- 運営しているクリエイター
#自伝的小説
Art of Life I:生きるための遺書 第一部 前編
これは、ある数奇な運命を課せられた一人の男の、魂の遍歴の物語である。それは果たして架空のものであるか、はたまた作者自身の実体験であるのか、その判断は読者の慧眼に委ねたい。
作者として私がただひたすらに願うのは、この物語が一個の独立した芸術作品として美的に享受せられ、もって読者の胸の内に、私に対する理解と愛が育まれる一助となることに他ならない。
第一部序章 別れの秋
源氏物語における最も重要な
【文学作品】Art of Life I:生きるための遺書 第一部 後編
本稿は拙作『Art of Life I:生きるための遺書』第一部後編です。前編は以下の記事にてお読み頂けます。
第八章 天国のようなところ
祖父にとって唯一の同性の孫であった私は、祖母にとっては唯一の異性の孫だった。祖父と同様、祖母もまた孫たちを隔てなく愛してくれたが、自身で男の子を育てた経験のない祖母にとっては、私が示す表情や仕草の一つ一つが新鮮に感じられ、特に強く印象に残る部分はあったかも
サマセット・モーム著『人間の絆』を読んで
上下巻合わせて1,200ページを超える大作をやっと読み終えた。しかし、残念ながらこの小説を面白いと感じることが、私には最後までほとんど全くできなかった。
主人公のフィリップをはじめ、どの登場人物にも、人間としての魅力や親しみを感じることができなかった。
モームを知ったきっかけは『月と六ペンス』だった。特別な才能と強烈な個性を備えた画家チャールズ・ストリックランド、様々の意味で規格外の人物を描い