無名の小説家

不可視の教会を心に持つ者は、そこに復活したイエス・キリストの霊の宿る者である。キリスト…

無名の小説家

不可視の教会を心に持つ者は、そこに復活したイエス・キリストの霊の宿る者である。キリストを復活させた父なる神の霊によって生きる者は、完全に自由である。が、不可視の教会を心に持たない者は、可視の教会に心身を支配される。支配しているのは人に恐れを抱かせて、奴隷とする天上の悪の霊である。

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約束の地

―― いつも喜んでいなさい。 絶えず祈りなさい。 どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。 ―― …

無名の小説家
1か月前
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自分で食べて、自分で味わえ

―― ある人々がユダヤから下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。 ―― とても単純な、あまりに単純…

無名の小説家
1時間前
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あてがいぶちの命

―― 彼らは蝮の卵をかえし、くもの糸を織る。 その卵を食べる者は死に 卵をつぶせば、毒蛇が飛び出す。 くもの糸は着物にならず その織物で身を覆うことはできない。 ――…

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不可視の教会

―― かの日には、わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる。わたしの掟を受け入れ、それを守る人…

無名の小説家
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かみおもふ、ゆえにわれあり

―― 神想う、ゆえに我あり ―― 彼の「ゲッセマネの祈り」を聞き及んでより、ことあるごとに、それについて考えさせられて来たものである。が、今この時ほど強く、思いを…

無名の小説家
1か月前
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命をかけた祈り ③

―― さあ、立て。ここから出かけよう。 ―― 事の詳細はだれに問われても語らず、なにを引き換えにしてもけっして口外することもなければ、たとえこの世の富と繁栄のすべ…

無名の小説家
1か月前
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わたし、わたし自身のために...

―― わたし、このわたしは、わたし自身のために あなたの背きの罪をぬぐい あなたの罪を思い出さないことにする。 わたしに思い出させるならば 共に裁きに臨まなければな…

無名の小説家
1か月前
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産めよ、増えよ、地に満ちよ

―― 神はノアと彼の息子たちを祝福して言われた。 「産めよ、増えよ、地に満ちよ。…」 ―― 「もしもモーセやイザヤよりもお前に愛されている、この俺の言っていること…

無名の小説家
2か月前
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イエス・キリストの福音 ②

―― そして、天使はわたしにこう言った。「これらの言葉は、信頼でき、また真実である。預言者たちの霊感の神、主が、その天使を送って、すぐにも起こるはずのことを、御…

無名の小説家
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イエス・キリストの福音 ①

―― わたしは、その方を見ると、その足もとに倒れて、死んだようになった。すると、その方は右手をわたしの上に置いて言われた。 「恐れるな。わたしは最初の者にして最後…

無名の小説家
2か月前
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復讐の預言、励ましの預言 ②

―― エフェソにある教会の天使にこう書き送れ。 『右の手に七つの星を持つ方、七つの金の燭台の間を歩く方が、次のように言われる。 「わたしは、あなたの行いと労苦と忍…

無名の小説家
2か月前
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復讐の預言、励ましの預言 ①

―― イエス・キリストの黙示。この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストにお与えになり、そして、キリストがその天使を送って僕ヨハネ…

無名の小説家
2か月前
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愚かな金持ちたち ③

―― しかし、何処からともなく、誰が、お宮に上げるものか、毎晩、赤い蝋燭が点りました。昔は、このお宮にあがった絵の描いた蝋燭の燃えさしを持ってさえいれば、決して…

無名の小説家
3か月前
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愚かな金持ちたち ②

―― 神の人がエリのもとに来て告げた。「主はこう言われる。あなたの先祖がエジプトでファラオの家に服従していたとき、わたしは自らをあなたの先祖に明らかに示し、わた…

無名の小説家
3か月前
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愚かな金持ちたち ①

―― 「ある金持ちの畑が豊作だった。金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きい…

無名の小説家
3か月前
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赤い蝋燭と人魚

―― 作  小川未明   文  無名の小説家 ―― 人魚は、南の海にばかり棲んでいるのではありません。北の海にも棲んでいたのであります。 ある時、岩の上に、一疋の…

無名の小説家
3か月前
2
約束の地

約束の地


――
いつも喜んでいなさい。 絶えず祈りなさい。 どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。
――

黒暗暗たる苦悩の中で、なんどもくりかえした。

かの若き日に、聖書なんか、手に取らなければよかった、

偽善と欺瞞の教会の門なんぞ、くぐらなければよかった、

腐敗と堕落のユダヤ教キリスト教だのいう世界のいっさいに、関わるべきじゃなか

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自分で食べて、自分で味わえ

自分で食べて、自分で味わえ

――
ある人々がユダヤから下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。
――

とても単純な、あまりに単純な筆遣いをもって、これまでなんどとなく確言して来たことと同様の事柄を、ここにふたたびはっきりと書き記しておくものである。

すなわち、

死人を復活させることのできる神にせよ、罪を赦す権限を持った神にせよ、いったい「神」なる存在とは、自

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あてがいぶちの命

あてがいぶちの命

――
彼らは蝮の卵をかえし、くもの糸を織る。
その卵を食べる者は死に
卵をつぶせば、毒蛇が飛び出す。
くもの糸は着物にならず
その織物で身を覆うことはできない。
――

バカはあてがいぶちの教育を修了すれば、それでよしとする。
バカはあてがいぶちの報酬を得ていれば、それで満ち足りる。
バカはあてがいぶちの預金年金にしがみついて、それで生き長らえようとする。
バカはあてがいぶちの憲法を押し頂いて、そ

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不可視の教会

不可視の教会

――
かの日には、わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる。わたしの掟を受け入れ、それを守る人は、わたしを愛する者である。わたしを愛する人は、わたしの父に愛される。わたしもその人を愛して、その人にわたし自身を現す。
――

こんな日が自分の人生の上に訪れるとは思ってもいなかった。目に映るところはすべて神に対する疑いと怒りと憎しみしか

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かみおもふ、ゆえにわれあり

かみおもふ、ゆえにわれあり

――
神想う、ゆえに我あり
――

彼の「ゲッセマネの祈り」を聞き及んでより、ことあるごとに、それについて考えさせられて来たものである。が、今この時ほど強く、思いを馳せたこともなかったかもしれない。それと同じぐらい、同じ彼による「十字架上の死」についても。

先に結論から述べてしまうが、これらはいずれも、すべて、現在進行形の話であるということだ。

すなわち、なにひとつとして、「すでに終わった話」

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命をかけた祈り  ③

命をかけた祈り ③

――
さあ、立て。ここから出かけよう。
――

事の詳細はだれに問われても語らず、なにを引き換えにしてもけっして口外することもなければ、たとえこの世の富と繁栄のすべてを与えてやろうと迫られても、ぜったいに譲歩することはしない、

ただし、私はかつて、大きな罪を犯した。

ここで「罪」というのは、ただ単に、選択の間違いとか、決断の失敗のことを示唆しているばかりであり、まかり間違っても、いわゆるこの時

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わたし、わたし自身のために...

わたし、わたし自身のために...

――
わたし、このわたしは、わたし自身のために
あなたの背きの罪をぬぐい
あなたの罪を思い出さないことにする。
わたしに思い出させるならば
共に裁きに臨まなければならない。
申し立てて、自分の正しさを立証してみよ。
――

今は昔の話として語りうる事柄となったから語るものであるが、かつて、私の愛した人はある者によって奪われた。

その者は、私の愛する人に対しても、私に対しても、大きな罪を犯した。

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産めよ、増えよ、地に満ちよ

産めよ、増えよ、地に満ちよ

――
神はノアと彼の息子たちを祝福して言われた。
「産めよ、増えよ、地に満ちよ。…」
――

「もしもモーセやイザヤよりもお前に愛されている、この俺の言っていることが間違っているのならば、さっさと殺せ。 地震や津波で命を失うべき同胞の代わりに、この俺を殺せ。同胞はお前について、こんなふうに口汚く罵ったりしない。だがこの俺は、なんのためらいもなくお前を罵る――だから、お前の名前が憐れみでないならば、

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イエス・キリストの福音  ②

イエス・キリストの福音 ②

――
そして、天使はわたしにこう言った。「これらの言葉は、信頼でき、また真実である。預言者たちの霊感の神、主が、その天使を送って、すぐにも起こるはずのことを、御自分の僕たちに示されたのである。見よ、わたしはすぐに来る。この書物の預言の言葉を守る者は、幸いである。」
…また、わたしにこう言った。「この書物の預言の言葉を、秘密にしておいてはいけない。時が迫っているからである。不正を行う者には、なお不正

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イエス・キリストの福音  ①

イエス・キリストの福音 ①

――
わたしは、その方を見ると、その足もとに倒れて、死んだようになった。すると、その方は右手をわたしの上に置いて言われた。
「恐れるな。わたしは最初の者にして最後の者、また生きている者である。一度は死んだが、見よ、世々限りなく生きて、死と陰府の鍵を持っている。さあ、見たことを、今あることを、今後起ころうとしていることを書き留めよ。あなたは、わたしの右の手に七つの星と、七つの金の燭台とを見たが、それ

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復讐の預言、励ましの預言  ②

復讐の預言、励ましの預言 ②

――
エフェソにある教会の天使にこう書き送れ。
『右の手に七つの星を持つ方、七つの金の燭台の間を歩く方が、次のように言われる。 「わたしは、あなたの行いと労苦と忍耐を知っており、また、あなたが悪者どもに我慢できず、自ら使徒と称して実はそうでない者どもを調べ、彼らのうそを見抜いたことも知っている。 あなたはよく忍耐して、わたしの名のために我慢し、疲れ果てることがなかった。 しかし、あなたに言うべきこ

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復讐の預言、励ましの預言 ①

復讐の預言、励ましの預言 ①

――
イエス・キリストの黙示。この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストにお与えになり、そして、キリストがその天使を送って僕ヨハネにお伝えになったものである。ヨハネは、神の言葉とイエス・キリストの証し、すなわち、自分の見たすべてのことを証しした。この預言の言葉を朗読する人と、これを聞いて、中に記されたことを守る人たちとは幸いである。時が迫っているからである。
――

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愚かな金持ちたち  ③

愚かな金持ちたち ③

――
しかし、何処からともなく、誰が、お宮に上げるものか、毎晩、赤い蝋燭が点りました。昔は、このお宮にあがった絵の描いた蝋燭の燃えさしを持ってさえいれば、決して海の上では災難に罹らなかったものが、今度は、赤い蝋燭を見ただけでも、その者はきっと災難に罹って、海に溺おぼれて死んだのであります。……
船乗りは、沖から、お宮のある山を眺めて怖れました。夜になると、北の海の上は、永(とこしえ)に物凄うござい

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愚かな金持ちたち  ②

愚かな金持ちたち ②

――
神の人がエリのもとに来て告げた。「主はこう言われる。あなたの先祖がエジプトでファラオの家に服従していたとき、わたしは自らをあなたの先祖に明らかに示し、わたしのためにイスラエルの全部族の中からあなたの先祖を選んで祭司とし、わたしの祭壇に上って香をたかせ、エフォドを着せてわたしの前に立たせた。また、わたしはあなたの先祖の家に、イスラエルの子らが燃やして主にささげる物をすべて与えた。あなたはなぜ、

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愚かな金持ちたち  ①

愚かな金持ちたち ①

――
「ある金持ちの畑が豊作だった。金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、こう自分に言ってやるのだ。「さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と。』 しかし神は、『愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意

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赤い蝋燭と人魚

赤い蝋燭と人魚

――
作  小川未明  
文  無名の小説家
――

人魚は、南の海にばかり棲んでいるのではありません。北の海にも棲んでいたのであります。

ある時、岩の上に、一疋の人魚があがって、あたりの景色を眺めながら休んでいました。
雲間からもれる月影が、海の面をさびしく照らして、どちらを見てもはてしない、物凄いような青い波がうねうねと動いているばかりでした。

なんという淋しい景色だろう、と人魚は思いまし

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