メガネの人@sinya

新潟出身・臨床心理学科卒の25歳。 テーマ【真面目に狂気を肯定】 「精神医学」「精神…

メガネの人@sinya

新潟出身・臨床心理学科卒の25歳。 テーマ【真面目に狂気を肯定】 「精神医学」「精神病理」「狂気」「精神分析」に関心があるよ!! ☆キルケゴールとトマス・サスが推し☆ 精神医学/反精神医学/哲学史/実存主義(現存在分析)/小説

マガジン

  • 読了

    読んだ本についての感想とか考察とか

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    空論<駄論<理論<卓論

  • 地獄の十王 (創作キャラクターメモ)

    地獄の裁判官・十王。 彼らの特徴や文献から、「キャラクター化」することで、“推し王”を見つけるのがゴール。

記事一覧

SFの歴史

SF(Science Fiction : Sci-Fci)の定義まずは定義から確認。 5人のSF作家による、「SFとは何ですか?」の回答をおさえる。 ①ロバート・A・ハインライン ”読むことの…

『ばくりや』と才能 #読了

表紙に惹かれて読みました。 作者の乾ルカさんは、幽霊や怪異的なホラーをよく描く(wikiより)らしい。 その評に違わぬ、じつに「奇妙でゾッとする」短編集だった。 ”…

『ありえないほどうるさいオルゴール店』と悩み #読了

悩みはいつやってくるのだろう。 ふと、そんなことを考えたのは、 わたしが、まさにいま悩んでいるからだ。 「悩みのない人間なんて、いない」 そんなありきたりな答えを…

2

『原子力の哲学』と絶望に向けて #読了

今回は、おもしろかった新書をとりあげてみる。 ずばり、『原子力の哲学』(戸谷洋志.2020:集英社新書)である。 映画『オッペンハイマー』の公開から1カ月弱が経ち、や…

7

「性体験」の男女差について #駄論

「性」の話をしてみようと思う。 つい先日、付き合ってもらっている相手と、一晩中かけてLINE通話にしゃれこんでしまった。 久しぶりに白熱したということもあるが、話し…

4

「学び」のある体験が連続的におとずれると、それを書き起こすだけで精一杯。それについて、自分の言葉を紡ぎ添えることが追っつかなくて困っちまう。
ある人曰く、それは自分が普段、用いている語彙の豊富さと相関があるようで、私の会話には辞書が不足していることが示唆された。
レッツブックオフ

誕生日なので何か書こう

二月の読書について

今回は、私がここ最近でよんだ、本の振りかえりをしてみようと思う。 本の記録は、読書メーターというアプリを使っています。 読書家のみなさん。オススメの読書アプリあ…

オカ研の「呪い」について 『物語』シリーズ考

貝木だ。 嘘です。 アイコンです。 タイトルどおりの本題は目次から飛べるので、そちらに関心がある方はそこからどうぞ。 序私は少しだけ、ほんの少しだけ、 日々のう…

ひとはなぜ「鬱」になってしまうのか #駄論

本日、帰宅した私が、まず行ったことと言えば「手洗い」「消毒」であった。 コロナウイルスという大敵に侵されてしまった現代社会の“今”。 われわれ人間たちは日常あち…

大学時代に書いた小説を晒してみる『メアリーの世界』

文章を書くサークルに入った。 ほんと調子に乗っていたんだと思う。なにせ、それまで作品を書いたこと(タイトル決めて、頭から最後までちゃんと書き切ることを指す)はた…

『狂女たちの舞踏会』(ヴィクトリア・マス)と精神病院 #読了

日々の読書に感想を。そんな気持ちで読了。 本記事で紹介するのは、フランス人作家のヴィクトリア・マスの手がけた有名作。 『狂女たちの舞踏会(原題:The Mad Women's Ba…

『ふくわらい』(西加奈子)と他人 #読了

日々の読書に感想を。そんな気持ちで読了note。 ~人間の存在というものは、狂気なしには理解され得ない~ ( J.ラカン / フランスの哲学者、精神科医 ) 他人を理解する…

いま、3冊ほど読了記録を下書き中……
はやく書き上げないとね

『こちらの事情』(森浩美)と不器用#読了

いつからだったろう。 私は親が大嫌いだった。 だからいうまでもなく、「家族」といる時間がまるまる幸せな時間とはいえなかった。新潟の田舎生まれである私は、父・母・…

地獄の十王 その5.閻魔王

創作のために創作する。十王をキャラクター化しておもしろい作品に昇華できるのでは?という試み。 さてさて、十王のお裁きの折り返し。第5番目の十王がついに登場だ! そ…

SFの歴史

SFの歴史


SF(Science Fiction : Sci-Fci)の定義まずは定義から確認。
5人のSF作家による、「SFとは何ですか?」の回答をおさえる。

①ロバート・A・ハインライン

”読むことのできる大半のSFの手軽で簡単な定義は、過去や現在の現実社会や、科学的手法の性質と重要性の十分な知識に基づいた、可能な未来のできごとに関する現実的な推測”

②ロッド・サーリップ

ファンタジーは不可能な

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『ばくりや』と才能 #読了

『ばくりや』と才能 #読了

表紙に惹かれて読みました。

作者の乾ルカさんは、幽霊や怪異的なホラーをよく描く(wikiより)らしい。
その評に違わぬ、じつに「奇妙でゾッとする」短編集だった。

”もしも、他人の「才能」を交換できたら…
あなたは、代わりに何をさし渡すだろうか?”

『ばくりや』(乾ルカ.2011)は、とある人間だけがたどり着ける、不思議な店の話。
そこに訪れた客の、その後の破局を楽しめる。
ブラックなお話であ

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『ありえないほどうるさいオルゴール店』と悩み #読了

『ありえないほどうるさいオルゴール店』と悩み #読了

悩みはいつやってくるのだろう。

ふと、そんなことを考えたのは、
わたしが、まさにいま悩んでいるからだ。
「悩みのない人間なんて、いない」
そんなありきたりな答えを、求めているからだ。

だれしも、生きていれば、つらいこと、悲しいこと、どうしたらいいかわからなくなってしまうこと。
どんなに余裕ぶっていても、気持ちが一向に晴れなくて、ふさぎ込むこと。
周りの誰かに、ボソッと愚痴をこぼすことも自責する

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『原子力の哲学』と絶望に向けて #読了

『原子力の哲学』と絶望に向けて #読了

今回は、おもしろかった新書をとりあげてみる。

ずばり、『原子力の哲学』(戸谷洋志.2020:集英社新書)である。

映画『オッペンハイマー』の公開から1カ月弱が経ち、やや話題性が過ぎたころに書き起こしています。

注目に至ったのは、筆者である戸谷先生である。

など、小難しい言葉や概念から説き進める哲学書ではなく、すごく身近なキーワード、トピックから「あ~、そう考えられるのか」と、率直に”考える

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「性体験」の男女差について #駄論

「性体験」の男女差について #駄論

「性」の話をしてみようと思う。

つい先日、付き合ってもらっている相手と、一晩中かけてLINE通話にしゃれこんでしまった。
久しぶりに白熱したということもあるが、話し込んでしまった。
いろいろな話題をこねくり回した、その中で一つ、印象的に議論したのが、
「童貞」と「処女」の価値
についてだった。

これに関して、
「童貞=一度も城を攻め落としていない兵士」
「処女=一度も攻め落とされていない城」

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「学び」のある体験が連続的におとずれると、それを書き起こすだけで精一杯。それについて、自分の言葉を紡ぎ添えることが追っつかなくて困っちまう。
ある人曰く、それは自分が普段、用いている語彙の豊富さと相関があるようで、私の会話には辞書が不足していることが示唆された。
レッツブックオフ

二月の読書について

二月の読書について

今回は、私がここ最近でよんだ、本の振りかえりをしてみようと思う。

本の記録は、読書メーターというアプリを使っています。

読書家のみなさん。オススメの読書アプリあれば、教えてください(T-T)

『巷説百物語シリーズ』京極夏彦

「妖怪」や「都市伝説」が好きな人。その知識を蓄えるのが好きな人。
絶対読んでるよね、京極夏彦。

よくSNSでは、その分厚さが取り上げられる作家の一人です。「持ち運べる

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オカ研の「呪い」について 『物語』シリーズ考

オカ研の「呪い」について 『物語』シリーズ考

貝木だ。

嘘です。

アイコンです。

タイトルどおりの本題は目次から飛べるので、そちらに関心がある方はそこからどうぞ。

序私は少しだけ、ほんの少しだけ、

日々のうちに本を読んでいる。

読了記録をチェックすると、先月は15冊でした。

そうするとやはり、好きな作家さんというものがいくつかあるわけで。

日本に限って、少し挙げてみると、

山崎ナオコーラ
星新一
田中啓文
井上夢人
など

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ひとはなぜ「鬱」になってしまうのか #駄論

ひとはなぜ「鬱」になってしまうのか #駄論

本日、帰宅した私が、まず行ったことと言えば「手洗い」「消毒」であった。

コロナウイルスという大敵に侵されてしまった現代社会の“今”。

われわれ人間たちは日常あちらこちらで、彼らに対する虐殺行為に明けくれている。

アルコール消毒によって、コロナ感染の根本であるウイルスは撃退することができる(とされている)。

お仕事場でも、いろいろなところでシュッ、シュッ、と

奴らにとっては原子爆弾に匹敵す

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大学時代に書いた小説を晒してみる『メアリーの世界』

大学時代に書いた小説を晒してみる『メアリーの世界』

文章を書くサークルに入った。

ほんと調子に乗っていたんだと思う。なにせ、それまで作品を書いたこと(タイトル決めて、頭から最後までちゃんと書き切ることを指す)はたったの二回しかなかったんだから。

同期含め、先輩たちはスゴかった。文学や出版・編集に関する学科もあったので、ほんとうに「本」という媒体が好きで、その表現に魅力を感じているんだなぁ。と思う人ばかりだった。
それぞれに作風やテーマがあり、実

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『狂女たちの舞踏会』(ヴィクトリア・マス)と精神病院 #読了

『狂女たちの舞踏会』(ヴィクトリア・マス)と精神病院 #読了

日々の読書に感想を。そんな気持ちで読了。

本記事で紹介するのは、フランス人作家のヴィクトリア・マスの手がけた有名作。
『狂女たちの舞踏会(原題:The Mad Women's Ball,2019)』。

フランスの「高校生が選ぶルノード賞」を受賞し、若い世代にも読みやすくおもしろいテーマを取り上げている。

ちなみにこの方 ↑ がそうです。フツクシイ....(*^^*)

しかも、これ書いてると

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『ふくわらい』(西加奈子)と他人 #読了

『ふくわらい』(西加奈子)と他人 #読了

日々の読書に感想を。そんな気持ちで読了note。

~人間の存在というものは、狂気なしには理解され得ない~
( J.ラカン / フランスの哲学者、精神科医 )

他人を理解することは難しい。なぜならそれぞれがズレているから。

西加奈子の『ふくわらい』を読了してみての感想は、そんなテーマを起こさせる作品だった。

作品について説明しておくと、作者・西加奈子は『あおい(2004)』『きいろいゾウ(2

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いま、3冊ほど読了記録を下書き中……
はやく書き上げないとね

『こちらの事情』(森浩美)と不器用#読了

『こちらの事情』(森浩美)と不器用#読了

いつからだったろう。

私は親が大嫌いだった。

だからいうまでもなく、「家族」といる時間がまるまる幸せな時間とはいえなかった。新潟の田舎生まれである私は、父・母・弟のほかに祖母・曾祖母・叔母と暮らす10人家族だった。特に父と母といる時間が辛かったので、必然的におじいちゃん子となっていた。おいしい焼き芋を焼いてくれる“お芋のおじい”とゴルフが好きな“ゴルフのおじい”が大好きだった。

どのくらい嫌

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地獄の十王 その5.閻魔王

地獄の十王 その5.閻魔王

創作のために創作する。十王をキャラクター化しておもしろい作品に昇華できるのでは?という試み。

さてさて、十王のお裁きの折り返し。第5番目の十王がついに登場だ!

その名は、言わずと知れた地獄の裁判長。十王 オブ 十王。

“閻魔王(えんまおう)”だ!

知っているようで知らない閻魔様について、ちょっと調べてみようではないか。

そのメモである。

1.光明院と閻魔王のじつは...閻魔王の裁きは、

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