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#創作大賞2024
三年間。no+eの街の路地裏で「なんのはなしですか」と叫んでいた。
皆様ご存知の通りnoteの街の世界には、このような言葉があります。
だれもが創作をはじめ、
続けられるようにする。
この言葉を真摯に受け止め、且つ真面目に本気で力の限り三年間かけて、ありとあらゆる方法でこれを実践した話を書きます。
真実か嘘かの言及も致しません。強いて言うならば「なんのはなしですか」と感じていただければと願います。
はじまりは一つの言葉でした。「なんのはなしですか」という言
「telecine」
十年前、わたしは恋をしていた。
16㎜フィルムの荒い粒子の向こう側、白くぼやぼやとした世界のなかで、わたしはきみを追いかけていた。
きみと過ごしたのはせいぜい一年と少しで、そのうちの半分はわたしの片思いだったのに、わたしにはそれが、何よりも長く濃い一年だったような、そんな気がします。それはきみと過ごしたからというのはもちろん、わたしがまだ本気でカメラをやっていたからです。あの頃、わたしは夢を
「おはよう、私」②(短編連作小説 & 音楽)第2話
前回のお話しはこちら ↓
第2話・葵
朝。
アラームの音が意識に届く。
細く開いたカーテンの隙間から、細い光がこぼれている。
ああよかった今日はいい天気なんだなと、まだ半分眠りの中にいる頭で反射的に考える。
* * * *
昨日の朝は雨だった。
雨の日は、子どもを保育園に送るのにいつもより時間がかかる。
レインコートを着こみ、自転車の後ろに乗せた子どもに椅子ごとすっぽり
【雑記】20人をきった大多喜町の新生児、急速な少子化と2050年の無居住地化の懸念
この2か月ほどの私は、第二の故郷「行徳」各地で行われた祭礼行事への参加やお神輿担ぎ手のお手伝いに始まり、地元小学校へゲストティーチャーとして行徳神輿(行徳揉み妙典流)の説明に何度か伺ったり、はたまた仕事関係で丁々発止スッタモンダしてたり、寒い中お神輿を担いで大声出してたせいか風邪をひき、これまた長引いたりしてバタバタしており、すっかりこのnoteアカウントの本題「大多喜無敵探検隊」の執筆(誰も期
もっとみる満員電車でカッコつけたいオレ様
その日、私は満員電車で運良く座席を確保し、スマートフォンでニュース記事を読んでいた。
ふと私の左に座っていた中年男性が、パタッと読んでいた文庫本を閉じた。
そして、立ち上がりながら、彼の目の前に立っていた女性に対し、渋いバリトンボイスでこう言った。
「これは失礼しました……。気付きませんで」
ふと顔を上げると立っていた女性の鞄には、マタニティーマークが付いていた。
なるほど、妊婦さんが立ってい
「魔法の文学館」に行ってきました
今月ついにオープンした、角野栄子さんの「魔法の文学館」。
計画を耳にした時から、ずっと楽しみに待っていたので、ワクワクしながら足を運びました。
ちなみに、建築家の隈研吾さんが手がけたこの建物は、いくつもの小さな家が、白い花びらのように寄り集まっているような構造になっているそうです。
中に入ると、一面に広がる鮮やかな「いちご色」の世界。
角野栄子さんのお気に入りの色だとか。
また、あちこちに小
スマラン、世界の静かな中心
前編
Pamplona、SPAIN 2018-2019.
過去
Ⅵ
その日、旧市街のEL GAUCHOでLuisとRita夫妻と出会い、遅くまで真冬のテラス席で一緒にお酒を飲んだ
それはわたしの人生のなかでも、おそらくは最も不思議な夜だった
特別な夜だったと言い換えてもよい
わたしのことを「息子」と感じている老齢のRitaと、そのRitaを福岡の実母にそっくりだと感じているわたし自