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seiji_arita
2024年8月25日 16:31
「詩人と言う名の病」肉と血は避け難く滅びて行くだらしなく落ちる涙 誰を憎めばいい誰かの言いなりになって僕等は汚れて行った出来るもんなら殺ってみなよ 君の其の手で何処からか甘い蜜の匂いがした臆病な僕は何度も何度も君を抱き締めて確かめ合う醜く枯れた向日葵を引きちぎる様に夏は逝くつき続ける嘘の先に あてもない夢が横たわりもうひとつの顔で沈めた太陽始
2024年8月9日 15:02
「神と毒薬」狂えば狂う程 潤う思考の泉断片的に あるいは集積的に麻薬的信号を読み取る事が出来る其の無音の文体に特別な響きを聴くある種の制度の相関性により制限された言語に自立は無いそして僕は誰よりも上手く自分自身を偽り続ける闇を背負う手探りの真夏の午後惰性的な性交 怠惰な愛撫と無造作な接吻僕は独り夜の匂いを探している君の両腕に神の力が宿るなら世界の理
2024年6月21日 15:24
「道化師の告白」現実を何も語らない事により 何かが語られている色彩を失くした平板な世が血を流し 人格の一部を欠損した歪な夜空が消えそうな月を映し出す感覚を喪失した星は輝き方を忘れる僕の固定された視界には道化師の告白が終わり無く文章化されて行く彼は決して真実を語らないモノクロの街で薔薇を売る女暗室での祝祭 完結された愛純文学とは無関係な風が真夜中を彷
2024年6月9日 21:33
「君に贈る詩」君は詩なんか読まない僕の書いた文字は透き通っていて君の瞳には映らない窓からは低くたれこめた暗い雲が見えたそうかもしれない 僕は口に出してそう言った僕がペンを持った瞬間に言葉は消えて無くなってしまう詩を読む様に独り言を呟く君は詩なんか読まない静かに雨が降りはじめたPhoto : Seiji Arita
2024年5月1日 10:05
「水平線」果てしない偶然性が積み重なり今が形成される理論や整合的な説明は出来ない全ては其の偶然性に支配されている其れを必然と呼ぶのかもしれない其処には言葉に出来る何かは存在しない言葉に出来ないものの中に潜む自己規定幾つかの街が通り過ぎ 鏡の中にお前を見る深い夜と静けさが永遠に続き時を刻み命と死が交差する誰にも解き明かせない唯一が此処にある俺と
2024年4月5日 21:09
「邪悪な光」悲観的な色あいを帯びた幻想と攻撃的な響きを持つ光が仄かに漂う表に現れているのは ただの見せかけに過ぎない 徹底された秘密主義 歪んだ鏡が映し出す恐ろしく執拗な性質を持つ陽の光何かの始まりを意味するものもう全ての時が動き始めているその光に恐怖し逃げ出した人々次第に力を増すその邪悪な光に眼を背けたそして誰ひとりとして居なくなった僕ひとり
2024年3月27日 19:54
「愛の言葉」何処まで行っても現実は付いてくる自分の影と同じ様に風が闇を斬る音其の風は僕の知らない所からやって来て僕の知らない所に向かい吹き過ぎてゆく忘れかけた愛の言葉 海の様に広いベッド其処には用途を失った言葉が雑然と散らばる
2024年1月14日 12:46
「遺書」淡い色調の風景が淡々と場面の転換も無く続く切れ目なく流れるエンドレスミュージックの様に深い本心を語る彼女の穏やか声 そして遺書心に抱えた小さな地獄に感謝したそれを知らない人には小さな幸せに気付けない奇妙な空白に名前の無い風が吹く覚醒の手掛かりを失った夢深く椅子に腰掛け 片足を切落とされた幻覚の中で未来の夢を見ていた古い手紙や日記 写真ア
2023年10月25日 13:32
「新月」髪に触れ首筋に沈めた視線を彷徨う溺れゆく星ひとつ 唇で君を感じられないのなら震える手で触れた夜の終わり 新月を待つ跡形もない完璧な孤独をください 何も見えない硝子の瞳をくださいそれでも 僕はまだ夢を見たんだ煌めく夢を愛しい人へ この夜に歌う 捧げるものは何もなくても
2023年10月24日 16:13
「黒い華」サヨナラを告げた黒い華の香悪の血を流すピエロお前の欲望に満ちた血をこの皿に垂らしてくれないか胸に抱いた幾千ものナイフに映る孤独背中に立てた爪 儚い恋夢が目に染みる宵溢れる太陽に似たお前の汁と血を塗りつけた熟れた猥褻舞い降りた神が月を満たすお前の中で溺れる夜の果て粘膜で覆い尽くされた闇夜の葬列鏡の中の老婆が嘲笑い手招きをする蒼い孤独と狂
2023年10月15日 16:02
「沈黙」孤独の中に属された重い記憶が囁きかける僕等は生き続ける意志を探す語りかけた沈黙 いつか失われて消えていくはずの風だけが吹いてる誰もが皆 静かに死に向かい死が僕等を迎えに来る探していたものは何ですかそれは見つかりましたか性別を超えた優しい光優雅にも感じるその微笑み魂の繋がりと絆 生死を超えた概念答えはきっと僕等の心の中にある僕は ま
2023年9月23日 16:40
「不死鳥」時の檻 繋がれた鎖 呪縛 天高く舞う不死鳥お前が囁く 刻まれた記憶の中で研ぎ澄まされた感情 胸に抱き 孤独を彩る幻覚に口づけて拾い集めた最後の涙今も息づく解き放たれた想い 俺の身体を貫く傷ついた心 濡らす雨麻薬に似た眠りの中何かに追われる様に書き殴る燃える血を吐き出し乱れ飛ぶ想いは朝を迎えて序章となり物語は始まる
2023年9月17日 20:52
「窓の外の初秋」ホテルのバー カウンターのトロピカルドリンク灰皿の上でゆっくりと燃え尽きる煙草ノックされる事の無い扉の音を聞いて鳴る事の無い電話の音を聞いていた「Tell Me」… ミックの声が聴こえたこんなに沢山の人が居る世界で僕が電話をかけられる人は ただひとりだった窓の外の初秋が それを拒んだ季節が変わってしまった事を思い出した
2023年9月16日 23:00
「草原」天国の住所と神様の電話番号を聞いた何故って…街が淡い藍色の闇に包まれて来たからタイル張りの歩道を歩く女のヒールの音風にスカートが揺れていた知らない女の脚に見惚れてた歓楽街の真ん中で静かに瞳を閉じて心の中に草原を描いた色の無い空間に色彩が宿り優しい風が吹いた僕は神様に電話をして一言だけ告げた本当の友達を探していると本当の恋人を探し