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おやすみジブリ

眠れない夜はyoutubeにあるおやすみジブリを聞きながら目を閉じる。ジブリ作品で流れる音楽をオルゴールやピアノ調にアレンジしたBGMは精神を安らかにしてくれる。と同時に幼い頃から触れ合ってきたジブリ作品とそれを見ていた当時を思い出し、どこか懐かしい気持ちになる。小学生の頃金曜ロードショーで放送された作品を録画して土日に見るのが好きだった。実家のリビングで作品の世界観にのめり込む。傍ら母が洗濯物を干しながら、昼食の用意をしている。記憶の中では甘い柔軟剤の香りがジブリの少し懐かしく優しい雰囲気と綺麗に調和している。作品が終わってしまうとなんだか悲しくなり、もう一度見返す。特に昔は「千と千尋の神隠し」が大好きで連続で4回見たことがある。あの頃はその生活が当たり前で何も感じなかったが、今思えばそれがひどく恋しく感じる。そんなことを考えているといつの間にか微睡んでいる。

きっと記憶とは二度と味わえないからこそ愛しく感じるもので、当たり前である時はどうとも思わない。僕たちは未来に期待を描くのと同じくらい過去に焦がれている。今当然のように感じる何かしらの生活の一部も、不親切で気に食わない大学の教授もいつか愛しくなる日が来るのだろう。そんな都合よく、また二律背反ともいえるもどかしい気持ちを大切にして、今日を生きている。
正直な話をすると睡眠薬とか睡眠導入剤を飲んで一日中寝ていたい!

ちなみに今一番好きなジブリ作品は「風立ちぬ」である。里見菜穂子さんが美しくて儚いのがたまらない。「旅路(夢中飛行)」という曲のマンドリンの音は暖かく聴く度にどうしようもなくなり泣きたくなる。家族と映画館で見た時は難解でよく分からなかったが、それでも何かに魅力されて食い入るように見入った。映画が終わったときとても喉が渇いているのに気づき、映画館の1階にあるスーパーでお茶を買って母の運転する車の中で夜の車窓を眺めながら帰路に着いた。

暇潰しにクレヨンで絵を描いた。サムネイルに載せている。月の表面の陰影を上手く表現できなくてもどかしい気持ちになった。頭の中では表現したい像ができているのに、その表出が上手くいかない。内容は分かるがいまいち情景が掴めない画質の悪い映像のようだ。絵に限った話ではないが、心的イメージの表出は暫く僕の課題になるだろう。

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