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HANAちゃんストーリ

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#日記

心の傷に気づいた時(HANAちゃんストーリー第12話)

心の傷に気づいた時(HANAちゃんストーリー第12話)

人に笑われた。

上司という人に。

何も笑う事はないのに。悔しい。

私だって一生懸命にやっている。

なのに、笑われる。

上手くいってもいかなくても笑われる。

成功や失敗なんて関係ない。

なにをしても笑われるんだ。

バカにされている。

保育園がやっていない休日にも仕事があったので、仕方なく子供を会社に連れていっていた。

事務所の端でお絵かきなどをさせて待たせていた。

その事につい

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私を受け入れるのは誰?(HANAちゃんストーリー第11話)

私を受け入れるのは誰?(HANAちゃんストーリー第11話)

今日はとても天気がいい。

雲ひとつない秋晴れ。

散歩をしていると日差しのせいか少し汗ばむ。

火照った体を冷やすように家の中に入る。

日が差さない部屋の中は、なんとなくひんやりしている。

クールダウンしている私の横に、眠そうにしっぽを振る愛犬はな。

彼女は今にも目がくっついてしまいそうだが、恒例のしっぽ振りをしてくれる。

私がどんなに遅く帰ってこようが、私がどんなに不機嫌に帰ってこよう

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名前を書く生活(HANAちゃんストーリー第8話)

名前を書く生活(HANAちゃんストーリー第8話)

私は43歳、今年から保育園に入園した2歳の娘と小学生の息子がいる。

もうすぐ娘を迎えに行く時間。

それまでにこの名前書きを終わりにしなくては。

寒くなってきたので冬服を用意しなくてはならない。

長Tにベスト、厚手の上着に起毛素材のズボン、タートルネックのカットソー、カーディガンなどなど。

何枚も何枚も私は彼女の名前を書いた。

大人になってから、自分の名前を書くことは減った。その分、自分

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忘れないで、犬の毛並みがサラサラな事(HANAちゃんストーリー第4話)

忘れないで、犬の毛並みがサラサラな事(HANAちゃんストーリー第4話)

ほんと、毎日仕事で忙しい。

平均睡眠時間も3時間だし、土日も自宅で仕事。ほとんど休みがない。

でも、女がバリバリ仕事をするにはこのくらいやらなきゃいけないし、遊びは「悪」だ。遊んでなんかいられない。

そんな生活が2年ほど続いたある日、どうも体の調子が悪いことに気が付いた。動悸がして息苦しいし、体はだるくて重たい。でも仕事に行ってしまえばいつの間にか治っていたりした。

更にそんな生活が1年ほ

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それから、悪(HANAちゃんストーリー第5話)

それから、悪(HANAちゃんストーリー第5話)

こんにちは、HANAです。

今回はね、中学生の女の子の愛犬をしていた時のお話。

近所に住む秋吉君と一緒に良く散歩に連れってくれたの。

2人はいつも一緒にいてとても仲良しだったの。
人間の世界では幼馴染って言うんですって。

その時の2人の会話で難しいような簡単なような、きっと大事な事のお話。

「悪を全て排除することが正義なのかな」

愛犬の散歩中、幼馴染の秋吉祐一が話し出した。

中二の私

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