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マーケティング 人と社会の幸福を実現する

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記事一覧

「タイムパフォーマンス」を考える

最近、「タイムパフォーマンス」の考え方について、面白い記事を読みました。
それは、タイムパフォーマンスという考え方自体は悪いものではない。しかしタイムパフォーマンスでは得られない価値もある。例えば、5分の動画の感動を重ねても、映画のような120分かけて得る感動には及ばない、というものです。

なるほど、納得です。

実は少し前、自身のSNSで、資格取得の考え方について書きました。最近では、合格まで

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顧客が先か信念が先か

先日、ある会議で面白い質問を受けました。普段、僕が話していることについて、1つ1つは全て理解できるし納得できるが、いくつか矛盾を感じたとのことで。

このグループでは、今「どんな価値を提供するのか」という視点からスタートアップの計画を立てています。スタートの段階が特定の製品やサービスを作ろうというものではなく、異分野の優秀な人たちが集まり、何かしたいと考えたとき、提供すべき価値は何か(どんな社会に

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マーケティングはどう変わろうとしているのか

僕が教壇に立って20年が経ちます。この間、社会の様子は大きく変化しましたから、講義で話している内容もかなり変わりました。

僕自身がデザインと関わり、また企業経営のお手伝いという形で実務に関わるようになったこともありますが、特にここ数年でも、随分変化しました、
広告デザイン専門学校のマーケティングを担当するようになって6年目になりますが、この内容も随分変化していて、特にこの3年ほどは「価値」の捉え

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マーケティング マーケティングの位置づけと分類

今年に入って何度か、マーケティングに興味があるという話を聞きます。話をお聞きしていると、人によってマーケティングの意味も様々、、、たまに疲れてしまいます。
そうしたことから、今回のテーマで、あらためて説明しようと思います。

・マーケティングの位置づけ
マネジメント全体を考えたとき、マーケティングはどんな役割を果たしているのでしょうか。まずはマーケティングの位置づけについて考えます。

■マネジメ

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マーケティング マーケティングの2つの視点:講義の課題を紹介します

突然ですが、今回はいつもとは少し違った視点からマーケティングについて考えたいと思います。

僕は今、メインで教えている学校である広告デザイン専門学校では、1年生のロジカルシンキングと2年生のマーケティングを担当しています。
専門学校なので、講義は午後、13:20から16:00までです。かなり長丁場なので、学生さんの様子を見ながら、途中で休憩を挟みますが、おおよそ大学の講義2回の時間です。
この時間

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色々な意味のマーケティング マーケティングの本質とは

僕が担当するマーケティングなの講義で、特にこの5年ほど、最初に必ずする質問があります。
それは「マーケティングとは何でしょう?」という質問です。

特に今の、スマホネイティブの学生さんたちは、インターネットを通じて様々な言葉に接していますから、マーケティングという言葉を知らないという学生さんはいません。
僕の質問に対して、学生さんからは「調査すること」とか「たくさん売れるようにする」といった答えが

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2022秋 ブランディングを考える

「正しい日本語はない」
これは以前、僕が短歌の師匠から言われた言葉です。

言葉の使われ方、意味や概念は、時間とともに変わっていくもの。当然その時代ことの正しさがあります。それ以来僕は、例えば講義などで「適切な日本語」と表現するようになりました。

そこで考えると、実はマーケティングの代表的な定義、AMA(全米マーケティング協会)の定義も、これまで何度も変わっています。時代の変化や社会での役割に合

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マネジメント 「価値」の再確認:顧客満足を‘実現するためには

広告デザイン専門学校、マーケティングの講義は僕が作成したテキストを使用しています。書き込み式のワークブック形式で約70ページほどですら、半期、160分×17回の講義にしてはなかなかのボリュームです。

内容はコトラーの『マーケティング原理』などを元に、基礎をしっかり理解するためのものになっています。
学校の教材ですから、売り物ではありませんが、出典や参考文献は全て書籍の基準に合わせて作成(というか

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マーケティング 最初に強みと弱みを考えてはいけない

僕のnoteでは何度か「強み、弱み」という言葉について記しています。そのときあった出来事や感じたことを元に書いていますから、すぐに全てを思い出すことはできませんが、僕の記事でははこの「強み、弱み」という言葉について、否定的な内容のものが多いかと思います。

以前もいくつかの視点から記しましたが、多くの場合、競争優位を確立できない、主観的な視点になっていることが多いことや、根拠を説明できないものが多

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マーケティング なぜ4Cが重要なのか

マーケティングの代表的な考え方である4Pは有名ですから、マーケティングを学んでいる人なら、ほとんどの方が知っていることでしょう。
一応おさらいすると、Product:製品、Price:価格、Place:場所、Promotion:広告の4つを指し、これらを適切に組み合わせることを、マーケティング・ミックスと言います。

ちなみに、、、

4P以降、新たな考え方として、5P、6P、7P分析というものも

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マーケティング ユーザー、顧客、クライアント、パートナー

企業の支援などをしながら、お客様をはじめ色々な方とお話をさせて頂いていると、「顧客満足」について違和感を感じることがあります。それは誰を「顧客」とし、誰の「顧客満足」を実現しようとしているのかということです。

以前に関わった仕事で、とても嫌な思いをしたことがありました。
単に「面白い」とか、立場のある人に阿り、お金を出してもらおうとするばかりで、誰かに何も価値を提供していないことに関わったからで

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年のはじめに考える これからのマーケティング

この2年、世界中で様々な環境や価値観が大きく変化しています。この変化は今後もさらに進むと思われます。マーケティングにおいても、フィリップ・コトラーがマーケティング5.0を著すなど、大きな変革が求められました。
そこで今回はこれからのマーケティングについて考えます。

・津田淳子さんの講演を聞いて
先日、『デザインのひきだし』編集長の、津田淳子さんの講演を聞きました。講演では、表紙のメイキングや苦労

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マーケティング 価値を考える:女子高生はなぜドトールにいないのか.2

先日、名古屋の金山駅で、ドトールコーヒーに立ち寄ったときのこと、、、女子高生さん、いました。

いきなりタイトルと違ってしまいましたが、、、彼女たちは「映え」には興味がないようで、隣同士、問題集のつきあわせをしていました。

さて今回は、前回からの続きです。

前回は「情緒的価値」に着目して説明しましたので、今回はもう少し具体的に考えたいと思います。

・情緒的価値の事例
親しいダイニングバーでの

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マーケティング 価値を考える:女子高生はなぜドトールにいないのか.1

先日、打ち合わせで町中のスターバックスへ行くとかなり混んでいて騒がしく、打ち合わせにはちょっと向かないようでした。待ち合わせていた方がちょうど来たので、すぐ近くの、異なるチェーン店のカフェへ。
こちらはそれほど混んでおらず、さわがしくもなかったので、打ち合わせをすることができました。

僕は普段、カフェ・ド・クリエやドトールコーヒーをちょくちょく利用します。
以前は喫煙席があったこともありますが、

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