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【3分要約・読書メモ】絶対悲観主義

ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は「絶対悲観主義」についての記事となります。

著者

楠木 建
1964(昭和39)年東京都に生まれ、幼少期を南アフリカで過ごす。一橋大学大学院国際企業戦略研究家(ICS)教授。一橋大学商学部卒、同大学院商学研究科博士課程修了。専門は競争戦略とイノベーション。著書「ストーリーとしての競争戦略」「逆・タイムマシン経営論

絶対悲観主義とは

・フツ―の人にとってベストな仕事への心構え
「自分の思い通りにうまく行くことなんで、この世にはひとつもない」といいう前提で仕事をする
―――厳しいようで暖かい。暖かいようで厳しい。でも、根本においてわりと暖かい哲学。

仕事の向かう先にいるお客様は自分の思い通りにならない。全戦全勝は不可能です。勝率には限界がある。たとえ負けたとしても「そうや問屋が卸さない、か・・・・」なんて呟くと、しみじみとした幸福感も覚えたりします

自分に都合よく考えない。「何とかなる」では何ともならない。だからこそ、精進を重ねようという気持ちになります。それでも、成功を期待しない。だから、気楽に取り組める。失敗しても、いちいちダメージを受けない。自然と次に動き出せる。紆余曲折を経た挙句、振り返ってみた時に自分なりの確かな道ができている。それが絶対悲観主義者の生きる道です。

幸福の条件

・幸福と没不幸
アメリカの心理学者ハーズバークの二要因理論によると、モチベーションの二要因とは、人間の幸福や満足を促進する「動機付け要因」と、人間の不幸や不満を少なくする「衛生要因」。この二要因が相互に独立関係になることがポイントです。つまり、「満足」の反対にあるのは、「不満足」ではない。それは「没満足」という満足がない状態だとハーズバーグは考えます。

「動機付け要因」は、人に信頼されること、その仕事自体に意義が感じられることなどです。この「動機付け要因」が大きくなると、職務満足は高まる。

一方の、「衛生要因」は、給与や勤務条件、対人関係などです。つまり、昇給や昇進は、「不満足」をなくすことはできるが、「満足」をもたらさない。給与を上げても、本当の満足にはつながらない。

このことから、不幸になる要因を潰せば、幸せになれるかというと、そうではない。その先にあるのは、「没不幸」です。給与、上司などを理由に転職することで、「不幸の要因」を潰しても、だからと言って「満足=幸せ」にはならないということ。

・微分派と積分派
人は幸福に対する構えで微分派と積分派に分かれます。

  1. 微分派:自分の評価が上がったとか、直前と現在の変化の大きさに幸せを感じるタイプ

  2. 積分派:その時点の変化率より、これまでに経験した大小の幸せを過去から蓄積した総量に幸せを感じるタイプ

微分派にとって幸せは、その時はガツンと来ます。昇給や昇進はその典型です。そういう時は大いに高揚しても、その給与水準や職位にはすぐに慣れてしまいます。しかも、より重要な事実として、ガツンと来るイベントは毎日起こりません。(ベストセラータイプ)

積分派の幸福は記憶にあります。例えば子育て。やっている最中は大変でも、20年たって振り返ってみると、いくつもの幸せな記憶が積み重なっています。(ロングセラータイプ)

微分的な幸せの追求には限界があり、積分した総量にこそ幸せがある。

・幸福の敵
他人との比較(嫉妬)こそが、幸福の最大の敵であり、人現にとって最大級の不幸の一つ。

子供を良い学校に通わせたいのも、「他人が良いと思うものを持っている」ことが幸せになってしまう典型です。本当は幸せになることが目的なのに、そのはるか手前にある手段が目的化してしまう。良い大学に行かないと生き残れないなど「これからはこうじゃないと、生き残れない」という人が多いですが、戦国時代じゃあるまいし、生き残れないという人で、本当に死んだ人はいません。

幸福ほど主観的なものはない。幸福は、外的環境よりも自分の頭と心が決めるもの。「これが幸福だ」と自分で言語化できる状態こそが幸福です。

感想

本書では、「うまくやろう」「成功しなければならない」という思い込みは、呪縛と言い切っている。この呪縛のせいで、ちょっと思い通りにならないだけで、「困難」に直面し「逆境」にある気分になる。「やり抜く力」や「挫折からの回復力」を手に入れなければならないと考える。

仕事に関しては、自分の思い取りになることなんでほとんどない。この身もも蓋もない事実を直視することで、困難も逆境もない。逆境が無ければ挫折もない。

この「うまくやらなければいけない」という緊張感が多くのビジネスパーソンを追い詰めているのは事実。どうせやらないといけない。どうせ全勝はできない。絶対悲観主義より成功の呪縛から自由になれば、目の前の仕事に気軽に取り組み、淡々とやり続けることができる。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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