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キャリーケース

新年早々コロナになった。元旦、祖父母の家に親戚が集まったが、そこにいた半数以上がコロナに罹患した。今更その感染力に驚いた。なんだかんだ始めてコロナになった。40度を超える高熱は僕を立ち上がらせることさえ許さなかった。幸運?なことに、実家に帰省していたので、母に看病してもらい、なんとか耐えれた。小学生ぶりに母の作るお粥を食べた。優しく温かい味で涙が出そうになった。もし一人暮らししている東京で発症していたら死んでいたかもしれない。


長く使ってたキャリーケースのキャスター部分が劣化し、ただの大きな箱になったのを引きずって運んでいたが、帰省中に漸く新調した。森のような深い緑色。
帰りのフライト後の預け荷物を返却するベルトコンベアを眺めていて、自分のキャリーケースがどれか分からなくなり焦った。確かこんな色してたはず、と流れるキャリーケースたちの中の一つに狙いを定め、それがベルトコンベアを一周するのを待った。一周しても誰もそれを取らなかったから、自分のだと確信して取った。安堵し、外に出ようとしたら後ろから「Is that yours?」と外国人男性に話かけられ、やってしまったと思った。そこで自分のじゃないことに気づいて、全力で英語で謝った。とても恥ずかしかった。いよいよ本当に自分の鞄が分からなくなり、ベルトコンベアの周りをキャリーケースに合わせてぐるぐる回る変な人になった。何周もしてたら、僕と同じく何周もしてるキャリーケースに気づいた。紛れもなく僕のであった。「ペットは飼い主に似る」のは本当だった!


最近は全く旅行していないので、キャリーケースを買ったのをきっかけにちょこちょこしようかなと思う。基本一人旅になると思う。僕がマイペースで友達に迷惑をかけてしまうからである。実はまだ海外に行ったことがないから大学生の間に韓国やヨーロッパ辺りに行ってみたい。文学が好きだから歌枕や好きな作家にゆかりある地にも行ってみたい。

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