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34.南インドの旅:ゴア、60年代のヒッピー達の夢、ラブ&ピースはどう実現したのか

34.南インドの旅:ゴア、60年代のヒッピー達の夢、ラブ&ピースはどう実現したのか

 インド独立後も永らくポルトガルの植民地だったゴアは、インドであって、インドではない町と言われてきた。1960年代、ヒッピー達が住み着き、ラブ&ピースを夢見たビーチは、2020年、その夢が実現したのだろうか。どのように実現したのだろうか。今回は、そのゴアに行ってみよう。

 ゴアの中心の町、夜のパナジに立つ。パナジ教会の十字架の見下ろす港には、満艦飾のライトに彩られたカジノ船が、これでもか、これで

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アメリカの飯は旨い、マジで

アメリカの飯は旨い、マジで

先般Twitterで「日本のコンビニデザートはアメリカの富豪が食っているものより旨い」という旨の呟きを見かけた。
こういう''アメリカはメシマズ国家だ!''と声を大にしている人を定期的に見かけるが、本当に真っ当な料理を食べた上で言ってるのだろうか。
アメリカンフードの大ファンとしてはそう断罪している人を見ると悲しくなる。実際に喉が焼けるほど甘いケーキや噛み切れないステーキがあるのも事実だが、日本に

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いつまでも あると思うな うまい酒

いつまでも あると思うな うまい酒

ちょっと思い出話でも。

私は社会に出てからずっとお酒に携わっています。最初はウイスキーやブランデー、ラムなどのハードリカーを中心に置いてあるお店におり、同業の諸先輩方に身分不相応なくらい良いものをたくさん飲ませて頂きました。本当に良い経験をさせて頂き、感謝しかありません。

ウイスキーに目覚めたあの一杯のことは忘れもしません。スコットランドのシングルモルトウイスキー「マッカラン18年 1984オ

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カレーですよ4351(御徒町 ヴェジハーブサーガ)やっぱり野菜がすき。

カレーですよ4351(御徒町 ヴェジハーブサーガ)やっぱり野菜がすき。

きのうのテレビの影響か、湯島のデリーには行列ができていた。もちろんそれはいつものことではあるが、やはりどうもいつもよりも列が長い。

カレーですよ。

長さよりその落ち着きのなさがちょいと引っかかる。やっぱりテレビであろう。今日はインドがたくさん売れるのであろう。さて。

そんなこんななので、別のところへ。
上野、御徒町界隈はいろいろと代替えがきくので助かるのだ。デリーを代替え

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上野の洋食、肉を味わうガンジーカレー

上野の洋食、肉を味わうガンジーカレー

おいしい洋食を食べたくってひさしぶりの「遠山」。

上野駅のすぐ裏っかわ。上野の森に向かう坂道の一番下の入口部分に控える外食ビルの2階にある店。
端正な顔つきのお店です。
駅を向いた大きな窓が外の光を取り込んで、お店の奥まで明るく照らす。
奥とはいってもそちらが実は入り口で、入り口脇には厨房がある。Lの字型に設えられたオープンキッチン。その手前には作業用のカウンターがありグラスやお皿、カトラリーに

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カレーとクラフトドリンクの店誕生!濃厚パンチ炸裂だったよ@秋葉原 ハーティーズ (HAATY'S) 2/20オープン

カレーとクラフトドリンクの店誕生!濃厚パンチ炸裂だったよ@秋葉原 ハーティーズ (HAATY'S) 2/20オープン

スパイスは
心で食べる

じょいっこの触角が
「カレー屋がオープンした」
という情報をキャッチ。

ぴくっ・・

早速行ってみました。

その名も「ハーティーズ (HAATY'S)」
2020年2月20日オープンです

秋葉原駅から新御徒町の方角
へ行った少し寂しい場所にあります。

もし店がやっていなかったら
どうしよう?

ちょっと辺鄙な場所なので
不安が頭をよぎりますが、
それは心配ご無用!

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広島市はなぜ、お好み焼タウンになったのか?(後編)

広島市はなぜ、お好み焼タウンになったのか?(後編)

前編では、原爆投下からの復興がお好み焼のニーズを押し上げ、県外から復興に関わる仕事をするために来た男たちを満足させるよう、ボリュームが増えていったことを解説した。

そしてこの波を捉え、大きなムーブメントに育てた人たちがいる。
それが二つ目の要因、井畝一族の活躍だ。

前編で紹介したように戦後、鉄板で小麦粉を焼く料理は、西日本の各地で始まっていた。
その頃、満州から引き揚げてきた井畝井三男さんは大

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広島市はなぜ、お好み焼タウンになったのか?(前編)

広島市はなぜ、お好み焼タウンになったのか?(前編)

「熱狂のお好み焼」にも書いたが、お好み焼は東京で生まれ、西日本を中心に各地で食べられるようになった。
それなのになぜ、広島市は全国に冠たるお好み焼タウンになったのか。
今回はそこにテーマを絞って書く。
なお、大阪市は全く事情が異なるので、別の機会に譲る。

戦前はお好み焼の一種である肉天をルーツとする洋食焼、一銭洋食などと呼ばれる料理が各地にあり、広島市だけ特別人気があった訳ではない。
小遣いを持

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松屋「シュクメルリ」から考える、メニュー開発の新常識

松屋「シュクメルリ」から考える、メニュー開発の新常識

1月中旬「シュクメルリ」というキーワードがタイムラインを賑わせました。
しゅく‥めるり‥メルカリ系のサービスか?と思ったら、東欧ジョージア国の伝統料理でした。

シュクメルリ(グルジア語: შქმერული、グルジア語ラテン翻字: shkmeruli)あるいはチュクメルリ(グルジア語: ჩქმერული、グルジア語ラテン翻字: chkmeruli)は、鶏肉をガーリッククリームソースで煮込んだ、伝統

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Pastry Stout(ペイストリースタウト)

Pastry Stout(ペイストリースタウト)

クラフトビールの評価サイトを眺めてみると相変わらずIPAが人気なのですが、実はその裏でビアギークの間ではスタウトが非常に人気です。緩い、度数の低いものではなくて、濃くて強いものの方が高得点を取っているようです。Imperial Stout(インペリアルスタウト)はその最たるものでしょう。バレルエイジしたり、副原料を入れたりして、どんどんフレーバーも濃くなってきているような気がします。

スタウトと

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複数あることと集合には違いがある気がするという話

複数あることと集合には違いがある気がするという話

Tap Takeover(タップテイクオーバー)と呼ばれるイベントがあります。お店のタップ(ビールの注ぎ口)を一つのブランドで全部乗っ取る(テイクオーバー)ことを意味し、特定のブルワリーのビールをフィーチャーしたイベントを指します。

10タップあれば10種類繋ぐのが本来的ではあると思いますが、最近一部であってもそう呼んでいる気がします。まぁ、語義としては間違いなのでしょうが、今日そこにはツッコミ

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中東前線が日本列島をゆっくりと北上している予感

中東前線が日本列島をゆっくりと北上している予感

文化や文明が、必ずしも都市からやってくるといえないが、インターナショナルな食文化は、やはり、東京のほうからやってくるのではないかという気もする。

日本の移民社会を追いかけている映像作家のヒロケイさんに誘われ、東北地方の最大都市、仙台に行ってきた。

別名、杜の都。ヒロさんのリサーチによれば、中東料理の店がいくつかあるという。ヒロさんは最近、茨城県や栃木県、群馬県に多く暮らすパキスタン人コミュニテ

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「Whisky:シングルモルト”白州”はどこへ消えた?」─ていくすりーの酒場学

「Whisky:シングルモルト”白州”はどこへ消えた?」─ていくすりーの酒場学

 突如として人気となったジャパニーズ・ウイスキー。その中でも山梨で作られているシングルモルト”白州”とブレンデッドウイスキー”響”の品薄状態は深刻です。

 話によれば、オリンピックイヤーである2020年に年数表記のある白州を限定的にリリースする予定だったようですが、どうやら間に合わないそうで、2021年に数量限定で復刻、2027年に完全復刻予定なのだそう。

 日本のウイスキーが世界的なウイスキ

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ビールのあり方を考える Ronald Mengerink氏の言葉

ビールのあり方を考える Ronald Mengerink氏の言葉

ものすごく大事なお話です。

ご本人から翻訳の許可は頂きましたが、いくつもの媒体に書き散らかしても構わないというものでもないので本文へのリンクだけとします。

しかしながら、世界中から高い評価を受けるベルギーのトッププロがこういうことを公にしなくてはならないというのはやはり事態が極めて深刻だという現れに違いありません。極めて重要な指摘がされていて、この構造はビールに留まらないと思われます。ビールに

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