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エッセイ

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日々のことや、暮らしを通して感じたことを綴っています。
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秋の始まり

秋の始まり

連なった山が遠くに続いている
あの窓から見える風景を思い出す。

秋の訪れはいつも、
つん、と澄んだ空気を纏っている。
囲まれた山々から木々や土の匂いが運ばれてきて、緑が染み付いた新鮮な匂い。

8月よりも薄くて淡い水色をした空は、どこか高く見える気がして。
1.2.3と数えて空気を目いっぱいに吸い込む。
肺に柔らかく広がる、ほんの少しの冷気を含んだ空気。

わたしの秋の記憶、育った街。

退路を断ちつつセーフティネットを作る

退路を断ちつつセーフティネットを作る

人生において、ぜったいに叶えたい目標があるし、夢がある。
ぜったいにそれ以外の選択肢を考えることができないので、人生における全ての選択肢を"そのためだけ"に注いで生きている。

地位も名誉も要らないし、それさえ叶うのならば手の中にあるもの全て捨てても構わない。

それくらい、1つのことだけに注いで生きているし、逆を言えばそれ以外の事象や他人には殆ど期待をしていないので、いつでもすぐに、手放すことが

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うれしいかなしい、ああそっか

うれしいかなしい、ああそっか

最近、うれしかったことと、かなしかったことを記しておく。

ここ数ヶ月、特に他人と関わる機会が多くて、色々な話をした。
さまざまな場所へ行ったし、居酒屋で深夜まで語らいあった。
そのときに、痛いほど突きつけられたのは、わたしの知識はあまりにも、偏りすぎているということ。
日本の大半に行ったことがなくて、アニメも漫画も小説も、映画も全然知らなくて、
何を語っても知識が浅く、会話についていけない。

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いつだって、主人公

いつだって、主人公

今が人生の何章目かな、なんてよく考える。
わたしは、自分のこういった強気なところがすきなのだけど、わたしが心の底から焦がれている方が、全く同じことを言っていたので、割とよくある考えらしい。

18歳で生まれてはじめて、自分の意思で何かを選んで、捨てて、取り戻して、そうやって人生をスタートさせてから、今、5章目に区切りがつこうとしているのだと、なんとなくわかっている。

わかっているからこそ、やり残

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【#特に意味もなく徒然を】東京しかない/離れてゆくひと、もの、ことに思いを馳せる夜

【#特に意味もなく徒然を】東京しかない/離れてゆくひと、もの、ことに思いを馳せる夜

東京しかないわたしには東京しかない。
なんてここ最近は思ったりしている。
旅先へ行っても、そこには当たり前にわたしの居場所はなくて。
その地に生活の根を張ることもできない。
すれ違う人たちはきっと、殆どがその街の住人で、そこで生きている。
ふとその事実に気がついたときに、あまりの孤独さに息がうまく吸えなくなって、その場にしゃがみ込んでしまいそうになる。
だから東京駅以外の都会は、好きではない。

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わたしはそんなに強くない

わたしはそんなに強くない

2022年、5月18日のメモをここに綴っておく。

わたしはそんなに強くないし
いつだって自分のために生きてる
それをあまり表面的には理解されにくくて
ある意味都合が良いのかもしれないのだけど
むしろしんどさを感じることが多くて。
期待や希望ばかり向けられてもその差異があるわけで。
自己実現とか承認欲求とか程遠い感覚なので。
世界には自分しか常にいないわけで。
ひどく自己中心的なわけで。

でもそ

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退屈を無くすために今日も

退屈を無くすために今日も

2022年、4月某日のメモを残しておく。

ここ最近はめっぽう、心の中の口癖はいつも決まって、「つまんない」だ。
そんな毎日を送っている。

面白くない日常が退屈で、その気持ちだけでここまで積み重ねて生きてきたのに、今は過去の自分の作り上げてきたものや築いてきたものですら、つまらないと思ってしまっている。

非常に退屈で仕方ない。うんざりだ。

仕事も忙しく、友人もいる。むしろ休日は自動的に予定が

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20代前半、叶えたい夢や希望に溢れてきらきらとしていて。
次第に、歳を重ねるたびに話題も現実味を帯びて、別のしあわせを見つけて生きていく友人を幾人も見てきて。

いつだって、きみがしあわせならそれでいい。それだけなのだけど、なんだかやっぱりさみしいや。どこまでいっても、やっぱり、

大丈夫、を重ねる旅

大丈夫、を重ねる旅

とうとうごはんが食べられなくなった。
食欲が全く湧かない、食べることが日々の中での最たる楽しみだと言っても過言ではないのに。

特に自分の作った料理を食べることができない。
自炊をすることで心の平穏を保ち、生活を整えているくらいに、自炊をすることに重きを置いている。
にも関わらず、自分の作った料理ですら口にできないのだ。
この状態が続いてしまうと、あまり宜しくないなと経験則上、わかっているのだ。

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59分の周回旅

59分の周回旅

山手線の1周は59分らしい。
そして、いま私は山手線を1周している。

山手線の窓から見える景色が好きだ。
移りゆく街並みや、街ごとに異なる空気感、乗り合わせた人の行き先について思いを馳せる時間。
何をとっても、「自由」だなと思う。
何をしても、許容されるような無関心さ。
大抵、路線によって人間の雰囲気は分かれるのだけれど、山手線は入り混じっている。
老いも若いも、豊かも貧しさも、性別すらカテゴラ

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半径5センチの世界を掬うような

半径5センチの世界を掬うような

先日起こった、小田急線の事件だったり、某市長がオリンピックメダリストの、メダルに噛み付いたり、あまりにも色々なことが起こるので、ただただ苦しい。

Twitterのタイムラインでも多くの女性インフルエンサーが声をあげていて、今回の事件が女性に与えた不安や憤り、やるせなさなど行き場のない感情を目の当たりにしている。
同様に、毎日ただただ考えている。
数年前、自分が学生だった時の話。
わたしは当時から

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心地よい「住」探し

心地よい「住」探し

家を見ることがすきだ。
歩きながら、家の形や庭などから見知らぬ他人の生活に思いを馳せることもすきだし、リビングの灯りを見るとなぜだか心がすこしだけあたたかくなる。

あとは、賃貸情報も。
そろそろ契約更新の時期だから、最近はひたすらにインターネットで物件サイトを漁っている。
今住んでいる家を決めるのにも、3か月ほどかかった。閲覧した物件数は恐らく300件以上。
回った不動産屋も10カ所弱。
内見に

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記憶の中で

記憶の中で

仕事が終わって、昨夜のうちから予め、切っておいた材料を鍋に入れてひたすらに煮込む夜21時。

「もつ鍋はくたくたのほうがいいんだよ、
もう少し火をつけときな」と先日、
福岡に行ったときに教えてもらった知らないお兄さんの顔を思い出す。

自分の知らないことをだれかに教えてもらった記憶を、わたしはいつも、いつまでも、宝物のように、なぞりつづける。

朝帰りの始発の中、わたしに色々な音楽や世界のことを教

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