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個性と日常

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少し変わった自己紹介

自己概念を10個書いてみる。自分が自分自身についてどう考えているのかを知ることは楽しい。またこれは自分の少し変わった自己紹介になるのではないだろうか。 1 私は極め…

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7か月前
30

春風と花

先日、大学の講義を抜け出して目黒川の桜並木を散歩した。完全に満開を逃してほとんどの木は葉桜になっていた。春も終り際になっていた。川面に目を向けると無数の花いかだ…

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13日前
5

愛があるから

北海道に住む祖父が急に弱ってしまった。正月に会ったときはいつもと変わらぬ元気な様子だったが、突然一人で歩くこともできなくなるほどになった。手紙を一通送った。それ…

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2か月前
40

勇魚

あと二か月もすれば東京には桜が咲く。冷たい冬から一気に春の暖かい日が差してくる、あの季節の移ろいが感じられる時季がどうしようもなく好きだ。心まで暖かくなる。 前…

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2か月前
13

空蝉

ずっと当たり前だと思っていたことが実はそうではなかったりする。そう思うと当たり前が分からなくなる。ある人にとって当然であることがまた別の人にとっては馴染みのなか…

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3か月前
7

キャリーケース

新年早々コロナになった。元旦、祖父母の家に親戚が集まったが、そこにいた半数以上がコロナに罹患した。今更その感染力に驚いた。なんだかんだ始めてコロナになった。40度…

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4か月前
7

美しいを知りたくて

美しいものはどうして美しいのでしょうか。ここ二、三年そのことについて沢山考えている気がします。そもそも美しいとは何でしょうか。情けないことに、考えてもはっきりと…

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4か月前
7

シンクロニシティ

眠れないから何か小説でも書こうかと思ったけれど、特に書きたいことが見つからない。 今年も残り半月に迫っていて光陰矢の如しを実感する。思えば今年は少し濃い一年だっ…

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4か月前
13

おやすみジブリ

眠れない夜はyoutubeにあるおやすみジブリを聞きながら目を閉じる。ジブリ作品で流れる音楽をオルゴールやピアノ調にアレンジしたBGMは精神を安らかにしてくれる。と同時に…

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5か月前
9

寒風

秋風に葉が染まり、もうそんな時期かと漸く気づきました。冷たく流れる風は鋭さを帯び、心を貫きました。小さな空洞ができた心にはえも言われない独特の哀愁が起こっていま…

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6か月前
6

SNS

今や僕たちの生活にSNSは当たり前の存在になった。このnoteもそうだし他にもSNSと呼ばれるものは沢山存在する。SNSを通して僕たちは情報を入手することも、発信することも…

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6か月前
6

人参の皮剥き

昔から人より作業が遅かった。何か簡単なことをするのにも長い時間がかかった。小学生のころ、給食が怖かった。周りのみんなが食べ終わった後も、僕の机にはご飯が沢山余っ…

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6か月前
4

プラトニックラブ

幼少期、毎晩のように眠くなるまでベランダから月を眺めていた。ベランダは月を見るには格好の場所だった。遠くの月が綺麗で見惚れていた。近くから見てみたいとずっと願っ…

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6か月前
6

短編小説 「月に恋した少年」

トーブはまだ8歳の男の子でしたが、立派な恋をしていました。トーブはきれいな女の子に恋をしたのではありません。かといって、逞しい男の子を好きになった訳でもありませ…

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7か月前
10

秋思

外が晴れていてとても気持ちが良い。家の近くの空き地では蜻蛉が斜陽を受け、夕暮れの中飛んでいた。牧歌的な郷愁がそこにはあった。 高校生の頃、学校内で群を抜いて遅…

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7か月前
2

最近のこと

敬老の日に祖父母に手紙を書いた。二人への感謝と健康を願う旨を書いた。それを読んで喜んでいた。僕も嬉しかった。この時代、手書きでメッセージを伝えることはかけがえの…

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7か月前
5

少し変わった自己紹介

自己概念を10個書いてみる。自分が自分自身についてどう考えているのかを知ることは楽しい。またこれは自分の少し変わった自己紹介になるのではないだろうか。

1 私は極めて内面的である。
他人に興味がない。人からどう思われようが、人が何しようが基本どうだっていい。僕の幸せが侵害されなかったらそれでいい。故に他人に影響されにくく、流されにくい。ただ興味を持った人に対しては全てを知りたくて仕方がない。

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春風と花

春風と花

先日、大学の講義を抜け出して目黒川の桜並木を散歩した。完全に満開を逃してほとんどの木は葉桜になっていた。春も終り際になっていた。川面に目を向けると無数の花いかだが流れていてしばらくそれに見惚れていた。木の下に立ってみると、風が吹き花びらが何枚かがひらりと落ちてきた。「桜花 散りぬる風の なごりには 水なき空に 波ぞ立ちける」と紀貫之は歌ったが、桜の花びらを乗せた風には本当に花の波が寄せていた。

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愛があるから

愛があるから

北海道に住む祖父が急に弱ってしまった。正月に会ったときはいつもと変わらぬ元気な様子だったが、突然一人で歩くこともできなくなるほどになった。手紙を一通送った。それから東京から北海道へ会いに行った。祖父の姿を見て心が苦しくなった。体は痩せてしまい、呂律が回らず、ベットに横たわっていた。ついこの間の元気な祖父と比べて淋しくなった。凄まじい勢いで目頭まで込み上げてきた涙を必死に堪え、ぎこちない笑顔を作った

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勇魚

勇魚

あと二か月もすれば東京には桜が咲く。冷たい冬から一気に春の暖かい日が差してくる、あの季節の移ろいが感じられる時季がどうしようもなく好きだ。心まで暖かくなる。

前に眠れない夜におやすみジブリを流す話をしたが、最近はYouTubeで鯨の鳴き声を聴きながら眠りに落ちている。鯨の鳴き声は独特の響きがあり、それが神秘的でとても美しい。目を閉じて聴いているとまるで自分が深い海の中にいて、魚にでもなったかのよ

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空蝉

空蝉

ずっと当たり前だと思っていたことが実はそうではなかったりする。そう思うと当たり前が分からなくなる。ある人にとって当然であることがまた別の人にとっては馴染みのなかったりする。無闇に否定することは言わば自分の当然を軸に考え、他人の当然を否定することに繋がる。しかし自分の中の当たり前も絶対に正しいとは限らない。大抵の人はそのことに気づいていない。向こうの世界では向こうが正しいし、こちらの世界ではこちらが

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キャリーケース

キャリーケース

新年早々コロナになった。元旦、祖父母の家に親戚が集まったが、そこにいた半数以上がコロナに罹患した。今更その感染力に驚いた。なんだかんだ始めてコロナになった。40度を超える高熱は僕を立ち上がらせることさえ許さなかった。幸運?なことに、実家に帰省していたので、母に看病してもらい、なんとか耐えれた。小学生ぶりに母の作るお粥を食べた。優しく温かい味で涙が出そうになった。もし一人暮らししている東京で発症して

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美しいを知りたくて

美しいを知りたくて

美しいものはどうして美しいのでしょうか。ここ二、三年そのことについて沢山考えている気がします。そもそも美しいとは何でしょうか。情けないことに、考えてもはっきりとした答えが浮かびません。バウムガルテンから始まった美学の議論もなんだかんだ曖昧なことが多いように感じられます。

結局のところ何が美しいかというのは主観なのだと思います。
例えば、大切な人が手作りしてくれた鞄と有名ブランドの鞄とはどちらが美

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シンクロニシティ

シンクロニシティ

眠れないから何か小説でも書こうかと思ったけれど、特に書きたいことが見つからない。

今年も残り半月に迫っていて光陰矢の如しを実感する。思えば今年は少し濃い一年だった。母の病気が分かり絶望の気持ちから今年は始まって、大学を留年する。お金のためではなく、楽しさのみで働いていた大好きなバイト先が閉店して、また新しくバイトを始める。軽音サークルに入って人と演奏する楽しさを知る。もっと仲良くもっと一緒にいた

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おやすみジブリ

おやすみジブリ

眠れない夜はyoutubeにあるおやすみジブリを聞きながら目を閉じる。ジブリ作品で流れる音楽をオルゴールやピアノ調にアレンジしたBGMは精神を安らかにしてくれる。と同時に幼い頃から触れ合ってきたジブリ作品とそれを見ていた当時を思い出し、どこか懐かしい気持ちになる。小学生の頃金曜ロードショーで放送された作品を録画して土日に見るのが好きだった。実家のリビングで作品の世界観にのめり込む。傍ら母が洗濯物を

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寒風

寒風

秋風に葉が染まり、もうそんな時期かと漸く気づきました。冷たく流れる風は鋭さを帯び、心を貫きました。小さな空洞ができた心にはえも言われない独特の哀愁が起こっています。

スーパーで長ネギ1本買いました。会計の時、財布から10円玉が飛び出してきて、どこかに消えていきました。醜い姿勢をとって探したかったですが、後ろに待っている人がいたので、諦めて帰りました。10円玉さえ大切にできない無風流人のように自分

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SNS

SNS

今や僕たちの生活にSNSは当たり前の存在になった。このnoteもそうだし他にもSNSと呼ばれるものは沢山存在する。SNSを通して僕たちは情報を入手することも、発信することもできる。そこから友達や恋人の関係が作られる例も今ではもう普通のことになっている。僕が少年の頃の人間関係の中にはまだSNSは無くて、全て実際の関係だけであった。いつしか自分も周りもユーザーになっていた。当時からすると現在のSNS文

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人参の皮剥き

人参の皮剥き

昔から人より作業が遅かった。何か簡単なことをするのにも長い時間がかかった。小学生のころ、給食が怖かった。周りのみんなが食べ終わった後も、僕の机にはご飯が沢山余っていて、昼休みの時間になっても僕はまだ給食を食べていて、周りの友達はサッカーやバスケをしているのに僕はひとり教室で給食を食べていた。ただご飯を口に運び、飲み込むだけ。そんな簡単なことさえも人の何倍も時間かかる。
作文の時間、400文字の原稿

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プラトニックラブ

プラトニックラブ

幼少期、毎晩のように眠くなるまでベランダから月を眺めていた。ベランダは月を見るには格好の場所だった。遠くの月が綺麗で見惚れていた。近くから見てみたいとずっと願っていたけれどそれが叶わないことは知っていた。手を伸ばしても全く届かないから悲しかった。
車窓から見る月は特に僕を夢中にさせた。どんなに速く走っても月は付いてくる。虹の麓はいくら追いかけてもたどり着けないのに、どこまで行っても月は決まって空高

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短編小説 「月に恋した少年」

短編小説 「月に恋した少年」

トーブはまだ8歳の男の子でしたが、立派な恋をしていました。トーブはきれいな女の子に恋をしたのではありません。かといって、逞しい男の子を好きになった訳でもありませんでした。トーブは月に恋していたのでした。
ある晩、トーブは外に出て、夜空に浮かぶ月を眺めていました。青白くて綺麗な丸い月でした。そして、トーブは遠くの月に向かって云いました。
「夜空のきれいなお月さま。ぼくはあなたを愛しています。いつか

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秋思

外が晴れていてとても気持ちが良い。家の近くの空き地では蜻蛉が斜陽を受け、夕暮れの中飛んでいた。牧歌的な郷愁がそこにはあった。

高校生の頃、学校内で群を抜いて遅刻の回数が多かった。確か毎日遅刻していた。だがそのうち寝坊が原因になったことは殆どない。時間に急かされてた訳では無い。むしろ余裕を持ちすぎた故にである。まず、晴れた日は基本遅刻する(雨の日でも構わずにするが)。家から学校までは自転車で大体

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最近のこと

敬老の日に祖父母に手紙を書いた。二人への感謝と健康を願う旨を書いた。それを読んで喜んでいた。僕も嬉しかった。この時代、手書きでメッセージを伝えることはかけがえのない価値がある。願わくば手紙の文化がなくならないように。
前に祖父に会ったとき、片目が見えなくなったと聞き少し心配していた。病院に行かないし、もしかしたらもう生への意欲がなくなってしまったのではないかと一人淋しくなっていた。だが、僕の手紙を

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