
 国道沿いの寂れたレストインで定食ランチを食べて、キツネの嫁

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2024年3月13日の日記

2024年3月13日の日記

 服屋さんでふと目を奪われたジャケットや、洋菓子店で「これが一番良いな」と直感で思ったモノに限ってめちゃくちゃ値段が張ったりする現象。こういうことがあると、私は実はかなりの目利きなのではないかと自惚れてしまう。
 いや、始まってすらいないか。それが誰にでもわかるくらいハイクオリティな品物だったのか、それとも目につきやすいところに高額商品を置いていることが多いだけなのか、まぁ別にそんなことどうでもい

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2024年2月22日の日記

2024年2月22日の日記

 あれ?もう春?まったく、季節は僕らを追い越してゆくけど私は立ち止まったまま冬のようだな…。
 2月も気づけば折り返していて、春も近い。今年はついぞ雪を見なかったな、とか、屋台でラーメン食べられなかったな、とか、しっかり季節を楽しもうとしていた自分の残像を春の風に乗せて飛ばしてみたり。

 2月のこの時期になると、2月22日や0222って入力する機会が増える。同じ数字だけでこのように3つも並ぶのは

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2024年2月13日の日記

2024年2月13日の日記

 運転手さんそのバスに私も乗っけてくれないか。古巣を捨てきれない、捨てられないのは何故だ。いつか青空に向かって翔ぶ日が来るのだろうか。
 
 生涯で居住する場所はそれほど変わることはないが、電脳世界での根城だけはコロコロと変わる。こうやってコロコロと変えられるくらいには色んな場所があるということだ。私もいくつかの"城"を構えている。城が多ければ多いほど、一国の主としてそれだけの城下町を作ることがで

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2024年2月7日の日記

2024年2月7日の日記

 東京地方に雪が降り続けて、部屋の中に居続けることもあるさ。去年は京都や大阪に雪が降って交通網がマヒしたが、それも懐かしい話。今年の冬は例年より暖かい。

 東京にはITとコンサルしかいないのは有名な話。とりあえず東京の男に声をかければどちらかが捕まる。多様な人間と文化が交錯する街というイメージが漠然とあるが、私にすれば、皆が他人に興味がなく、見せかけのブランドに身を包んだCulture Vult

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2023年1月25日の日記

2023年1月25日の日記

 たこ焼きって本当に熱い。大阪の観光客たちは嬉々として口にたこ焼きを放り込んでいるが、私から言わせればあんなのほぼ爆弾である。例えるなら、ふわふわでチンッチンに熱された鉄球の中からドロドロに融けた赤い鉄が溢れ出てくるような感じ。1つ目のたこ焼きを放り込んだ途端、口内のすべての水分が沸騰してそこはたちまち鉄鉱山の様相。坑内を転がりまわるその鉄塊は壁という壁を破壊しながら、最後にやっと、私たちはソース

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2023年12月3日の日記

2023年12月3日の日記

 年末へ向かっていくこの焦燥感に踊らされる時期が今年も来た。テレビを見れば、やれ海外移住だ海外旅行だを促す番組が流れてくる。根が移住民族たる私たちの魂に原始回帰を訴えかけているようだ。
 そしてSNSを眺めれば、転職や独立開業を促すCMが電波ジャックばりに画面を埋め尽くし、チープな情報商材で作られた書き割りの広告を今日も今日とて剥がすのだ。

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 この時期になると、総決算のような感じで皆が今年

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2023年11月18日の日記

2023年11月18日の日記

 今日の気温はなんと9℃らしい。ジュエリーブランドじゃないんだから。12月になるまで冬服は着ない方針だったが、さすがにダウンベストを調達した。

 この前梅田を走っていた時に信号待ちで止まったら目の前にゴジラがいて、マジでここで殉職するんだって思った。このあと捕食寸前のゴジラとしばらく見つめ合う時間があったのかなりシュールだった。輸送していたトラックが東京のナンバーだったので、大口を開けたままここ

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2023年11月12日の日記

2023年11月12日の日記

 先週くらいからずっと風邪気味で、鼻は崩落したトンネルのごとく不通だったし、喉には常にヘドロが滞留しているかのごとく、慢性的な異物感に悩まされていた。
 ようやくそれもなくなったと思ったら、異常なスピードで冬がやってきた。槇原敬之はちゃんと冬の到来を教えてくれるのに全く…、季節は僕らを追い越してゆくケド…。

 11月11日はベースの日だ!とか言ってキャッキャしてたら、月初に書いた日記を思い出した

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2023年2月2日の日記

2023年2月2日の日記

 1月がぬるっと行ってしまって2月が始まり、いよいよ冬の時代の終わりも見えてきたところ。三寒四温に翻弄されながらも、私たちは辛抱強く春を待つ。

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「ラーメンからミサイルまで」という言葉を知った。総合商社の取り扱い品目の広さを表現したフレーズのことで、「ゆりかごから墓場まで」のようなその語感が気に入った。それにしても、最小値を「ラーメン」とし最大値を「ミサイル」と設定したその感性がとても良い

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2023年1月16日の日記

2023年1月16日の日記

 YouTubeで動画を開いて、広告が流れ終わるまでの時間に他の動画を探っていたら、別の面白そうな動画を見つけてすぐにそちらを開いたらたまたま広告無しで始まって、なんか得した気分になったりならなかったりしている1日。自分の興味の移ろう早さにもはや驚きも覚えなくなった。そんなこんなで1月も折り返しである。こうやって季節は巡る。

 土日が暖かかったのもあって、週初めは少し冷え込んだ。今日に限ってはヒ

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2022年12月24日の日記

2022年12月24日の日記

 ついこの前まで、12月23日といえば休みだったような気がする。というのも、平成年間は天皇誕生日が12月23日に設定されていたからだ。俗にいう「イヴイヴ」というやつだ。決して婚活マッチングアプリのほうではない。

 イヴイヴ、クリスマスイヴ、クリスマスと、年の瀬にここぞとばかりにイベントが詰め込まれている。イベント自体はクリスマス1つだけなのに、その前夜祭と前前夜祭を開いてイベ水増ししているあたり

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2022年12月20日の日記

2022年12月20日の日記

 大阪は空気が汚い。咳き込むことが増えたし、鼻毛が早く伸びるようになった。空気に答えが出てる街、それが大阪。おっと、ダイキンのキャッチコピーみたいに言ってしまった。新御堂はどんな日も、地下鉄を挟んで対面2車線が流れている。なにが大阪LOVERだ。0時ちょい前に新大阪駅にスウェット姿で迎えに来る時点で、そいつの居住区域は新大阪周辺で、多分1LDKの築浅社宅に住んでいるんだ。間違いない。

 M-1グ

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2021年11月29日の日記

2021年11月29日の日記

 漕ぎだした自転車の軋みが、ツンと張りつめた冬の空気と擦れ合った。錆びついたチェーンはギリギリと回転し、時折悲鳴のような金属音をあげては、冬の光景の一部になる。

 どの方角かわからない空に月が在る。冬の澄んだ空なのに、目の悪い私にはあの月が多重露光したように映る。信号が赤になって、マスク越しに吸った冷たくて淀んだ空気が肺に入り込んで、家路が少し遠のいたような気がした。

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 気づけば11月も

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