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#孤独

君に贈る詩 《詩》

君に贈る詩 《詩》

「君に贈る詩」

君は詩なんか読まない

僕の書いた文字は透き通っていて

君の瞳には映らない

窓からは低くたれこめた
暗い雲が見えた

そうかもしれない 

僕は口に出してそう言った

僕がペンを持った瞬間に
言葉は消えて無くなってしまう

詩を読む様に独り言を呟く

君は詩なんか読まない

静かに雨が降りはじめた

Photo : Seiji Arita

水平線 《詩》

水平線 《詩》

「水平線」

果てしない偶然性が積み重なり
今が形成される

理論や整合的な説明は出来ない

全ては其の偶然性に支配されている

其れを必然と呼ぶのかもしれない

其処には
言葉に出来る何かは存在しない

言葉に出来ないものの中に
潜む自己規定

幾つかの街が通り過ぎ 

鏡の中にお前を見る

深い夜と静けさが永遠に続き

時を刻み命と死が交差する

誰にも
解き明かせない唯一が此処にある

俺と

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邪悪な光 《詩》

邪悪な光 《詩》

「邪悪な光」

悲観的な色あいを帯びた幻想と

攻撃的な響きを持つ光が仄かに漂う

表に現れているのは 

ただの見せかけに過ぎない 

徹底された秘密主義 

歪んだ鏡が映し出す

恐ろしく執拗な性質を持つ陽の光

何かの始まりを意味するもの

もう全ての時が動き始めている

その光に恐怖し逃げ出した人々

次第に力を増す
その邪悪な光に眼を背けた

そして誰ひとりとして居なくなった

僕ひとり

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愛の言葉 《詩》

愛の言葉 《詩》

「愛の言葉」

何処まで行っても現実は付いてくる

自分の影と同じ様に

風が闇を斬る音

其の風は

僕の知らない所からやって来て

僕の知らない所に向かい
吹き過ぎてゆく

忘れかけた愛の言葉 

海の様に広いベッド

其処には用途を失った

言葉が雑然と散らばる

遺書 《詩》

遺書 《詩》

「遺書」

淡い色調の風景が淡々と
場面の転換も無く続く

切れ目なく流れる

エンドレスミュージックの様に

深い本心を語る彼女の穏やか声 

そして遺書

心に抱えた小さな地獄に感謝した

それを知らない人には
小さな幸せに気付けない

奇妙な空白に名前の無い風が吹く

覚醒の手掛かりを失った夢

深く椅子に腰掛け 

片足を切落とされた
幻覚の中で未来の夢を見ていた

古い手紙や日記 写真ア

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新月 《詩》

新月 《詩》

「新月」

髪に触れ首筋に沈めた

視線を彷徨う溺れゆく星ひとつ 

唇で君を感じられないのなら

震える手で触れた夜の終わり 

新月を待つ

跡形もない完璧な孤独をください 

何も見えない硝子の瞳をください

それでも 僕はまだ

夢を見たんだ煌めく夢を

愛しい人へ この夜に歌う  

捧げるものは何もなくても

黒い華 《詩》

黒い華 《詩》

「黒い華」

サヨナラを告げた黒い華の香

悪の血を流すピエロ

お前の欲望に満ちた血を
この皿に垂らしてくれないか

胸に抱いた
幾千ものナイフに映る孤独

背中に立てた爪 

儚い恋夢が目に染みる宵

溢れる太陽に似たお前の汁と血を
塗りつけた熟れた猥褻

舞い降りた神が月を満たす

お前の中で溺れる夜の果て

粘膜で覆い尽くされた闇夜の葬列

鏡の中の老婆が嘲笑い手招きをする

蒼い孤独と狂

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沈黙 《詩》

沈黙 《詩》

「沈黙」

孤独の中に属された
重い記憶が囁きかける

僕等は生き続ける意志を探す

語りかけた沈黙 

いつか失われて消えていくはずの
風だけが吹いてる

誰もが皆 

静かに死に向かい

死が僕等を迎えに来る

探していたものは何ですか

それは見つかりましたか

性別を超えた優しい光

優雅にも感じるその微笑み

魂の繋がりと絆 生死を超えた概念

答えはきっと僕等の心の中にある

僕は ま

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不死鳥 《詩》

不死鳥 《詩》

「不死鳥」

時の檻 

繋がれた鎖 呪縛 

天高く舞う不死鳥

お前が囁く 
刻まれた記憶の中で

研ぎ澄まされた感情  

胸に抱き 孤独を彩る

幻覚に口づけて拾い集めた最後の涙

今も息づく解き放たれた想い 

俺の身体を貫く

傷ついた心 濡らす雨

麻薬に似た眠りの中

何かに追われる様に書き殴る

燃える血を吐き出し乱れ飛ぶ

想いは朝を迎えて序章となり
物語は始まる

窓の外の初秋 《詩》

窓の外の初秋 《詩》

「窓の外の初秋」

ホテルのバー 

カウンターのトロピカルドリンク

灰皿の上で
ゆっくりと燃え尽きる煙草

ノックされる事の無い
扉の音を聞いて

鳴る事の無い
電話の音を聞いていた

「Tell Me」… ミックの声が聴こえた

こんなに沢山の人が居る世界で

僕が電話をかけられる人は 
ただひとりだった

窓の外の初秋が それを拒んだ

季節が
変わってしまった事を思い出した

草原 《詩》

草原 《詩》

「草原」

天国の住所と
神様の電話番号を聞いた

何故って…

街が
淡い藍色の闇に包まれて来たから

タイル張りの歩道を
歩く女のヒールの音

風にスカートが揺れていた

知らない女の脚に見惚れてた

歓楽街の真ん中で
静かに瞳を閉じて

心の中に草原を描いた

色の無い空間に色彩が宿り

優しい風が吹いた

僕は神様に電話をして
一言だけ告げた

本当の友達を探していると

本当の恋人を探し

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街風 《詩》

街風 《詩》

「街風」

弱さを吐き出した世界の片隅

孤独を抱きしめた夜の真ん中

それでもまだ

届くはずの無い星 仰ぎ見た僕等

大切な言葉ひとつ 
上手く君に伝えられずに

僕を置き去りにして時は逝き

溺れそうな夜に記憶を辿る

君が僕にくれた言葉全てが 
消えてゆく

この街に吹く風が連れ去った星 

それでもまだ

朧月 《詩》

朧月 《詩》

「朧月」

愛した時間 
日々の中にお前は今も居る 

やけに高く昇った月

酔えない夜に夜行列車の音

お前の罵倒した俺は
無様に影を探してる

黙り通した夜明け前

噛み砕いて吐き出した

馬鹿に付ける薬無し

堕落が折り重なり崩れて行く

忘れる事すら出来ずに

孤独に縛られ
想い出の中 
あの日のお前を抱きしめる

風にさらされ消えそうな朧月

Photo : Seiji Arita

オルガスム 《詩》

オルガスム 《詩》

「オルガスム」

時間の鎖 孤独の檻 

記憶と過去の視界  

失いかけた意識

爪を研ぐお前 傷口に口づけ

去り行く姿 見つめるだけで

最後の涙は青白い星

乱れた愛に貫かれた身体

身も心も 
激しく溶け堕ちたオルガスム