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某大手商社で実際に有った話   その1 採用面接で大失敗した方が面接会場のビルを一歩踏み出した後 ~当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 縁有って某大手総合商社の役員をやっていた時の話です。

その辺りの経緯は、こちらを参考になさって頂ければ幸いです。

 社長からその総合商社の特長が良く出ている“ならでは感”あるエビソードを話してもらいました。

 そのエピソードの主役の方は私の部署の新入社員の方です。営業職を担当されていました。とても仕事熱心で快活なキャラクターでした。営業成績も良く、新入社員とは思えない程堂々としていて、営業が板に付いていました。学生時代格闘技系のスポーツで優秀な成績を残した方らしく、正確な分析と粘り強さがとても頼もしく感じられる方でした。

 その方は某私立大学の学生さんとしてその総合商社の採用試験を受けていた時の話です。人事部での事前選考を通過され最終面接として、役員面接をした時のことです。

 役員面接が不出来で本人は絶対に面接で不合格になると確信して面接会場のビルのエントランスから一歩踏み出した時のことだそうです。あまりの面接の不出来に落ち込むのではなく…どうしてもここに入りたいのだから

「さっき会った社長に直談判してもう1回面接をしてもらおう。」

ソリューションを見出して直ぐに実行。
面接会場に戻り人事部を呼んて
「自分の思いを社長に伝えて欲しい」
と懇願したそうです。

 社長も人事部から
「先程面接して頂いた学生さんが、面接不出来だったので再面接して欲しいと人事部に来ています。」
と報告を受けて、
「そう云うの好きなんだよね。」
ということで再面接を快諾したそうです。

 面接後の会議で内定者は配送先部署の部門長と合意が取れていたことから採用枠を社長特別決済で一人増やして合格にしたそうです。

 そうそうあることでは無いと思います。その会社に8年いましたが、一度もそういうことは有りませんでした。とても珍しい実話です。

 運と勘としつこさの人生である私と共通点がある…
かわいい方。

蛇足
 その商社は、昔幹部が一旦他社に決まってしまった契約を事後の直談判でひっくり返して受注獲得したという逸話が残っているなんとも個性的な会社でした。

超蛇足
 その方は、私とも上手くやれていて、トイレでたまたま2人だけなった時に
「遊びが過ぎて性病伝染(うつ)されちゃいました。」
とコソッと吐露。その時のにっこりした顔が今も印象に残っています。

 公私共にお盛んな、かわいい奴



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