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ほっこり系

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あなたをほっこりさせたい文章です。
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推しがいるお仕事 #推し短歌

推しがいるお仕事 #推し短歌

〈月曜からのおしごと〉

「会社」×「推し」「推しがいるお仕事」をテーマに詠んでみました。推しがいるお仕事は楽しい。そしてお仕事には推しが要る。そんな気持ちを三十一文字に吹き込みました。

仕事には推しが必要だ

なぜ会社に行くのか。仕事をするためなのか。違います。推しに会いに行くためです(極論)。

やりたくないことをやって、色んなことを我慢して、たまにはご褒美がほしくなるもの。それはデスクに入

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新郎の手には旗を。新婦の手には鳴子を。

新郎の手には旗を。新婦の手には鳴子を。

目を疑う。参列者の半分が、はっぴを着ている。そう思えば、新郎が旗を振り出す。新婦が鳴子を持って踊っている。

ここって結婚式場だっけ。お祭り会場なのかな。

「普通の結婚式」の概念が吹き飛ぶのを感じながら、ぼくも鳴子を打ち鳴らしていた。

・・・・・・・・・・・・・・

結婚式に行くことになった。前任地で所属していた、よさこいチームのメンバー同士の式だ。新婦がチームの代表で、新郎が旗士。旗士とは、

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「あーあ、忘れものしてよかった!」

「あーあ、忘れものしてよかった!」

「ここのやつ、ふわっふわだし、甘さ控えめで最高なの!」

大好きな先輩2人に囲まれながら、パンケーキに切り込みを入れる。中にこもった蒸気と甘い匂いが溢れ、「今日が休日だ」ってことを再認識させてくれる。

幸せな休みの日。けれど、ちょっぴり寂しい。こうして一緒に過ごせるのが、あと少しだとわかってしまったから。

・・・・・・・・・・・

この間、よさこいサークルで忘れものを預かった。練習場所に、誰か

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誰かとの旅は海で、ひとり旅は湖

誰かとの旅は海で、ひとり旅は湖

ぼくはひとりで過ごす時間が好きだ。カフェで本をじっくり読んだり。ふらっとラーメンを食べに行ったり。日帰り温泉でのんびり湯に浸かったり。

けれど、宿泊を伴う「ひとり旅」をしたことがなかった。憧れていたけど、きっかけと少しの勇気が足りなくて。

この間、初めてひとり旅をした。ちょっとだけ寂しいけど、心が安らいで、たっぷり自分と向き合える時間になった。

そのとき抱いた感情は、まるで波が立たない湖面の

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4年も経てば、道は3つになってるわけで

4年も経てば、道は3つになってるわけで

「明日の朝ごはん、7時半集合でいい?」

「今日、ホテルのWi-Fiの調子悪くないか」

「明日のテストってさ、範囲ここだっけ」

4年前のグループLINEの会話を遡る。この3人のLINEが、また動き出すことになるなんてね。

🚶‍♂️

ぼくが新入社員の頃。

入社したばかりのぼくたちは、最初の1ヶ月は研修尽くしだった。都内の研修施設で、同期が200人集まってみっちり講義を受ける。

自宅から

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黒猫とストーブとテニススクール

黒猫とストーブとテニススクール

自分にとって、大切な居場所を選ぶときの基準は何だろう。

最近、そんなことをよく考える。

というのも、ぼくはテニススクールの体験レッスンにいくつか足を運んだ。新天地でも体を動かしたくなってきたのだ。

スクールによって、特徴は様々。コートの状況や、練習メニューの内容、コーチや参加者の雰囲気。選ぶ基準がたくさんあって悩ましい。

今日訪れたテニススクールは、申し分なかった。大手スポーツジム施設内で

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4年間通い続けたカフェの店員さんにお別れを告げたら

4年間通い続けたカフェの店員さんにお別れを告げたら

「このコーヒー1つください。あと、言わなきゃいけないことがあって…。実は、転勤することになったんです。」

ちょっとためらいがちに、そう伝えていた。

ぼくが転勤をするまでの、ちょっぴり切ないお話。

☕️

ぼくには、行きつけのカフェがある。本屋の中に併設された、落ち着いた雰囲気のお店。カウンター席が充実していて1人でも入りやすい。

本を買って「読みたい!」という気持ちが冷めないうちに、そのカ

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青春はいつも、外側からしか観測できない

青春はいつも、外側からしか観測できない

ゲラゲラ笑いながら、自転車を二人乗りして夕暮れを駆ける高校生。

スマホに入っている、大学時代のサークルの写真。

そんなキラキラした瞬間をみて「青春だなぁ」と思う。けれども、当時は「青春してる」なんて思わなかったりする。

青春はいつも、他人や未来から見て気づくことができる。青春はいつも、「外側から観測する」ことばかりだ。

けれども、「青春」という言葉は他人事としてではなく、自分のために使いた

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土に触れることはストーリーに触れるということ

土に触れることはストーリーに触れるということ

「ハサミムシだー!」

「なんの幼虫?これ!!」

「次はぼくが掘りたい!!!」

子どもたちのにぎやかな声に包まれながら、ぼくは畑に立っている。

前回の記事を読んでくださった方から「また畑にいるの?」という声が聞こえてくるけど、そうなんです。またいます。たまたまです。

わいわいと色のついたような声が、響き渡ってしまうようなほど澄み渡った空。それを眺めながら「子どもたちが土に触れるのって何で大

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玉ねぎが収穫できる頃、お互いどこにいるんだろうね

玉ねぎが収穫できる頃、お互いどこにいるんだろうね

雲ひとつない、秋らしい青空。ひやりと肌を震わす、吹き下ろされた風。まるでふとんのように優しい、ふかふかの土。

ぼくはまた、あの畑に立っていた。

通い続けたカレー屋の店長に誘ってもらい、二度目の農業のお手伝いに来た。この間は玉ねぎの収穫をしたが、今度は苗を植える作業だ。

実は、その店長のカレー屋は先日閉店してしまった。悲しすぎて、ワクチンの副作用なんか?くらい気分が上がらない日々が続いた。けれ

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ぼくにおつかいを頼んできた店員さんに、もう一度会いたい

ぼくにおつかいを頼んできた店員さんに、もう一度会いたい

みなさんは、もう一度会いたいと思う店員さんはいますか?

ぼくは、いる。

一緒にパンを食べるはずだった、専務のおばちゃん。

🚶‍♂️

ぼくが中学生のときの話。

ぼくはソフトテニス部だった。住んでいるのは田舎だったので、ラケットやテニスウェアを買うために、電車で隣町に行っていた。

その隣町に、小さなスポーツショップがあった。ビルの一角にある、広いとは言えないお店。でも、自分の欲しいものが

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「また明日ね!」という言葉は「小さな約束」なんだ

「また明日ね!」という言葉は「小さな約束」なんだ

「大人になって言わなくなったセリフ選手権」ノミネート作品発表会場にお集まりのみなさま、お待たせいたしました。最優秀賞作品の発表です。

最優秀賞はなんと、、、

「また明日ね!」です!!

「先生!プリント1枚足りません」

「ねぇ、好きな人いる?」

を抑え、堂々の入賞を果たしました。各審査員からも、コメントを多くいただいております。

・・・

この選手権やってほしいね。

さておき、こんな風

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古民家宿からあふれる過去と未来を観ていたい

古民家宿からあふれる過去と未来を観ていたい

あなたが旅に求めるものはなんですか?

壮大な自然。人との出会い。舌鼓を打つグルメ。色々あるでしょう。

そして、求めるものは宿選びにも反映する。露天風呂がついているか。夜景が綺麗か。ごはんが美味しいのか。判断軸はいくらでもある。

そんな宿選びの判断軸がぼくには1つ増えた。それは「ストーリーがあるか」。

きっかけは、忘れもしない、あの夏休み。

🚶‍♂️

数年前、大学の友人2人と和歌山へ旅

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1番大切なことは授業「雪ほり」から学んだ

1番大切なことは授業「雪ほり」から学んだ

みなさんが大学の授業で1番印象に残っている講義はなんですか?

ぼくはね、「雪ほり」。

教室は新潟の豪雪地帯。自宅の雪ほりができずに困っているおじいちゃんおばあちゃん宅へ大学生が押し寄せる。シャベルを持ち上げ、エンヤコラと雪をどかし続ける。そんな3泊4日。

いや、どんな授業。冷静に謎カリキュラムすぎるが、ぼくはここで学んだことをずっと忘れない。

それは、「人のためにすることは、すること自体で

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