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40代、男性。映画レビュー、映画情報を中心に発信していきたいと思います。

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「yes but法」は使えない

日曜洋画劇場での「さよなら、さよなら、さよなら」で有名な、映画評論家・淀川長治氏の言葉に以下がある。 どんなにつまらない映画でも、一つくらい印象的なシーンや好きなシーンはあるもので、だから、淀川氏の言葉に共感する。 また同時に、「一つくらい褒めるところがある」という考え方は、対話ということに対しても思うことである。 「yes but法」ではなく「praise and法」対話法として、古くから言われる一つに「yes but法」がある。これは、相手の意見、特に自分とは反対意

    • なぜメロスは激怒したのか?

      小学生の頃、国語の授業が好きではなかった。 それは、教科書の小説や説明文を読んで、自分が感じることと、授業における「正解」が異なることが多かったためである。自分が感じたことと異なる解答をテストではしなければならない。そういうことに対して、子どもながらにストレスを感じていたのだと思う。 今、小学校でどのような国語の授業が行われているのかわからないが、自分が小学生の頃を思い返すと、国語の授業というのは演繹的だったと思う。そして、それがストレスだったのだと思う。 メロスが激怒

      • 「天才の壁」の向こう側

        テニス観戦が好きで、ここ二週間は、時間があえば全仏オープンの試合を幾つか見ていた。 昨日、男子シングルスでラファエル・ナダルが優勝した。これでグランドスラム(プロ・テニスで最も権威ある4大大会)で史上最多22回目の優勝となった。 決勝はナダルの圧倒的な試合だったけれど、準決勝と準々決勝は見応えのある試合だった。そして、この選手は、本当に凄い人だなと改めて思った。 努力の人・ナダル昔、サンプラスという名選手が最強だった時代、彼が打ち立てたグランドスラム優勝14回は、今後打

        • 「忙しい人」は怠けている

          名作揃いのスティーブン・スピルバーグ監督の作品の中でも、インディ・ジョーンズ・シリーズ第一作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年)は、エポックメイキングな作品だと思っている。 なぜかというと『レイダース』は、ノンストップ・アクション映画という新しいジャンルを作り出した作品だからである。『レイダース』以前も、ハラハラ・ドキドキのアクション映画はあったけれど、『レイダース』はテンポが何段階も早く、まさに息つく暇がない。 『レイダース』以降多く作られることになるノ

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          AIに仕事を奪われても失業はしない

          ここ数年、AIという言葉が多く用いられるようになった。 AIに関連する仕事を複数経験した身からすると、AIじゃないこともAIと呼ばれていたり、何でもかんでもAIな風潮に違和感を覚えることもあるが、AIは流行語みたいなものと思うことにして、気にするのを止めた。 ただ、時折言及される「AIが人間の仕事を奪う」に対しては、その言葉だけだと誤解を生むと感じている。 AIと人間の脳現在、AI(人口知能)と呼ばれているもののほとんどは機械学習である。ただ、AI=機械学習ではなく、A

          AIに仕事を奪われても失業はしない

          「かわいい」と言われて喜ばない女性はいない

          以前、知り合いの女性に、 「綺麗や美人と言われて嫌な気持ちになる女性はいる。だけど、かわいいと言われて喜ばない女性はいない」 と言われたことがある。 綺麗や美人は外見だけを褒めており、こじらせ女子だと「どうせ私なんて…」になって話がこじれていく。性格がひん曲がってる人は「内面はダメってことね!」となる。フェミニストだと「女性を見た目で評価する差別主義者!」と罵られる。 けれど「かわいい」だったら、内面も外見も含めた総合的な評価になる。 だから「かわいいと言われて喜ば

          「かわいい」と言われて喜ばない女性はいない

          なぜ最近のヒット映画は上映時間が長いのか?

          先日、『トップガン マーヴェリック』(2022年)を映画館に観に行った。 歳を重ねても変わらぬカッコよさのトム・クルーズに、『紅の豚』風にいえば「カッコいいとは、こういうことさ」な感想を抱きつつ、この作品も上映時間は2時間超えなのだなと思った。 長尺映画のヒットが目立つ2021年の北米映画興行ランキングTOP10のうち、7本は2時間超えになっている。 2022年になってからも、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は約2時間半、『THE BATMAN-ザ・バットマン-

          なぜ最近のヒット映画は上映時間が長いのか?

          仕事をしない人は会議をしたがる

          デンマーク映画『THE GUILTY ギルティ』(2021年)は、警察の緊急通報指令室で、主人公のオペレーターが誘拐殺人事件を解決する様子が描かれる。 事前の予告にあったドンデン返しは、早めに予想がつく展開で、そこに驚きは少なかったけれど、シチュエーション物として緊迫感もあり、展開も早く楽しめる作品だった。 また、この作品が面白いのは、電話のみで事件解決が行われるという点で、カメラは緊急通報指令室から一歩も外に出ない。この作品を観ている観客は、主人公のオペレーターが行う電

          仕事をしない人は会議をしたがる

          タタリ神になんかなりたくない!

          先日、札幌市の地下鉄で、陸上自衛隊員が18歳の男子高校生に暴力を振るったことがニュースになっていた。 暴力を振るった理由は、陸上自衛隊員の同僚が「体の不自由な人」や「妊婦」などを利用対象とする専用席に座っており、それを男子高校生に注意され腹を立てから、ということだった。 こういうニュースを見ると、怒りのコントロールの必要性ということを思う。 タタリ神の怒り怒りのコントロールということで思い出す映画に、ジブリの人気作品『もののけ姫』(1997年)がある。 『もののけ姫』

          タタリ神になんかなりたくない!

          KY、チョベリバ、そしてSDGsと寅さん

          仕事や日常の会話において、またはニュース記事で、カタカナ語やアルファベット略語を目にすることが多くなった。 SDGs、LGBTQ、ADHD、コンプライアンス、アカウンタビリティ、フィジビリティ・スタディ…など数多い。 こういう言葉を見たり聞いたりすると「カタカナとかアルファベットじゃなくていいじゃないか」という思いを抱く。 90年代~2000年代の略語このようなカタカナ語やアルファベット略語は、90年代~2000年代、「チョベリバ(=超ベリーバッド、最悪)」「アウトオブ

          KY、チョベリバ、そしてSDGsと寅さん

          習慣化は目的を達成しない

          習慣化について書かれたビジネス本をよく見かける。また、自分の周りにも何かを習慣化したいという人がいる。 習慣化を目指して頑張ろうという人を否定する気持ちはないが、そういう人の話を聞くと、果たして本当にそれは習慣化を目指しているのだろうか、と疑問に思うことがある。また、習慣化を目指す以上、恐らく習慣化は上手くいかないのだろうなと思う。 習慣の意味習慣化は上手くいかないというのは、様々な習慣化について書かれた本が出版されていることからもうかがえる。習慣化が上手くいくのであれば

          習慣化は目的を達成しない

          豚カツはご飯に合わない?

          先日、外出先での会議後、一緒に会議に参加した若い男性社員とランチをとることにした。 とんかつ屋が目に入り、その店に入ることにした。それぞれ定食メニューを注文する際、彼が「ご飯抜きにしてください」と店員に頼んでいた。 彼は肥満というような体系ではなく、むしろ痩せ細っているように見える。とてもダイエットしているとは思えない。不思議に思ってなぜご飯抜きにするのか尋ねると「豚カツってご飯に合わないと思うんですよ」という返事だった。 「豚カツはご飯に合わない」の衝撃彼の言葉を聞い

          豚カツはご飯に合わない?

          三谷幸喜と無人島ジョーク

          三谷幸喜脚本の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』はこれまで何度か見たが、あまり面白いという印象がなかった。 昨日の放送時、時間があったので見ようかと思ったけれども、楽しめる期待感もなく、見るのを止めた。 三谷幸喜脚本のドラマは未見の作品が多いため、映画作品を対象にして言うと、期待感はどんどん薄まっている。特に、近頃の三谷幸喜作品は安易だという印象を持っている。 三谷幸喜の作品パターン近頃の作品は安易と思う理由の前に、三谷幸喜の作風について触れていくと、まず、作品(映画が対象。

          三谷幸喜と無人島ジョーク

          デートのマナーは爪を切ること

          NHKの番組に出演したマナー講師・平林都氏が、番組内で厳しい指導を行いスタッフを泣かせたとして、ニュース記事になっている。 彼女のことは、YouTubeのエガちゃんねるで見たことがあったので知っていた。 エガちゃんねるでも、彼女は江頭2:50に対して厳しい指導を行っていた。そのため、今回ニュースになったNHK番組は見ていないが、番組内で行った厳しい指導というのは大体想像がつく。 マナーを教える立場にありながら、マナーが伴っていない言葉や態度、もしくは下品ともとれる言動に

          デートのマナーは爪を切ること

          冤罪と裁判官の主観による合理性

          金曜ロードショーで『ショーシャンクの空に』(1994年)をやっていたので、数年ぶりに観た。 人気の高い作品というのが頷ける、相変わらずの名作だなと思った。 『ショーシャンクの空に』は、無実なのに終身刑になった元銀行家アンディが主人公となり、希望の大切さや友情の素晴らしさを教えてくれる。 また同時に、無実に関わらず人の自由を奪う冤罪というのは、とてつもなく罪が重いことだとも感じる。 冤罪を描いた映画『ショーシャンクの空に』は、希望や友情がメイン・テーマの作品であり、より

          冤罪と裁判官の主観による合理性

          「選挙で投票しない」は誠実

          今夏の参院選が近づき、選挙関連のニュースをちらほら目にするようになった。 これから夏の投票日まで、選挙関連のニュースは増えていくのだろうと思う。 それらニュースに目は通すけれども「選挙で投票する」という行為について否定的に捉えているため、今夏の選挙でも投票はしない予定である。 投票しない理由選挙に対して、投票率が低いことが問題視されることがある。 数年前、投票しない人の理由を聞いたアンケートでトップ回答だったのが「誰に投票すればいいかわからない」というものだった。この

          「選挙で投票しない」は誠実