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オーストラリア農業の先進性から学ぶ!第1回 栽培作物の環境条件

こんにちは、日本の農業事業に携わる皆さま。今回から始まる新連載では、オーストラリアの先進的な農業技術とその実践についてお伝えし、日本の農業に新たな視点やヒントを提供していきます。第1回目は、栽培作物の環境条件について掘り下げていきます。

オーストラリア農業の先進性から学ぶ

私は2011年に日本の農業業界で3K「キツい・汚い・危険」を何度も目の当たりにし、その現状に不安を感じました。その解決策を探るためにオーストラリアに渡り、15年以上にわたって農業ビジネスを学びました。ここで得た知識と経験を、日本の農業関係者の皆さんと共有したいと思います。
オーストラリアの農業は、世界的な食料需要の増加に対応するため、特にアジア圏の中間層の需要を見据えて多くの対策を講じています。限られた水資源と農地、変動する気候条件に適応しつつ、生産性を高める取り組みが進められています。

栽培条件の重要性

オーストラリアでの農業ビジネスを成功させるためには、まず栽培条件をクリアすることが不可欠です。土地(土壌)、気候、病害虫の情報を詳細に調査し、計画の実現性を検証することが重要です。オーストラリアでは、政府が提供する多くの栽培環境に関する情報を活用することができます。

土壌の理解と管理

オーストラリアの土壌は古く、酸性度が高い傾向があります。農用地では、作物がアルカリ性の養分を吸収し、さらに窒素肥料が投入されることで酸性化が進行します。酸性化が進むと作物の収量が減少するため、土壌診断が重要です。
特に露地野菜や根菜類を育てる場合は、オーストラリア環境省のサイトを活用し、粘土質土壌や岩石が多い土壌でないことを確認する必要があります。
土壌診断のポイント

  • 酸性度の測定: 土壌のpH値を測定し、必要に応じて石灰を投入して中和します。

  • 有機物の補充: 堆肥や緑肥を利用して土壌の有機物含量を高め、微生物の活動を促進します。

  • 排水性の改善: 粘土質土壌の場合、適切な排水対策を講じることが重要です。

日本の農業への応用

オーストラリアでの取り組みは、日本の農業にも多くの示唆を与えます。特に、土壌管理や栽培環境のデータ活用は、日本でも応用可能な技術です。こうした技術を取り入れることで、日本でも持続可能な農業を推進し、農業の3Kイメージを払拭する一助となるでしょう。
例えば、オーストラリアの農業技術を取り入れた土壌診断や改良方法を参考にすることで、日本の農業生産性を高めることができます。また、政府や研究機関が提供するデータを活用し、より精密な農業計画を立てることが重要です。

土壌の状態を確認する 【参考情報】 Australia State of the Environment MAP:https://soe.environment.gov.au/




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