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ジョン・カサヴェテスについて
(初出:映画の呪い日記 2007年)
1. カメラと戦った男
ジョン・カサヴェテスは、ニューヨークで最も早い時期にニュー・アメリカン・シネマ(撮影所の外で撮られたインディペンデント・フィルム)を撮った俳優・映画作家であり、その作品の特徴は「即興」である。1958年に完成した初監督作、「アメリカの影」の最後に誇らしげに掲げられた宣言、「この作品は即興的演出(インプロヴィゼーション)によって完
映画「ナポレオン」に見るキャラクターの向きの重要性(ネタバレあり)
まえがき
映画制作において意外と知られていないのが左右の向きの関係性です。
実は進行方向やキャラクターの位置、向きなどが心理的に及ぼす影響は左右で違っており、優れた映画監督はこれを使い分けています。
映画を楽しむモードで観ていたのでそんなにきっちりした分析ではないですが、記憶を頼りに、今回左右がどのように影響していたのかを考えてみたいと思います。
※なお、左右の持つ意味は他の要素とも絡み合って決
7時間ワークショップのレポート『役の人物の目で世界を見る・役の人物として感じる』
小林でびです。
先日、都内某所で2日間にわたる7時間の演技ワークショップ『役の人物の目で世界を見る・役の人物として感じる』を開催しました。
総勢20名の俳優さんが参加してくれて、2時間の座学と1時間のエクササイズ、4時間の演技、さらに3時間の打ち上げで、約10時間!(笑)延々と芝居について盛りあがり続けました。楽しかった!
今回はそのWSのレポートと、後半の有料部分ではWS参加者に配布した「門外
演技・演出についてのメモ書き
自分が役に立つと思った記事のリンクや備忘。
スタニスラフスキーとそこから派生したリー・ストラスバーグ、ステラ・アドラー、サンフォード・マイズナーの3通りのメソッドについて
サンフォード・マイズナーが提唱するレペテションについて
監督が俳優に何を求めているか、何を求めるべきか、という話。
映画の演技史②「1930年代~2010年代の演技法の変化(前編)」
第2回です。
今回は映画における演技法の歴史・・・どんな時代にどんな演技法をマスターした俳優たちが現われて観客を魅了したのか!を、映画の演技史年表と共に一緒に見ていきましょう。
映画は時代を映す鏡。昔の白黒映画、たとえば小津安二郎監督や成瀬巳喜男監督の映画とかを観てて、白黒映画独特の演技ってあるよなあ~と感じたことはありませんか? ありますよね、あの不思議な感じw。 でもそれは俳優の個性ではなく
無名の俳優が最短でオーディションを突破する方法(後編)
前回のおさらい前回こちらでなぜオーディションを突破すること、むしろ呼ばれることが難しいのかをご説明しました。
では傾向がわかったので次は対策です。
実力を覆せる(かもしれない)唯一の武器、演技動画。はい、いきなり結論です。映像資料です。
実力として書ける作品がなくても、演技動画なら見てもらえる可能性があります。そしてそれがよければオーディションで見てみたいな、という可能性も上がります。
プロフ
映画制作・脚本・俳優部向けおススメ書籍
ワークショップなどでどういった本を読めばいいですか、と聞かれるのでおススメ本をまとめます。
脚本を書く脚本家さんだけでなく、それを映像化して演出する監督、演じる俳優部さんまで、知っておかないといけない共通言語だと思っていますし、知っているだけで脚本読解の質・スピードが飛躍的に向上します。
ハリウッド式の脚本術をベースにしています。
随時追加します。
キャラクターについての本対立・葛藤類語辞典 上
『偶然と想像』の「偶然」が俳優の芝居に火を点ける。
ベルリン映画祭銀熊賞『偶然と想像』年末に観にいってきました!
満員の客席は年齢層高め、上品な老夫婦カップルも多かったんですが、始終笑い声が上がっていていい雰囲気でした。
『偶然と想像』は『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介脚本監督による「偶然」をテーマにした3本の短編オムニバスです。121分間ただただ「刻一刻と変化する人間関係」が描かれている会話劇なんですが、これが意外にも超エキサイティングだった