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これまでに読んだおすすめ本のレビューです。
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書いて生きていく プロ文章論:②【ブックレビュー】

書いて生きていく プロ文章論:②【ブックレビュー】

本記事②は、①の後編として、主に第四~七章から、書き留め置きたいトピックを挙げて紹介したい。

本書は、豊富な取材経験、取材からの執筆を手掛ける、
ブックライターであり自著も数多くある上阪徹氏による

書いて生きていく プロ文章論

出版社: ミシマ社
発売日:2010/11/26(第一刷)

感謝の気持ちを持って臨んでいますか?同じ企業に取材に行ったとしても、例えばクライアントへ取材しに行ったの

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書いて生きていく プロ文章論:①【ブックレビュー】

書いて生きていく プロ文章論:①【ブックレビュー】

この本を手にとったのは、2017年だった。

恥ずかしながらライターの端くれとして、
その世界に片足をつっこんだ年の半ばだったか。
図書館で、
「ライター」とは何たるかを捜し歩いた先に見つけたのがこの本だった。

一つひとつの見出し(質問)はシンプルながら心に響くものばかり。
いまも、思考が止まるとつい手をのばしたくなる一冊である。

本書は、豊富な取材経験、取材からの執筆を手掛ける、
ブックライ

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文章のみがき方(辰濃和男:著)②【ブックレビュー】

文章のみがき方(辰濃和男:著)②【ブックレビュー】

書き留めておきたい見出しが多く、長くなってしまったので、記事を二つに分けて紹介したい。

①はこちらから。

本書は、『朝日新聞』のコラム「天声人語」の元筆者である、辰濃和男氏による

文章のみがき方

出版社: 岩波新書
発売日: 2007/10/19(第一刷)

すでにブックレビューを書いた「文章の書き方」の姉妹編でもある。

①の記事では、目次にあるⅠ「基本的な事を、いくつか」、Ⅱ「さあ、書

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文章のみがき方(辰濃和男:著)①【ブックレビュー】

文章のみがき方(辰濃和男:著)①【ブックレビュー】

自分の文章は周りから見ると、どんな風に映っているのだろうか。
いい文章か、はたまた悪い文章か。
それを判断するのは自分だったり、周りだったり。

文章をどんなふうに磨いていくといいのだろうか。

本書は、『朝日新聞』のコラム「天声人語」の元筆者である、辰濃和男氏による

文章のみがき方

出版社: 岩波新書
発売日: 2007/10/19(第一刷)

すでにブックレビューを書いた「文章の書き方」の

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つらいことから書いてみようか【ブックレビュー】

つらいことから書いてみようか【ブックレビュー】

人はどんなときに「書きたい」と思うのだろうか。

うれしいとき?
怒っているとき?

きっと、心に大きな揺らぎがあったときに「言葉にあらわしたい」思いに駆られるのだろうか。

この本のタイトル「つらい」ときも、まさしくそう。
心に傷を負ったとき、言葉から、その人の心の動き、息遣いが聞こえてくる。

本書は、コラムニスト・毎日新聞客員編集委員である近藤勝重氏による

つらいことから書いてみようか

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「話す」は1割、「聞く」は9割【ブックレビュー】

「話す」は1割、「聞く」は9割【ブックレビュー】

「〇割」という言葉が心を揺さぶる時期があった。

書店に並ぶ、「〇割」の表紙。
いくつかのページをぺらぺらと開き、ふむ…とうなる。

これからの暮らしに役立つヒントになる言葉を探して。

本書は、インタビューライター・ブックライターである丘村奈央子氏による

「話す」は1割、「聞く」は9割

出版社: 大和出版
発売日: 2020/4/30(第一刷)

コロナ禍がつないだ本書との出会い
世界がコロ

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noteからのお知らせ【マガジン追加】

noteからのお知らせ【マガジン追加】

きのう、うれしいお知らせが届いた。

先週アップしたこの記事、

なんと、noteマガジン運営のマガジン「【ビジネス書】読書感想文」に追加されたという。

これまでいくつかの文章術・文章読本系のものをブックレビューしてきた。その中で、この1冊をお仲間に加えていただけて、とてもありがたい。

私が文章術系の本を選ぶとき、
「筆者がだれか」
というのはもちろん重要だが、
「タイトル」も気になるところ。

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必ず書ける「3つが基本」の文章術【ブックレビュー】

必ず書ける「3つが基本」の文章術【ブックレビュー】

不思議なもので、どんなことも「3つ」と言われると、スルッと頭に入ってきたりするものだ。
覚えにくいものも「3つ」という呪文にかかれば、「なんか、覚えられそう」と安易に食いついてしまう。
実に単純なものである。

本書は、コラムニスト・毎日新聞客員編集委員である近藤勝重氏による

必ず書ける「3つが基本」の文章術

出版社: 幻冬舎新書
発売日: 2015/11/30(第一刷)

文章にはこの「3つ

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20歳の自分に受けさせたい文章講義【ブックレビュー】

20歳の自分に受けさせたい文章講義【ブックレビュー】

社会人になり、いくつもの年月を越えた今。
文章と向き合う仕事をしている今。

もう少し若いころに、文章の何たるかを知るべく。
文章の奥底に少しでも近づけるべく。
時間を費やしておけばよかったな…と思うこともある。

今、私が20歳だったら。
この本を読んでみるのもいいんじゃないかな、と。
簡単なようで意外に奥深い、この本を。

本書は、株式会社バトンズ代表、フリーライターの古賀史健氏による

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文章読本(谷崎潤一郎:著)【ブックレビュー】

文章読本(谷崎潤一郎:著)【ブックレビュー】

文章読本系のジャンルをかいつまんできた。
そんななかでも、いまだ文章読本系のトップに君臨するといえる、この本。

本書は、「痴人の愛」「細雪」「春琴抄」などの作品を世に送り出し、耽美派として知られる谷崎潤一郎氏による

文章読本

出版社: 中公文庫
発売日: 1975/1/10(初版)
    1996/2/18(改版)

https://www.amazon.co.jp/%E6%96%87%

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1分で心が震えるプロの言葉100【ブックレビュー】

1分で心が震えるプロの言葉100【ブックレビュー】

その道のプロは、
どんな思いで自らの道を切り開いてきたのだろうか。
どんな思いがターニングポイントになったのだろうか。

何気ない日々を重ねるなか、
私たちは何かしら心に決め、一歩ずつ前へと進んでゆく。
ささいな選択の連続が、のちの人生を大きく変えるきっかけになる。

先人の方々の言葉を、前に進むエネルギーにできたら。

本書は、豊富な取材経験、取材からの執筆を手掛ける、ブックライターであり自著も

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聞き出す力【ブックレビュー】

聞き出す力【ブックレビュー】

人と話すとき、何となく気構えてしまうときがある。

なぜだろう?心のどこかで、うまく話さなきゃいけない…と思ってしまうのだろうか。

仕事でももちろん人に話を聞く場面はある。ただ、聞く側に徹していると、そこまででもない。「話す」「聞く」の両方を同時にするのが個人的に苦手なだけか??

…と、話は変わり。

私が聞き手に回るとき、できれば話し手に気持ち良く話してもらえたら…そう思いつつ、この本を手に

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文章の書き方(辰濃和男:著)【ブックレビュー】

文章の書き方(辰濃和男:著)【ブックレビュー】

文章を書くとき。
自分の心の内をあけっぴろげにするような感覚になり、少し気恥ずかしい気持ちになるときがある。

日頃の生活のさまを文章に綴る。
その時その時に感じた、心のひだをつまびらかにし、言葉に表す。
自分の暮らしのよしなしごとから、自分のことを丸裸にして庭先に転がしてしまっているような感覚になる。

文章を書くには、その下準備が必要である、と痛感した。

本書は、『朝日新聞』のコラム「天声人

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言葉が思いつかない人のための語彙トレ55【ブックレビュー】

言葉が思いつかない人のための語彙トレ55【ブックレビュー】

「なんだかしっくりこないんだけど」

「なんて言ったらいいのかな…」

年を重ねるにつれて、語彙力が少しずつ少しずつ削られてゆくような。

さらさらと流れる砂時計のように、静かにこぼれ落ちてゆくような。

そんな焦りがあったのだろう。図書館でフラフラしているときに、この本が目についた。

本書は、コラムニスト・毎日新聞客員編集委員である近藤重勝氏による

言葉が思いつかない人のための語彙トレ55

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