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小説になった「母への手紙」・占子の兎(しめこのうさぎ)が出来るまで
今から8年ほど前のこと。一人暮らしの母に認知症の疑いが出ました。
長らく持病を抱え、日常生活も次第に覚束なくなっている母と向き合ううち、やがて待ち受ける「死」を、酷く恐れていることに気が付きました。
「ねぇ。私、どうしたらいい?」
電話口で繰り返し嘆く母に、私は返す言葉が見つかりません。
しばらく経ち、私は母を励ますつもりで手紙を書きはじめました。ところが、書き進めるうちに手紙でなくな
宇宙(そら)に向け、言の葉を編む 4我が家の銀盃花(マートル)
信号が青に変わり、颯爽と行き交う車の流れに、バスは滑り込みました。
目の前に立ちはだかるのは、夕焼け雲を蹴散らし、皓皓と光り輝く、巨大要塞のような街。
グランマートル・ハイランド。かつての美籠山(みこやま)です。
(九綱真寿実・著 「しめこのうさぎ 月兎の郷」
第四章「古往今来」より)
グランは、フランス語で「偉大な」。
マートルは、英語で「銀盃花(ぎんばいか)」を意味します。
夏に白い花を
宇宙(そら)に向け、言の葉を編む 3このブログタイトルに纏わるあれこれ
宇宙に向けて、言の葉を編む
このタイトルを編み出してくださったのは、クリエイティブ・プロデューサーの篠原有利さんです。
篠原さんと話していると、「そうそう!」とか、「あ、まさにそれ!」と、思うことが多々あって、本当にありがたいです。
こちらの、ぼんやりした希望や、上手く表現しきれない思いなども、
さり気なく汲み取って見せてくれる。
私はこれを、ひそかに「ゆーりママ・マジック(マが多い!)」
と
宇宙(そら)に向け、言の葉を編む 2作中の地名由来はカバラから
「生命の木 Tree of Life」は、ユダヤ教のカバラでは「セフィロトの木」とも呼ばれ、宇宙万物を解析するための象徴図表に位置付けられているそうです。(Wikipediaより)
ヱヴァンゲリヲンをはじめとする様々なコンテンツにおいても、その世界観を構築する礎になっていますね。
この「生命の木」を基に、物語の舞台を設定した
拙書「しめこのうさぎ」。
前編「月兎の郷(つきのさと)編」に登場する
宇宙(そら)に向け、言の葉を編む 1小説「しめこのうさぎ」の舞台設定
小説「しめこのうさぎ」は、私、九綱真寿実のデビュー作です。
小学生の頃。教科書で読んだ宮沢賢治に憧れて、
初めて見た映画は、従姉に連れて行ってもらった「銀河鉄道999」。
そこから四十四年の時を経て、新たな旅立ちの物語を描き上げました。
舞台になっているのは、「命樹市(みことぎし)」という架空の町。
命樹市は、人口十七万人。入川(いりがわ)と幅川(はばるがわ)、
二本の河川に挟まれた扇状地で
小枝と雛鳥 其の八(最終回)
横浜市内のマンションに住んでいた頃。
或る、風水に詳しい方と、お会いする機会があった。
幼少期に大病を患った息子は、既に完治していたものの、
当時は、まだ定期的に病院に通っていた。
そのとき、家の中に数か所、観葉植物を置くことを勧められた。
家族の誰かが不調を来たしていたり、ストレスをため込んでいたりすると、家内の気の巡りが停滞し、邪気が溜まる。
その邪気を植物が自ら吸い取り、枯れることで、気の