メガネの人@sinya

新潟出身・臨床心理学科卒の25歳。 テーマ【真面目に狂気を肯定】 「精神医学」「精神…

メガネの人@sinya

新潟出身・臨床心理学科卒の25歳。 テーマ【真面目に狂気を肯定】 「精神医学」「精神病理」「狂気」「精神分析」に関心があるよ!! ☆キルケゴールとトマス・サスが推し☆ 精神医学/反精神医学/哲学史/実存主義(現存在分析)/小説

マガジン

  • 読了

    読んだ本についての感想とか考察とか

  • 駄論

    空論<駄論<理論<卓論

  • 地獄の十王 (創作キャラクターメモ)

    地獄の裁判官・十王。 彼らの特徴や文献から、「キャラクター化」することで、“推し王”を見つけるのがゴール。

最近の記事

『イノセンツ』と幼さの暴力性

幼馴染と、映画鑑賞会。 じつに有意義な、金曜日を終えられたとおもう。 映画とポップコーンは、宇宙の誕生より定められた法律である。 にもかかわらず、われわれがディスプレイの前に並べたのは、マクドナルドのハンバーガーと、大量のポテトであった。 違反行為は、罰がなければ、起きていないのである。 前座終わり。 鑑賞を終えたのは、『イノセンツ』(監督:エスキル・フォクト . ノルウェー)。 北欧がくりだす、あるひと夏を恐ろしく描いたホラー・ミステリー。 2021年に公開

    • SFの歴史

      SF(Science Fiction : Sci-Fci)の定義まずは定義から確認。 5人のSF作家による、「SFとは何ですか?」の回答をおさえる。 ①ロバート・A・ハインライン ”読むことのできる大半のSFの手軽で簡単な定義は、過去や現在の現実社会や、科学的手法の性質と重要性の十分な知識に基づいた、可能な未来のできごとに関する現実的な推測” ②ロッド・サーリップ ファンタジーは不可能なことを起こりそうに描いたもの。 サイエンス・フィクションは起こりそうもないことを

      • 『ばくりや』と才能 #読了

        表紙に惹かれて読みました。 作者の乾ルカさんは、幽霊や怪異的なホラーをよく描く(wikiより)らしい。 その評に違わぬ、じつに「奇妙でゾッとする」短編集だった。 ”もしも、他人の「才能」を交換できたら… あなたは、代わりに何をさし渡すだろうか?” 『ばくりや』(乾ルカ.2011)は、とある人間だけがたどり着ける、不思議な店の話。 そこに訪れた客の、その後の破局を楽しめる。 ブラックなお話である。 『ばくりや』を訪れる人間について触れます。 彼らには、とある共通点がある

        • 『ありえないほどうるさいオルゴール店』と悩み #読了

          悩みはいつやってくるのだろう。 ふと、そんなことを考えたのは、 わたしが、まさにいま悩んでいるからだ。 「悩みのない人間なんて、いない」 そんなありきたりな答えを、求めているからだ。 だれしも、生きていれば、つらいこと、悲しいこと、どうしたらいいかわからなくなってしまうこと。 どんなに余裕ぶっていても、気持ちが一向に晴れなくて、ふさぎ込むこと。 周りの誰かに、ボソッと愚痴をこぼすことも自責する。 そんなこともあるんです。 『ありえないほどうるさいオルゴール店』は以下の7

        『イノセンツ』と幼さの暴力性

        マガジン

        • 読了
          10本
        • 駄論
          7本
        • 地獄の十王 (創作キャラクターメモ)
          5本

        記事

          『原子力の哲学』と絶望に向けて #読了

          今回は、おもしろかった新書をとりあげてみる。 ずばり、『原子力の哲学』(戸谷洋志.2020:集英社新書)である。 映画『オッペンハイマー』の公開から1カ月弱が経ち、やや話題性が過ぎたころに書き起こしています。 注目に至ったのは、筆者である戸谷先生である。 など、小難しい言葉や概念から説き進める哲学書ではなく、すごく身近なキーワード、トピックから「あ~、そう考えられるのか」と、率直に”考えること自体を深める” そんな読書体験をさせていただけた先生である。 とてもおもし

          『原子力の哲学』と絶望に向けて #読了

          「性体験」の男女差について #駄論

          「性」の話をしてみようと思う。 つい先日、付き合ってもらっている相手と、一晩中かけてLINE通話にしゃれこんでしまった。 久しぶりに白熱したということもあるが、話し込んでしまった。 いろいろな話題をこねくり回した、その中で一つ、印象的に議論したのが、 「童貞」と「処女」の価値 についてだった。 これに関して、 「童貞=一度も城を攻め落としていない兵士」 「処女=一度も攻め落とされていない城」 という、孔子の比喩はあまりに陳腐なので無視しましょう。 童貞と処女という二つの

          「性体験」の男女差について #駄論

          「学び」のある体験が連続的におとずれると、それを書き起こすだけで精一杯。それについて、自分の言葉を紡ぎ添えることが追っつかなくて困っちまう。 ある人曰く、それは自分が普段、用いている語彙の豊富さと相関があるようで、私の会話には辞書が不足していることが示唆された。 レッツブックオフ

          「学び」のある体験が連続的におとずれると、それを書き起こすだけで精一杯。それについて、自分の言葉を紡ぎ添えることが追っつかなくて困っちまう。 ある人曰く、それは自分が普段、用いている語彙の豊富さと相関があるようで、私の会話には辞書が不足していることが示唆された。 レッツブックオフ

          誕生日なので何か書こう

          誕生日なので何か書こう

          二月の読書について

          今回は、私がここ最近でよんだ、本の振りかえりをしてみようと思う。 本の記録は、読書メーターというアプリを使っています。 読書家のみなさん。オススメの読書アプリあれば、教えてください(T-T) 『巷説百物語シリーズ』京極夏彦 「妖怪」や「都市伝説」が好きな人。その知識を蓄えるのが好きな人。 絶対読んでるよね、京極夏彦。 よくSNSでは、その分厚さが取り上げられる作家の一人です。「持ち運べる鈍器」「攻撃力の高い本」「読みながら筋トレできる」などいわれておりますね。→『百

          二月の読書について

          オカ研の「呪い」について 『物語』シリーズ考

          貝木だ。 嘘です。 アイコンです。 タイトルどおりの本題は目次から飛べるので、そちらに関心がある方はそこからどうぞ。 序私は少しだけ、ほんの少しだけ、 日々のうちに本を読んでいる。 読了記録をチェックすると、先月は15冊でした。 そうするとやはり、好きな作家さんというものがいくつかあるわけで。 日本に限って、少し挙げてみると、 山崎ナオコーラ 星新一 田中啓文 井上夢人 など そして西尾維新 『刀語』、『十二大戦』、『りぽぐら』はじめ 『物語』シリーズ

          オカ研の「呪い」について 『物語』シリーズ考

          ひとはなぜ「鬱」になってしまうのか #駄論

          本日、帰宅した私が、まず行ったことと言えば「手洗い」「消毒」であった。 コロナウイルスという大敵に侵されてしまった現代社会の“今”。 われわれ人間たちは日常あちらこちらで、彼らに対する虐殺行為に明けくれている。 アルコール消毒によって、コロナ感染の根本であるウイルスは撃退することができる(とされている)。 お仕事場でも、いろいろなところでシュッ、シュッ、と 奴らにとっては原子爆弾に匹敵する、 衛生科学の鉄槌をブチかましている毎日を、 今日もまた、重ねたわけである

          ひとはなぜ「鬱」になってしまうのか #駄論

          大学時代に書いた小説を晒してみる『メアリーの世界』

          文章を書くサークルに入った。 ほんと調子に乗っていたんだと思う。なにせ、それまで作品を書いたこと(タイトル決めて、頭から最後までちゃんと書き切ることを指す)はたったの二回しかなかったんだから。 同期含め、先輩たちはスゴかった。文学や出版・編集に関する学科もあったので、ほんとうに「本」という媒体が好きで、その表現に魅力を感じているんだなぁ。と思う人ばかりだった。 それぞれに作風やテーマがあり、実に個性的な集団に出会えたと思っている。私にとって、忘れられない素晴らしい思い出だ

          大学時代に書いた小説を晒してみる『メアリーの世界』

          『狂女たちの舞踏会』(ヴィクトリア・マス)と精神病院 #読了

          日々の読書に感想を。そんな気持ちで読了。 本記事で紹介するのは、フランス人作家のヴィクトリア・マスの手がけた有名作。 『狂女たちの舞踏会(原題:The Mad Women's Ball,2019)』。 フランスの「高校生が選ぶルノード賞」を受賞し、若い世代にも読みやすくおもしろいテーマを取り上げている。 ちなみにこの方 ↑ がそうです。フツクシイ....(*^^*) しかも、これ書いてるときに知ったんだけど、 Amazonプライムビデオで映画化されていたみたい...(

          『狂女たちの舞踏会』(ヴィクトリア・マス)と精神病院 #読了

          『ふくわらい』(西加奈子)と他人 #読了

          日々の読書に感想を。そんな気持ちで読了note。 ~人間の存在というものは、狂気なしには理解され得ない~ ( J.ラカン / フランスの哲学者、精神科医 ) 他人を理解することは難しい。なぜならそれぞれがズレているから。 西加奈子の『ふくわらい』を読了してみての感想は、そんなテーマを起こさせる作品だった。 作品について説明しておくと、作者・西加奈子は『あおい(2004)』『きいろいゾウ(2006)』『サラバ!(2014.第152回直木賞)』などが知られ、“いい話”が特

          『ふくわらい』(西加奈子)と他人 #読了

          いま、3冊ほど読了記録を下書き中…… はやく書き上げないとね

          いま、3冊ほど読了記録を下書き中…… はやく書き上げないとね

          『こちらの事情』(森浩美)と不器用#読了

          いつからだったろう。 私は親が大嫌いだった。 だからいうまでもなく、「家族」といる時間がまるまる幸せな時間とはいえなかった。新潟の田舎生まれである私は、父・母・弟のほかに祖母・曾祖母・叔母と暮らす10人家族だった。特に父と母といる時間が辛かったので、必然的におじいちゃん子となっていた。おいしい焼き芋を焼いてくれる“お芋のおじい”とゴルフが好きな“ゴルフのおじい”が大好きだった。 どのくらい嫌いだったか。 酢豚にはパイナップルが欠かせないといって、あろうことか大盛りトッピ

          『こちらの事情』(森浩美)と不器用#読了