和田洋一
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「見えない資産」はなぜ見えないか
見えない資産とは、知的財産、人材、組織、ブランド等、企業価値に大きく貢献しているにも拘らず、財務諸表からは見えてこない財産のこと。
昨今、注目の的であり、包括的に論述したものとしては以下あたりが定番か(真面目な人はコチラを読んでください)。
見えない資産を考える事で、現在のビジネス、会社、経済、資本主義と、まるっと見渡すことができる、最高やないかい!
・・と思って書き始めたのだが、これが手強い
メタバース: As content, as a platform, as media
メタバースが激しくバズっている。
根拠のない期待が膨らみ過ぎ、来年あたりにはバブルが弾けるのではないか。
何も起きないまま、話題だけで地に沈むにはあまりに惜しい。
本稿は、今後も粘り強く挑戦してくれる方々のために、なぜ今メタバースが話題になっているのか、今後どのように推進すべきかにつき、少しでも解像度を上げることに貢献できればと思って書いた。
本質に迫るためには、ゲーム論を拡張するのが最も効率的と
そろそろ語ろうか(其の参)-後編
さて、前編は、広報について、あまり語る事のなかった裏事情、また、変化球的な活用の例につきお話ししました。
後編は実話をネタにしながらも、IRを中心にお話しします(後半はしくじり先生的な・・)。
広報は誰に対して発信するかが重要と指摘しましたが、IRについては何のためかを自覚する事が大切だと考えています。また、IRという単語に引きずられない事も。
そもそもIRって何?証券会社時代に最初にこの単語
そろそろ語ろうか(其の参)ー前編
2002年11月26日、都内ホテルの控え室。
合併発表記者会見まであと十数分。
一発で決めなければならない。
当時のスクウェアに対する世間の印象は「映画の失敗で破綻に瀕した会社」。
誰しも「救済合併」と書きたがる。何を話そうがこの見出しになるに決まっている。
第一声の一文だ。
TVも入っている事を逆手にとれ。意味のある第一声ならペーパーメディアも引用せざるを得ない。
記者全員が容易に記憶でき
そろそろ語ろうか(其の弐)
「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」(長い・・ので以下、FFCC)のリマスター版が発売されました。
このタイトル、実はスクウェアが任天堂と取引再開した記念碑的タイトルなんです。
これを機会に、任天堂との取引再開の経緯、また、このタイトルが実は当時のスクウェアの革新について重要な役割を担っていたことについて、書いてみます。
任天堂出禁私が着任した2000年時点でスクウェアはソニーのプ
ゲーム産業ビッグバン・5次元の捉え方
本日は、ゲームユーザーの捉え方に視座を据えてお話しします。過去は最低限に止め、現在に重点を置き、未来にも言及するというバランスになります(過去を中心に考察したエッセイが「ポスト・テレビゲーム」になります)。
ゲーム産業概観
この数値はリサーチ会社の直近の予想で、本年、世界で16兆円以上の市場規模になるであろうとされています(2019年12月現在の記述)。米国と中国はほぼ同規模であり、この二国で
5Gが切り拓くポスト・テレビゲーム時代
超⾼速・⼤容量/超⾼信頼・低遅延/超⼤量端末同時接続と、⾆を噛みそうなスローガンもようやく定着しました。しかしながら、メディアの煽りに共感できない一方で、実態にピンと来ていないので反論もままならない、というのが正直な感想ではないでしょうか。
本⽇は、5Gが⽀える新たな世界のイメージを持っていただきます。次に、我々の業界にとって何の意味があるかを掴んだ上で、⽴ち向かい⽅につき考えるヒントが提供でき
ポスト・テレビゲーム
本日は、ゲーム産業の未来をテーマにお時間をいただいております。
私見では、過去40年と今後とはやや不連続ですが、一貫する本質を理解しなければ将来を見失うので、時間は非常にタイトですが、あえて過去と未来、双方をお話しします。
本日の流れです。
まずはコンピュータゲームの定義。
ゲームに関する論説に手応えのあるものが少ないのは、考察対象が定義されていない事も一因と考えるからです。
次にこれまでの4
そろそろ語ろうか(其の壱)
2016年2月末、スクウェア・エニックスを離脱して数か月になり、これまで伝えられなかった事もお話しできる立場になりました。 証券時代16年、ゲーム時代16年と、気がつけば中々の古参。 改めて見渡すと、アーケードゲーム、家庭用ゲーム、PC、スマホゲームと全ての時代を経験し、かつグローバル展開を行っていた方がほとんどいらっしゃらない事に気づきました。
またこの間、経営者として、業界リーダーとして、数